社会保障と増税の誤解

2011.08.12 14:02

菅首相の退陣がほぼ決まりそうで、そうなると民主党代表選挙によって次期首相が選ばれる。

代表選挙の争点は、どうも増税になるようだ。

名前が上がっている代表候補では、復興の増税には賛否両論並んでいるものの、

社会保障の増税には馬渕氏以外、全て賛成している。

 

復興の財源に増税は愚の骨頂であることは前に書いたが、

社会保障の増税にはどうも反対しにくい人が多いようだ。

しかし、よく考えてみてほしい。

日本の高齢化のピークは2075年で、今はまだ山の入り口にあたり、急こう配はこれからだ。

その間どれだけ増税すれば良いのか、誰も答えていない。

そう、増税してもまた増税を繰り返すだけで、

どんどん若い世代に将来不安を与え、まだ見ぬ世代にツケを残しているだけなのだ。

自分の孫や子供に、税率50%の生活をさせることを望む日本人がいるだろうか。

 

今の現役世代が今の高齢世代を支えている賦課方式ではなくて、

当初の仕組であった積立方式に戻さなくては、不安もツケも解消されない。

その間、本当の意味での「消えた年金」は、役所の無駄遣いや政府のバラマキ年金に使われてしまった。

そのことを誰も言わないし、責任追及さえしない。

その責任は霞が関と永田町が負うべきなのだ。

今の国民が負うべきではないのはもちろんのこと、将来の国民が負うべきものでは絶対にない。

 

増税は打ち出の小槌ではない。

公務員改革など政府を徹底的にスリムにすることなしに、

正しい政策はなしえない時代に入った。

まさに「増税の前にやるべきことがある」だ。

 

 

畠中光成

http://hatanaka.cdx.jp/