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タウンエースベースキャブコンのメリット

2022.02.01 06:22

キャンピングカーの種類の中で多くの方がイメージするのはキャブコンではないでしょうか?


そんなキャブコンの中でもカムロードよりも小さなトラックにキャビンを載せたコンパクトなキャブコンをライトキャブコンといいます。


しかし、マツダのボンゴトラックがなくなってしまった現状では、カムロードの下のライトキャブコンのシャーシはタウンエーストラックしかないため、ユーザーの選択肢がなくなってしまいました。


キャンピングカーショーに行くと、キャブコンはほとんどがカムロードです。

そんな中でタウンエーストラックベースは少し地味な存在なのですが、タウンエーストラックはライトキャブコンのベースとしてどうなのか?オーナー目線でメリット・デメリットを検証してみました。


メリット① 車高が低く、乗り降りが楽。

タウンエーストラックの床面までの高さは約76センチ それに対してカムロードベースの床面高さは…

約80センチです。これがキャンピングカーになると荷台部分は取り除かれるので、純粋なシャーシ部分の高さの差はもう少しあるかもしれませんが、カタログ上4センチの差があります。

4センチって地味に感じるかもしれませんが、一円玉2個を並べた高さと同じで段差が高くなるほど乗り降りは大変です。


また、運転席と助手席はお尻の下にタイヤがありませんので、キャブオーバーのようにグリップに掴まってよっこらせが要らないのもポイントです。

よっこらせが要らなくて助かるポイントに隣の車がすぐ横にある時です。

キャブオーバー車は乗り降りの際スペースがないと、ドアを大きく開けられず、乗り降りが結構大変なのです。

これは実際に試してみないとわからないポイントですので、展示場などでどれくらいドアを開ければ乗り降りできるのか確認してみてください。


それに対してタウンエーストラックは背高コンパクトカーに近い乗降姿勢なので、普通車のようにドアを少しづつ開けながら乗降することができます。


メリット② キャンピングカーのベース車の中で、足回り強化費用が安上がり。

これはメリットでもありデメリットでもあるのですが、タウンエーストラックのキャンピングカーに約3年乗って今まで足回りをいじったのはリアの強化サスペンションと強化ブレーキのみです。


一応メーカーのミスティックプランニングがオプションでエアサスや前後スタビライザーを発売していますが、私は飛ばさないので、このセッティングで十分です。そもそも、このクルマで飛ばすのは不可能です(笑)


カムロードは多くのユーザーさんが乗り心地改善のために足回りの強化を行なっています。


尻下がり改善 増しリーフorエアサス

タイヤ耐荷重強化 タイヤ交換

車体の横揺れ軽減 スタビライザー エアサス 

乗り心地向上 エアサス

ブレーキの効き向上 強化ブレーキ エアサスor増しリーフ


これらを入れていくとあっという間に数十万円の出費になってしまいます。


対してタウンエーストラックは重い荷物を載せない設定なので、足回りはガチガチのセッティングではなく、ある程度衝撃を受け流しつつも商用車としてはマシな乗り心地になっています。

(ハイエースのバンとワゴンくらいの違いがあります。)


そのため、足回りの強化にほとんど費用をかける必要がなく、初期の投資を抑えることができます。


スタッドレスタイヤなどもシングルタイヤなので、揃えるのは4本でよく、安上がりです。タイヤの空気圧点検もやりやすいですね。


メリット③  エンジン出力やギア比とのバランスが良く扱いやすい。

タウンエーストラックは1500ccのガソリンエンジンを搭載しており、カムロードと比べて非力です。

ですが、キャンピングカーは飛ばす車ではありませんので、パワーは最低限有ればオッケーです。

私が思う最低限は、「登坂車線がある高速道路でも登坂車線を使わずに流れに乗れる」ことです。


高速道路ではありませんが、日本でも屈指の過酷な道路 名阪国道でも登坂車線を使わずに流れに乗って走ることができます。(エンジンは唸りますが)


このクルマは少し時代遅れな4ATですが、ギア比が低速寄りになっており、エンジンの非力さを補っています。また、エンジンブレーキもよく効くので、長い下り坂では積極的にシフトダウンを活用しています。


以前このクルマの加速感などをパワーウェイトレシオから比較する記事をあげていました。

タウンエースベースのレジストロアウルは定員乗車状態の2トンで計算すると大人4人乗車のスペーシアカスタムのノンターボとほぼ同じパワーウェイトレシオでした。大体イメージ通りですね。

ノンターボの軽と同じパワー感なので、速度が出過ぎることもなくのんびりと巡航できます。

これ以上パワーがあっても、この貧弱な足回りでは怖いですし、持て余すだけです。

必要があれば、アクセルを踏み込んで加速できますので、キャブコンとしてはストレスは少ないと思います。(乗用車と比較にはなりません)


ちなみにカムロードディーゼルターボはどうでしょうか?モデルチェンジ前のデータですが

大体N BOXのターボ車と同じくらいの走行性能があるので、安定して走るために足回り強化が必要なのでしょうね。実際にディーゼルのコルドリーブスを運転しましたが、恐ろしくスムーズに速度が出ます。重量級車体ですが登坂車線を必要とせずに平均以上のペースで走ることも理論上は可能だと思います。


ただ、そういった運転は横転に繋がりますから、高性能エンジン+貧弱足回りのカムロード・おとなしめのエンジンと貧弱足回りのタウンエースであれば、貧弱ながらもバランスの取れているタウンエースの方が走らせる上での使い勝手は上でしょう。(速度は出ませんが)


メリット④ フルサイズキャブコンと比較してホイールベースが長く直進安定性に優れる


タウンエーストラックのホイールベースは2650mmで、カムロードのホイールベース2545mmよりも10センチ程度長くなっています。一般的にホイールベースが長くなると、直進安定性が高まり 短くなると旋回性が高まります。

カムロードのベース車のダイナはよく短距離小口配送に使われるので、小回りが効くショートホイールベースが向いています。

しかし、ショートホイールベースの弱点は高速走行時の安定性と段差を乗り越えた際の乗り心地が悪くなることです。タイヤがフロントシートの下にあるキャブオーバー車は特にこれが顕著です。


タウンエーストラックはタイヤを前方へ移動させたセミキャブオーバー構造なので、ホイールベースが長く、小径タイヤを採用している割に段差を乗り越えた際の振動はダイナよりもマイルドで、高速走行時の疲労感も同クラスでは少なくなっています。


メリット⑤4WD車はデフロック付きでスタックに強い(注意事項あり)

不整地のあるキャンプ場や雪道などでスタックした時に頼りになるデフロックがタウンエースの4WDには装備されています。

これはジムニーや農業用の軽トラにも装備されているものなのですが、なぜかタウンエースにも搭載されています。流石にジムニーのような走り方は出来ませんが、万が一の際の保険にあると便利です。


しかし、このデフロック 使い方を間違えると非常に危険なものとなります。

凍結路面などで、デフロックを作動させたままにしていると、コーナーを曲がりにくくなっていますので事故になる危険性が高くなります。

デフロックはあくまでも脱出用と考えて、用事が済んだらスイッチをオフにするのを忘れないようにしましょう。


タウンエーストラックはライトキャブコンで唯一のベース車となっていますが、そのポテンシャルはカムロードにも引けを取らないと個人的には思っています。

ただし、メリットがあれば当然デメリットもあります。たくさん(笑)


次回はタウンエーストラックのデメリットについてご紹介していきますね。