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米国の対中戦略

2010.03.15 03:05

米国の対中戦略が気になる。

おそらく米国は経済と軍事を分けて考えている。

経済においては、米中は密接に繋がりつつあり、

今後も深まっていくことが、双方の国益に適うのだろう。

金融危機の打撃もあり、オバマ政権は特に経済の面においては

中国に低姿勢であるが、

今後もそれが続くかは中国の出方次第という側面もあろう。

一方で軍事においては、中国の世界的な脅威を認識しており、

手をうっていくことになるのだろう。

総じて米国の対中戦略は、「敵でも味方でもない」という曖昧なものになっている。

 

もし明確に中国が米国の敵で無くなった時、わが国はどうなるか。

日米同盟は、朝鮮半島および台湾の有事を想定しているが、

日米同盟の意義が薄れてしまわざるをえない。

米国はともかくとして、わが国からは「中国は脅威である」という

メッセージを発することは国益に適うことであると思う。 

 

歴史を遡れば、日英同盟はロシアという共通の敵があったことで存続しえた。

現在の日米同盟にそれはあるだろうか。

自主防衛という言葉が現実的か分からないが、

自国の軍事・防衛への「意思」を持つことから、

日米同盟を深化させることが急務であると思う。

 

 

畠中光成