TPPについて
2011.01.04 00:35
2011年がはじまりました。
今年も政治課題は山積しておりますが、
何を優先的に解決していくかは、たいへん重要な選択です。
数々の課題の中で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について触れてみたいと思います。
TPPといえば、国内農業が打撃を受けるといったことを理由に、
参加への議論が停滞しています。
民主党も自民党もそれぞれ党内で意見が割れているようです。
私はTPP参加には賛成です。
その一番の理由は、農業問題ではなく「中国への牽制」です。
これまでの日本は、経済においても戦略が乏しく、
中国企業は野放図にアジアやわが国に進出してきました。
尖閣問題をはじめ、軍事的な観点から対中戦略が騒がれてきましたが、
私はそれ以上に経済が鍵になるだろうと思います。
経済的関係を理由として対中戦略が弱腰になっていることは、
ASEAN諸国、日本はもちろんのこと、アメリカでさえそうなのです。
日本が自由主義陣営の国々と経済的な連携を強めることで、
実は安全保障上、極めて有効な連携になり、中国を牽制することになると考えます。
いわば鳩山前首相が唱えた「東アジア共同体論」の逆張りです。
しかしながら、農業問題ばかりが騒がれ、TPPの議論が前進しません。
農業問題は副次的なもので、もっと考えるべきはこれからの国家像なのですが、
農業が盛んな地元を抱える政治家は、自身の票欲しさに単純に後ろ向きになっているのでしょう。
海があって、山があって、海洋民族とも農耕民族とも言えるわが国の特性は、
国を閉じて幸せになるものではないと思います。
畠中光成