「1」オンラインゲームにおけるCPU選択についてi7とi3の比較~CPUの性能比較&フレームレートを低めに固定したときの検証~
今回は多人数参加型の3DオンラインゲームをするためのPCにおけるCPUの選択について考えていきたいと思います。高負荷なオフラインゲームについては考えません。
また今回はIntelのCoffee Lakeを用います。
比較的高画質なグラフィックを有するオンラインゲームの推奨環境ではi5以上などと書かれていることが多いです。
しかしオンラインゲームにおけるプレイヤー共通項の演算は同期とデータ改ざん防止のため基本的にはサーバ側で行われていると思われ、クライアント側のPCの主な役割は描画です。描画に関してCPUの違いがどのように出てくるのかが焦点です。
比較は「3DMark」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」「CinebenchR23」を用います。
書きたいことがいろいろあるので複数回に分けます。
- CPUの性能比較&フレームレートを低めに固定したときの検証←本ページ
- 動作周波数による違いについて
- コア数による違いについて
- CPUの選定について
現時点では上記の記事を考えています。(後日変更するかもしれません)
私の環境がCPUの影響を見るためGPUの性能がボトルネックにならないような組み合わせになっていたのも丁度良かったです。
まずは最初にi3とi7のCPU性能は異なるのかという前提を確認します。そもそもアーキテクチャはどちらもCoffee Lakeなのでコア数と動作周波数で決まるはずです。
そこでi7のCPUのコア数と動作周波数をi3に合わせた「4Core 4.0GHz」(※1※2)で「CinebenchR23」の結果を比較します。
※1 i7-8700Kの方はOC(オーバークロック)で4GHzで動作するようにしています。
※2 i7-8700Kの方はBIOSで4コアで動作するようにしています。また、ハイパースレッディングはOFFにしています。
図1の結果からi3もi7も同じアーキテクチャなら1コアあたりの性能に違いは無いことが分かります。そうなるとコア数や動作周波数によってどのようにベンチマークが変わってくるかを次回以降見ていきます。
今回は最初はやるつもりが無かったのですが有意義な記事になりそうだったので、「フレームレートを低めに固定したときの検証」を行っていきます。
昨今ではディスプレイのリフレッシュレートが144Hz以上もよく見ますがまだ60Hzも現役だという人も多いと思います。また、ゲームによってもフレームレートの上限が存在するため一概に性能に比例して快適になるわけではありません。
ただし、将来的にはゲームの要求スペックは上がっていくと思われるので長期間要求を満たした性能を出せると思います。しかし短スパンでPCを買い替えるような場合、本当にオーバースペック気味なCPUを買う必要があるのかというのが今回の記事です。※3
※3 あくまでオンラインゲームの場合を想定しています。
ここで比較するのは、GPUの最大フレームレートを80に固定して、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を回したときの結果比較を行います。ちなみにDirectX11版です。
この時「i7-8700K」は6コア12スレッド、4.3GHz程度で動作しています。
まずは図2を見てみます。「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」によると最大80FPS程度なら「i7-8700K」も「i3-8350K」もスコア的には変わらないということらしいです。
注目は次の図3とローディングタイムの表になります。図3ではGPU側で固定しているのでFPSは頭打ちしていることが分かります。ここでの注目ポイントは最低が「i7-8700K」のほうが高いということです。
「i7-8700K」はコア数および動作周波数が高いためCPUに負荷のかかるレンダリング処理時に力を発揮したということでしょう。
ローディングタイムの表も軒並み「i7-8700K」が早いことが分かります。これも明らかにコア数および動作周波数が高さがものを言っていると言えます。
しかしスコアを考えるとベンチマークは上記のことにさほど重きを置いていないのだと思われます。次の記事以降にも書きますが「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」は平均FPSの高さがものを言うようです。
この結果は個人的には満足のいくものでした。
例えばディスプレイのリフレッシュレートが60Hzなら「i3-8350K」でも問題なさそうだと言えます。
ベンチマークのスコアについては次回以降に詳しく書きますが、「i3-8350K」でもベンチマークスコアはFPSを無制限にすればもっと上がります。今回の記事だけでもなにがなんでもi3ではダメという認識は払拭できるのではないでしょうか。