「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 人間関係とその設定されたキャラクターが際立つ大河ドラマ
「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 人間関係とその設定されたキャラクターが際立つ大河ドラマ
水曜日は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について、私の感じたことなどをお話ししている。私は小説家として鎌倉時代や、この源平合戦に関する内容を全く書いていないので、専門的なことは言えないのであるが、それでも「歴史を題材にした創作物」ということに関しては一定の理解を持っているつもりである。その内容を少し面白く書いてみようともう。
さて、これら歴史を扱うドラマなどは、そのキャラクターとそのキャラクターが織りなすドラマが重要になる。もちろん三谷幸喜氏がどのようにしてキャラクター設定をしているのかは聞いたことはないが、しかし、だいたいの場合、歴史上の人物の場合、その人が成し遂げた功績と、その人のエピソードなどから、類推してそのキャラクターを設定してゆく。
今回の「鎌倉殿の13人」の場合、その主人公である北条義時(小栗旬)のキャラクターを設定する。その次に、その周辺のエピソードを解析する。例えば、承久の乱のときに、後鳥羽上皇と戦うというようなとき、北条政子が尼将軍として演説をするのであるが、その時にどんな気持ちでいたのかなどを類推するのである。そのように、周辺の強烈なキャラクターを設定、というかそのキャラクターに関してはだいたい今までにも言われているので、その対比として、北条義時などのキャラクターをつけてゆく。そしてそのキャラクターが、他の場面に行った時に、どのような行動をとるか、などをシミュレーションし、徐々にキャラクターを確定させるのである。そして、それに近い現代に生きる人(芸能人などの有名人の場合も、自分の周辺の友人などの場合もあるが)に置き換え、その人々がどのような動きをするかということを見てゆくのである。
そのキャラクターが極端で、なおかつコミカルな動きをする場合は、シリアスな中にも面白い演劇が作れるのである。もちろん、それを活かす役者の演技力と演出、カメラワークなどのスタッフの活躍も見逃せない。
鎌倉殿の13人:小池栄子“政子”、ガッキー“八重”にマウンティング 笑顔で手を振る姿「やばすぎ」「怖い」
俳優の小栗旬さんが北条義時役で主演を務める2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第3回「挙兵は慎重に」が1月23日に放送され、小池栄子さん演じる政子の、新垣結衣さん扮(ふん)する八重へのマウンティングに視聴者の注目が集まった。
第3回では、治承4(1180)年4月、源頼朝(大泉洋さん)と引き離された八重(新垣さん)は、伊東祐親(浅野和之さん)の家人・江間次郎(芹澤興人さん)の元へ嫁がされていた。対岸の江間館を見つめる北条義時(小栗さん)。そんな折、頼朝の叔父・行家(杉本さん)が北条館を訪ねてくる。
怪しがる政子(小池さん)。しぶしぶ対面する頼朝だが、行家は平清盛(松平健さん)へ反旗を翻した後白河法皇(西田敏行さん)の御子・以仁王(木村昴さん)の令旨(りょうじ)を携えていた……。
北条館の庭で2歳になった娘の大姫をあやす頼朝と政子。ふと政子は対岸へと目を向けると、そこには八重が立っていて、勝ち誇ったかのように笑顔で手を振る。
SNSでは「政子さん、煽るなって…www」「政子のマウントやばすぎwww」「姉さん、それちょっとやりすぎです」「いや、それはあかんやろ、政子」などと視聴者は反応。「政子のマウント怖いわー」「笑顔でお手振り、こわい」「ホラーよ!」といった声も上がっていた。
「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く、予測不能のエンターテインメント作だ。
2022年01月23日 MANTANWEB
https://mantan-web.jp/article/20220123dog00m200022000c.html
今回そのようなキャラクターで最も際立っているのは、小池栄子さん演じる北条政子であろう。あまりネタバレなどをするつもりはないが、それでも、北条政子が将来「尼将軍」といわれ、源頼朝(大泉洋)なきあと幕府を支えたことは間違いがない。つまり、北条政子は「幕府の中心として運営する能力がある」ということ、つまり「先読みができる」というだけではなく「度胸がある」それに「気が強い」というような特性がある。しかし、そのような女性が恋をした場合、他の女性を排除するばかりではなく、常にマウントをとり、源頼朝の片腕として相談相手になっていたはずである。今回、上記のように伊藤八重(新垣結衣)との関係、つまり源頼朝を取り合った女性二人というような関係ばかりが言われることになるが、そもそもそのような女性の恋は、ある意味で大胆で、また周りを巻き込み自分の正義を貫くような感じになる。
まさにそのことが、今回発揮された感じではないか。
このほかにも、妻にほだされる北条時政(坂東弥十郎)や、なんでも自分の思い込みで突っ走る北条宗時(片岡愛之助)、自分の恋を貫く八重、そしてなんとなくコミカルな人たらしの後白河法皇(西田敏行)というように様々なキャラクターが、その演じる役者の個性とうまく相まって、よい味を出しているというような感じになる。まさに、三谷幸喜新描いた通りの演劇になっているのではないか。
今回なかなか面白かったのは、以仁王(木村昴)であろう。実際に出てきてすぐに攻められて亡くなってしまう。もちろんこの時代の中では法王の息子の王が、臣下である平清盛の打倒を言うということになる。史実ではこの前に「鹿が谷の陰謀」があり、徐々に平家打倒の機運が盛り上がってゆくのであるが、その辺はカットされている。もちろん当時の源頼朝の視線からは見えなかったという解釈になるのであろう。
その代わり文覚上人が出てくるということになり、その人が様々な事件をコンゴ引き起こす「癖のある」役をすることになるのであろう。
今回はあまり史実との隔たりや解釈に関しては書かなかったが、しかし、このようなキャラクターに注目し仲が見るというのも面白いのかもしれない。