Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

映像制作ZOOMY VIDEO

アイドルは女優になるべきか?教祖になるべきか?

2015.11.17 11:22

実は昨日、こんなツイートをしました。

すると、なぎささんご本人からいいね!をいただきました。
ありがとうございます。
なぎささんはCANDY GO!GO!というグループに所属しています。
可愛いだけでなく、ちょっと破天荒なキャラが売りの女の子です。
「教祖になる」と言い出しかねないオーラを持っています。
(以前僕が取材した映像→「アイドルグループ「 CANDY GO!GO! 」の可愛さに迫る」


なぜこんなツイートをしたかというと、
いわゆる「地下アイドル」と呼ばれる女の子たちの未来について、本気で心配しているからです。
僕はもともとアイドルに関心があったわけではありません。
AKBのメンバーですら、実は未だに誰が誰やらです。
しかし、お仕事でたくさんの地下アイドルさんたちとお話ししていく中で情が湧いてしまったのです。


ご存じない方のために説明しますと、
地下アイドルとはライブ主体で活動するアイドルのことです。
所属事務所が小さいことが多く、メディア露出はほとんどありません。
一方で、アイドル人口は増え続けており、
一説には4000〜5000人とも言われています。(勢いはなくなってきたかも知れませんが)
毎週、日本のどこかで大きなアイドルイベントが開かれています。


試しに、この2年間で実際に話を聞いたことのあるアイドルを数えてみました。
すると、130人ほどになりました。
そして、そのうち約3割である37人がすでにアイドル活動を停止していることが分かりました。
僕は、これはちょっと多いなと思いました。
彼女たちがめちゃくちゃ頑張っていたことを知っているからです。


多分お給料をそんなにもらっていない中で、
毎日放課後レッスンに励み、(しかもレッスン料を払いつつ)
体をボロボロにしながら、
「いつか売れる!」を合言葉に、
お客さんの笑顔のため、週末はライブをハシゴする。


そんな彼女たちにする鉄板の質問で、
「将来はどうなりたいの?」というのがあります。
この質問をした結果、僕の記憶だと取材した約半数が「女優」と答えました。
全員が本気で言っているわけではないでしょうが、「なれたらいいな」とは思っているでしょう。
(ちなみに、次に多い答えは「声優」です)


では、アイドルをやめた子のうち果たして何人が女優になったのか。
そして、今もアイドルを続けている子のうち何人が女優になれるのか。
答えは怖いから言いません。


一つの問題としては、
彼女たちが「アイドルで有名になって女優になる」というキャリアパスしか描けられない、ということがあると思います。
地下アイドルから一番有名になったのは、最近だと橋本環奈ですが、彼女も女優としてはまだこれからです。
人生における成功には、いろいろな形があります。
彼女たちはそれを知らないのです。


また、そもそも女優を目指す上で、アイドル活動は必要か?と思います。
本当に女優を目指すなら、まずは大きな事務所に入るべきです。
地下アイドルの運営で、ドラマのキャスティング担当者の電話番号を知っている人は、
果たして何人いるでしょうか。
女優になりたくてステップアップでアイドルをやろうという考えは、絶対にお勧めしません。
まず、演技の勉強をできる環境がほとんどありません。
そして必ず、ライブとレッスンでいっぱいいっぱいになります。
体を壊して、精神を病んでしまった子も見てきました。


新人女優に求められるものというのは、一概には言えませんが、
フレッシュさや透明感のある美しさであることが多いです。
しかし、地下アイドルたちの体はボロボロなことが多く、メイクさんは大分苦労することでしょう。
女優になるためには、もっと他に投資しないといけないことがあると思うのです。


では、現役地下アイドルたちはこれから何を目指していけばいいのか。
僕が考える彼女たち最大の武器は「発信力」です。
目の前のファンを動かし、感動させ、それを遠くまで届けていく力です。
彼女たちは発信力を磨くためだけに日々努力していると言っても過言ではありません。
そして、発信力は、一度手に入れてしまえば、何度でも使える大きな財産になります。
僕が話した地下アイドルさんの中には、そのことをちゃんと意識しながら活動している子もいました。


最初にご紹介したツイートで「教祖」と書いたのはそんな理由からです。
彼女たちには、女優になるチャンスはあまり多くないかもしれませんが、
フッションでもビジネスでも持ち前の「発信力」で将来「教祖」に近いものになれる可能性は十分あります。


彼女たちには、幸せになって欲しいのです。



PS.

テレビ業界の裏側と家族愛を描いたノンフィクション小説を出版しました。

僕の助監督&ドキュメンタリーディレクター時代の話を書きました。
おかげさまで、Kindleランキングのエンターテイメント部門で4位を獲得しました。
期間限定で、この電子書籍をブログ読者さんに無料プレゼントしています!
お申し込みはこちら