連載 | 看護師のギモンに応える!エビデンスの使い方・広め方 第9回 EBPの批判的吟味を効率的に学ぶには? (2021.12)
2022.01.23 12:00
週刊医学界新聞の連載「看護師のギモンに応える!エビデンスの使い方・広め方 」(看護号)の第9回は『EBPの批判的吟味を効率的に学ぶには?』です.この回では、「教育」「学習」をフィールドとした Evidence-based Practice(EBP) の一場面として、EBPの教育事例を取り上げました.
この事例では、次のような設定でPICOを立てています.
P:EBPに関心のある看護師,看護学生・大学院生,看護系教員を対象に
I:EBPを目的として文献の批判的吟味を行うと
C:看護研究のための一般的な授業やセミナーと比べてO:量的研究の苦手意識を緩和する,EBPに対する理解が深まり動機付けになる
EBP教育の中でも、とくに文献の批判的吟味は、研究に関する知識が必要となることから、研究者養成コースのカリキュラムと混同されることがあります.しかし、筆者の経験からも、「研究を行うための研究の学び方」と「実践に活かすための研究の学び方」は、学びのゴールが異なるため、学びを深めるプロセスや動機づけが異なると考えます.
このようなEBPの教育・学習に関する効果的なアプローチのエビデンスは、まだ確立されているとはいえません.今後さらなるエビデンスの蓄積と、日本でのEBP教育の充実が求められます.
Reference.
友滝愛(執筆/監修). 深堀 浩樹, 津田 泰伸(編集協力). 看護師のギモンに応える!エビデンスの使い方・広め方 [第9回] EBPの批判的吟味を効率的に学ぶには? 週刊医学界新聞(看護号)第3449号. 2021年12月13日. https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3449_03