【イタリア】ミラノ工科大学の生活+トビタテ実践活動
Ciao tutti!
こんにちは、今回はイタリアのミラノ工科大学に建築留学中の【スズ】がお届けしています。
今回は私の留学先での履修や実践活動などについてご紹介していきます。
私は留学計画を前半にミラノ工科大学(6カ月)+実践活動(3カ月)で計画しています。
1.ミラノ工科大学のカリキュラム概要
2.ミラノ工科大学での具体的な授業
3.後半の実践活動
の順でご説明していきましょう。
1.ミラノ工科大学のカリキュラム概要
ミラノ工科大学の建築専攻では、「スタジオ」と「座学」という二種類の形式の授業が設定されています。
スタジオは図面や模型を用いてプレゼンテーションを行い、教授から定期的にクリティーク(講評会の場で批評を頂くこと)をもらいつつ設計のスキル自体を向上させるような授業です。
もうひとつの座学は、日本でいうようなただ座って聞くタイプのものは少なく、グループワークやドローイングの提出などを求められるようなものから、ほとんどスタジオに近いようなものまで様々です。
スタジオの方が提出物の頻度やハードさも高いので、学びたい教授やテーマを吟味して厳選して履修することをお勧めします。
また、ミラノ工科大学での授業選びで一番大事なことは、履修期間開始日にすぐ履修登録のページに行くことです。
私は履修開始数日後にのんびりログインしたら人気なスタジオや面白そうな授業は軒並み定員オーバー(しかもこれ、システム上逐一選択して登録完了ページまで操作しないと定員オーバーかどうかわからない)になっていました。
やむなく上からすべての授業を検索し、限られた15個くらいの授業から選ばざるを得ないという本末転倒な状況になりました…。
(私は東京藝術大学からの交換留学生としてミラノ工科大学に所属しています。正規生の場合とは違う可能性もありますので、あしからず…。)
2.ミラノ工科大学での具体的な授業
そんなこんなで現在私が履修している授業が以下の4つです。↓↓↓
・IC URBAN ETHNOGRAPHY(都市民族誌)
メインの先生2人が隔週持ち回りで、前半は先生のプレゼンテーションを聞きながら積極的に質問される形式の座学、後半は都市観察写真などを生徒から集めて写真集を作ったり、各自で都市の映像作品などをつくったりするるなど年によって変化する授業。内職は困難、緊張は不可避だが優しい先生たち。授業時間は14:15-20:15
・THEORY IN CONTEMPORARY ARCHITECTURAL DESIGN(現代建築デザイン理論)
規模の大きい授業で100人近く生徒がいる。前半はCovic教授のプレゼンを聞くのだが、内容が古代からスーパースタジオやメタボリズムまで多岐に渡っていてとにかく面白い。先生のイタリア語訛りの英語は慣れるまでかなり時間がかかる。また講義と同時進行で5人でのグループワークが要求され、その年ごとのテーマに合わせコンセプトドローイングと模型、論文を提出しクリティークを受ける形式。授業時間は10:15-14:15
・ PHILOSOPHY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(科学技術哲学)
実は履修時にはわからなかったが上記のIC URBAN ETHNOGRAPHYと時間がもろかぶりしていて履修できず。
・SPATIAL ANALYSIS(空間分析)
履修はしたが初回授業を先生がすっぽかしたこと+レジュメに謎の数Ⅲの数列だけが並んでいたので即リタイア
よくよく読まれた方はお気づきかと思いますが、実質2つしか取っていません。
そもそも履修登録に失敗し人気授業を取れなかったことに加え、下記に説明する実践活動期間をたっぷりイタリアに使いたかったので、その代わり興味のない授業はぱっとやめてヨーロッパに建築を見に行ったりミラノの教会をまわったりして過ごすことを優先しました。
3.後半の実践活動
トビタテ奨学金を検討したことがある方ならご存じかもしれませんが、この奨学金には「実践活動」が必須になっています。
これは、学修活動以外の【インターンシップ、フィールドワーク、ボランティア、PBLなど「実社会と接点」を持つ活動】のことを指し、これがトビタテ奨学金の支援する柱といっても過言ではないと思います。
私の場合はこの実践活動を『陶芸と建築』というテーマで提出し、日本とイタリアのそれぞれの陶芸産地を比較研究するためのフィールドワークを計画しました。
元はといえば都市観察やトマソン、考現学などが趣味で、日本で生まれ育った目で海外の都市を見てみたいというのが単純な目的であり、とにかく1つの国を小さな都市まで様々巡ってバナキュラー建築(その土地固有の建築のこと)のかけらを収集したい!というのが本当のところです。
しかし、大学院の教授に相談したところ「なんとなく歩くんじゃなくて、ひとつモノを決めた方がいい。後で変わったってかまわないんだから」とアドバイスをいただき、どんな街にも大体あって、土着的で少しずつ特徴の異なるようなものを考えて、陶芸がいいんじゃないかと落ち着いたわけです。
具体的には、日本の北海道から沖縄までの多彩な焼き物と気候・建築の関係を、同じく縦に長いイタリアのトリノからシチリア島まで陶芸を目当てに巡ってみることで、なにか面白いことが見つかるんじゃないかと、まぁここから先は希望的観測でしかないのですが、最後の3か月間はそんな研究をする予定です。
ちなみに日本にいたときは陶芸の産地に趣き民家を図面実測したり、実際の焼却方法を調査し焼き物を焼かせてもらったりしていました。
イタリアでも同様に、様々な窯元や現地の民家にお邪魔し、実測図面の採取と記録を行い、そこから現地の土や陶芸の成り立ちと現地の建築の関係などがわかったりしたら面白いなぁともくろんでいるところです。
以上、私の履修と実践活動について紹介してみました。
ミラノ工科大学に興味のある方、どんな授業がどんな雰囲気で行われているの?などの参考になれば幸いです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
Arrivederci!さようなら!