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政局の判断軸

2010.05.13 08:39

小沢一郎民主党幹事長が、検察審査会による起訴相当処分を受けたことにより、

それが進退問題に発展するのか、そのことにより政局がどう動くか、

また更に、外政・内政ともに停滞するわが国の進路がどちらに向かうかが注目される。

時局は夏に参議院選挙をひかえ、国民の審判を仰ごうとするところである。

 

昨年夏の衆院総選挙から、わが国の問題点が浮き彫りにされたことが、

民主党の唯一の成果であったと言える。

外交では、中国の台頭、米国の衰退の中で、わが国の安全保障と、

アジアの中での位置づけをどのように考えるかといった問題。

内政では、加速する少子高齢化の中で、財政をどのように建て直し、

豊かな経済・社会を築いていくかという問題。

いずれにおいても、わが国は明確な答えを準備できていない。

 

小鳩体制が終われば、民主党が正常化するかと言えば、

そう簡単ではないと思う。

政権交代のみが目的化していたため、

その後、日本をどうするかといった理念や政策が疎かにされすぎた。

夏の参院選も小沢・鳩山の「政治とカネ」に焦点をあてて、

政局が動いてしまうと、その後の国家像を描くことは難しい。

この状況を生み出した、小鳩体制と民主党の罪は重い。

 

日本を建て直す為には、理念・政策による政局を作る必要があるように思う。

すなわち言い換えれば、現在の政局は国内の「内紛」であって、

世界の中において日本がおかれている状況をまったく無視している。

これぞ島国根性極まれりである。

政治家や政党は、今こそ理念・政策を前面に掲げるべきだろう。

それは大衆迎合的な国内向けのものではなく、

世界やアジアから見て、日本の将来が期待されるようなものであるべきだろう。

 

有権者は、政治を自らの問題として考えてみてほしい。

間違いなく国民自身が主人公なのだ。

そして私たちの日本の何が問題かを、

地理的、歴史的に大きな視点で捉えて判断してほしい。

経済的に損か得かで動くような問題でもなければ、

好きか嫌いかで動く問題でもないのである。

多少はそのようなことがあったとしても、

理性と徳性でもって判断できるからこそ、

人間であって国民なのではないだろうか。

その判断が、将来の子孫へ引き継がれていくものなのだ。

わが国のおかれている状況は厳しいが、

それを回復できるのは国民の叡智のみである。

 

 

畠中光成