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WUNDERKAMMER

スタイリッシュな骸骨

2017.11.06 04:29

その日は俺のうちがある市にかなりの雹が降った。

終電で仕事から帰って来て、

玄関の周りの雹を除ける作業をしていたんだけど、

家の前、夜中で人気の無い道の向こうから誰かが歩いて来た。


しかし何かおかしい。

人にしてはやけに細い、痩せすぎてる。

気になって見てたんだけど、

街灯の下に照らされてはっきり見えたそれは骸骨だった。


怖くて家に逃げ込みたかったけど、何故か体が動かない。

骸骨は道の真ん中をどんどんこちらへ歩いてくる。


しかしその骸骨、

左の手を腰に添え、顔を真正面に向け、

歩幅は広く背筋も伸び、すごく綺麗な姿勢。

パリコレとかのランウェイを歩くモデルを想像してほしい。それだ。


その骸骨は颯爽と俺の前を通り過ぎ、

しばらく行った角を曲がって行った。

そうしたら体が動く様になったので、

急いでその角まで走って行って見たけど、

既に姿は消えていた。


実は骸骨を見たのはこれで二回目。

最初は俺がまだ小学生だった頃。

夕方の公園、

小高い人工の丘の上でくねくねと動く骸骨がいた。

真っ赤な夕焼けの空の下で、

両腕を変な角度に曲げたり、

顔の周りで手をくるくる回したりしてた。

後年YouTubeでとあるPVを視て気付いたけど、

あれはヴォーギングをやっていたんだな。

何かスタイリッシュな骸骨に縁があるのかもしれない。