鼻涙管閉塞
ねむの目が開きにくそうです。
※目や針の写真を見るのが苦手な方は、このページをクリックしないでください。
ねむ(生後3か月 男の子)
ねむは最近、我が家にやってきた子ウサギです。
生後2か月で家に来たときは、体重410gでしたが、今は980gになりました。
3週間ほど前から、目の周りに涙があふれるようになり、目をしょぼしょぼさせるようになりました。
そこで、鼻涙管洗浄を行いました。
鼻涙管とは、涙が出た際に、目にある涙点から鼻に通じている管のことです。
これが涙点です。人間や犬には2つありますが、うさぎさんには1つだけです。
ねむの涙点は、ちゃんと確認できましたが、鼻涙管を洗浄するために、プラスチック製の管を入れようとしましたが、入りませんでした。
涙点の箇所(鼻涙管開口部)が閉塞しているようです。
このプラスチック製の管から洗浄液を入れ、鼻涙管の中に詰まっているごみを洗い流します。
プラスチック製の管は、ふにゃと曲がり、鼻涙管開口部に挿入できませんでした。
そこで、ブジーと呼ばれる金属の棒を使い鼻涙管開口部を開く処置をしました。
ブジーは無事に鼻涙管の中に入りました。
そして、いつものように、鼻涙管洗浄を行いました。
鼻涙管洗浄時に、涙点が閉塞しているケースでも、このようにブジーを使うことによって、開口させることができます。
しかし、私が経験したうさぎさんで一匹、涙点が見つからない症例がありました。
どこをさがしても涙点がないのです。ブジーを使ってみましたが、開けることができず…
先天的に涙点がない症例を経験しましたが、そのケースはまれです。
鼻涙管閉塞の原因は、腫瘍、膿瘍、不正咬合などがあります。
鼻涙管洗浄は月に1回以上行うのが望ましいです。点眼薬だけだと、鼻涙管の中に入り込んだゴミが取れないこともよくあります。