増税で良いのか
2011.01.14 11:11
菅政権の改造内閣の顔ぶれが決まった。
しかし、民主党がどうのこうのよりも、この国の行方が本当に心配でたまらない。
与謝野氏が経財相に引き抜かれたそうだが、
いよいよ消費税増税が目の前に来たということなのだろう。
心配するのは増税そのものよりも、
それをこのタイミングでやりたがる「センス」に、
これが日本の政権政党、多数派政党なのかと思うと、
この国の政治を憂うのだ。
消費税は平成元年に3%、平成9年に5%で施行された。
施行後2~3年は、当然、税収増になるのだが、
その後すぐに、税収減の道をたどる。
増税しているのに税収は減っていることになる。
(一般会計税収の推移を参照:
★平成元年から数年と、平成9年から数年の税収に着目してほしい)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/010.htm
なぜこうなるのか?
それは、わが国が緩やかなデフレに陥っているためであり、
マクロ経済政策の失敗というか無策にあるのである。
ここで増税すると、国民にとっては「負担は増えるわ、景気は悪化するわ」の
踏んだり蹴ったりの状態が、数年でやってくるだろう。
今でこそ厳しい情勢なのに、それ以上というのは沈没を意味する。
ちょうど、たばこ税が増税になって禁煙した人が増え、結果として税収が減ったことと似ているが、
これは健康になる人が増えるというメリットがある。
しかし、菅政権が取り組みたがる、このタイミングでの増税路線は、
健康どころか臨終しかねないということを、もっと知って欲しい。
畠中光成