1年生実習前実技試験(OSCE)を実施しました
実習前実技試験(OSCE)を実施しました。
限られた時間の中で準備してきた1年生、緊張した面持ちでしたが、ちゃんとインテークとスクリーニングに目的を持って実施できていて、殆どの学生が実技だけでなく教員からの口頭試問にほぼ的確に答えられていました。
毎年OSCEを見ていると思うのですが、実技の実施にもちろん知識は必要ではあるのですが、知識だけではない『感性』も大事な要素だと思います。
知識が足りないのは、学生だからもちろんそうですし、経験も浅いので「正確な」ことはできません。
でも、相手を知りたいと思う、患者さんに向かうベクトルの強さは、講義や本からは学べない、学生の感性の現れだと思います。
自分に向けられる評価ばかりに気持ちが向いていて、患者さんへの意識が薄れてしまうと、自分本位で患者さんにストレスをかけるだけの時間になってしまいます。ただでさえ知識も経験もないのに、患者さんへの関心すらも薄い学生に、患者さんやバイザーがOKを出してくれるはずがありません。
今年の1年生はその患者さんに向かうベクトルがとても強くて、見ていて安心感があります。私たち教員が講義の中で伝えたいことを、汲み取ってくれているのをひしひしと感じます。
患者役をしていた教員が「3~4年目のSTのように感じた」とも言っていました。患者さんのことを知りたい、ことばにならない思いを汲み取りたい、そのためのヒントを患者さんの声や仕草や表情からつかみ取りたい、その意識をもって臨んでくれている姿にとても感動しました。
その姿勢の上にに知識や経験が乗っていく、それが理想だと思います。
無事に実習が行われ、実際の患者さんを前に同じことができるよう、このところのコロナ感染拡大が早く収束に向かうことを祈るばかりです。