君を想えば
2017.11.03 17:00
古ぼけた汚い家の窓際で
妹と弟に島を出て行けと伝えた
3人ボッチの中学生の私には
どうやってこの2人を守ろうかと必死だった
必ず抜け出すようにと約束をして17年が経ち
いつの日か学校へ行かない弟と話した
ゲーム機をくれたら行くと言うから
アルバイト代でゲーム機を買って渡した。
翌日、彼は結局行かなかった。
黙り込んでずーっとずーっと何時間も側に座っていただけの無力な私だった。
話してくれるまで待ち続けた。
何時間か経ち突然胸を押さえ彼は泣き出した。
もう、見守ってあげようと決めた。
17年経ち今じゃ、逞しく働きづめの毎日を送り
約束通り妹は高校卒業と共に弟も私も15歳で島を離れた。
まだまだ半人前な私達だけれど
姉らしくしてやれない私もいるし
彼の方がやはり立派だ。
東京へ来て、彼の苦しみや悲しみを拭う事も出来ないまま時は経ち、書き留めた曲を先日弟に送り付けた。
ありがとうと一言
なんだか、私は緊張した。
「君を想えば」
10年以上前の曲ですが。
相変わらずの手作り音源を音届けしたいとおもいます。
彼は立派な調理師になりました。
妹は立派な逞しい母になりました。
カワミツサヤカ