【紹介:才人マスターの趣味の間】宮崎 高鍋・DOLPHY(ドルフィー) 23/01
宮崎・高鍋にある今年30周年を迎えるDOLPHY(ドルフィー)さん。
このお店/マスター イサヒロさんの多彩な魅力については、初訪問/初対面から回数を積み重ねる度に書き連ねてきた3つの記事(※)にぎゅうぎゅう詰めにしたので、是非ご覧ください。
※:下記転載記事とその最後にリンクを貼った2つの記事
ご訪問された皆さまがこのお店/イサヒロさんのどんな一面と巡り合えるのか、はたまた、まだ私も知らない魅力に巡り会えるのか。。。それは皆さんの縁次第。お楽しみに。
【追記】先日、久しぶりに訪問してきましたが、また新たな話で盛り上がりました。
中でも、人気焼酎「百年の孤独」を大ヒットさせたことでも知られる現・高鍋町長 黒木敏之氏とのエピソードが実に興味深く、面白かった!
黒木氏は、焼酎「百年の孤独」のラベルに、エリック・ドルフィーの名言
“When you hear music, after it’s over, it’s gone in the air. You can never capture it again. ”
「音楽を聴き、終った後、それは空中に消えてしまい、二度と捕まえることはできない」
と記した方。また、このお店の名づけ親でもあること等から、ジャズもんであることは知っておりましたが、初めてお聞きしたこのお二人の出会いは不可思議そのもの。
もう数十年前のこと、イサヒロさんのバンドのライブ中、突然乱入して去っていった全く誰も知らないトロンボーン奏者。終演後、バンド・メンバー全員が「あれ?お前の知り合いじゃないの?」と顔を見合わせたとのこと。後日、あれは焼酎を作っている黒木社長では?と判明してから始まった縁、という逸話でしたが、他にも色々教えていただき、楽しい時間でした。
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【以下、2017/11の記事を転載】
宮崎・高鍋にあるDOLPHY(ドルフィー)さんはどれか一つに絞っても良いくらい本格的な顔を三つもお持ちの不可思議なお店。
まず一つ目は当然ながら、ジャズ・バー。もちろん、本格的です。
そして、そのすぐ裏の顔は、本格的なスコッチ・パブ。まぁ、ここまではあってもいいと思います。
そして、新しく始めたとおっしゃるお昼の営業、カレー屋さん。この煮込みカレーが実に美味しいんですよ!とは、お店にいらっしゃっていた4人組のお客さんの弁ですが、その組み合わせが。。。
そして、その結果 出来上がったお店の入口はこんな感じ。。。まぁ、元々がマスターの多彩な趣味をゴッタ詰めにしたようなお店なので、あまり違和感がないと言えばないのですが、ちょっと他では見ないような不思議な店構えには違いありません。
そして、お客さんが私一人になった途端、ベートーベンの運命や中島みゆきが大音響で流れるジャズ・バー。。。何かおかしいと思いませんか?笑
このお店のマスターは、33歳の時に開業されて現在57歳ですが、見た目も感性も本当にお若く、これまでこのジャズ・ロード巡りの中でお会いしてきたマスターの中で、私と年代が近いお一人。とても親近感を抱いたので、ここでは名前でイサヒロさんと呼ばせていただきますが、イサヒロさんはこれまで知り合った多くの方々の中でもトップ級で多才かつ多趣味な方。
その守備範囲の広さは店内に飾ってあるものをちょっと見ただけでも窺えますが、更にはそれぞれが実に面白そう。
次に宮崎市内のFAR CRYさんを再訪しなければなかなかったため、2時間強しか滞在出来ず、慌しくて本当に申し訳なかったのですが、それでもサービス精神旺盛にイサヒロ・ワールドのほんの一端を覗かせていただきました。いや、これが実に楽しい!
この禁断の惑星のロビー・ザ・ロボットのおもちゃを紹介されておられる時のイサヒロさんの嬉しそうなこと!
私も銀塩カメラはそれなりに凝っていた方ですが、デジタル挫折組(注)。ところが何と、イサヒロさんが使っているのは、未だに銀塩フィルム!この600mmを手持ちで撮られたというオーネット・コールマンは傑作!
楽器も色々手掛けられるようですが、中でもサックス。宮崎のコミュニティFMでパーソナリティーをされていた時には番組内でご披露されたくらいの腕前、とは、この後、FAR CRYのマスターからお聞きしたお話。
そして先の話に戻りますが、このお店がジャズ専門を名乗っているのがおかしいぐらい音楽の趣味も広い。。。私のクラシック・ネタに呼応して、ウエストサイド・ストーリーでも有名なレナード・バーンスタインのWho am I?という知らなかった歌曲がまず飛び出し。。。
次に掛けていただいたのは単にベートーベンの運命とは言っても、カラヤン=ベルリン・フィルの1966年盤。壮年期のカラヤンが何をトチ狂ったか、ベルリン・フィルという名人オーケストラが崩壊寸前になるくらいの超高速スピードで指揮した変わり種で、クラシックというより完全にロックの世界。
ちなみに、このお店のスピーカーはJBL4311+38cmウーファーというこれまでのジャズ・ロード巡りの中では初めてのシステム。それを管球アンプの雄 ラックスマン38FDでドライブされておられるのですが、店内の長細い空間とのマッチングもあってか、ボリューム全開で鳴らした時の音圧の凄まじいこと。。。床がビリビリ揺れる程なのですが、ただ不思議なことに、音にカドがなくうるさく聴こえないのは、この管球アンプの持つ優れた特性のお陰でしょうか?いずれにせよ、いいものを聴かせていただきました。
そんな私の感慨などお構いなしに、「この世に二人だけ」や「ホームにて」という名曲を次々に鳴らしながら、これ、みゆきさんの息遣いが聴こえるでしょ?と笑顔満開で話されるイサヒロさん。。。この方、すごく面白い!同じく多趣味・博識のマスター、佐世保・BESSIE SMITH(ベッシースミス)の小田原さんと引き合わせたい!連れて来たい!
この他、ビートルズのアビイ・ロードを歩く写真の色んなテイクを教えていただいたりしましたが、残念ながらもう時間は23時半前。。。FAR CRYさんからも「もう店を閉めるぞ!」と脅しのラインが入り、泣く泣くこのお店を後にしました。
それにしても、ジャズ喫茶Down beatさん、クラシック喫茶モルゲンさんとこのDOLPHYさん。直径1km園内にこんなお店が3軒もある地域って、極めて文化的と言っても過言ではないと思うのですが。。。高鍋、恐るべし。本当に魅力的な町で参りました。
また来るしかないとは思うのですが、その時、どこのお店で何時から何時まで過ごすかが極めて切実な問題です。笑
(注)デジタル挫折組。。。デジタル・カメラは写真芸術の道具ではなく、映像加工芸術の素材獲得道具に過ぎず興味がない、という銀塩カメラの魅力にハマっていた人ほど陥りやすい病気が発症した人達のこと。
【駐車場:無(電話して聞くことをおススメします)、喫煙:可】
※その後、書き連ねた下記2つの記事も是非、ご覧くださいませ!
※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第②号( ↓ )」掲載店です。
こちらもよろしくお願いいたします。