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コロナ新時代へのメッセージ 死の臨床、緩和ケアに携わっておられる皆様へ

2022.01.29 06:37

https://www.jard-info.org/jard/corona-message/ 【コロナ新時代へのメッセージ

死の臨床、緩和ケアに携わっておられる皆様へ】より

日本死の臨床研究会世話人代表の髙宮有介です。

新型コロナの感染拡大により、生活が一変された方も多いと存じます。今年10月に松山で開催予定だった第44回日本死の臨床研究会年次大会も延期になりました。中橋大会長は、3密を避けては、この会の存在意義はないと仰られました。延期を決断した中橋・井上両大会長は断腸の思いだったとお察しします。

皆さんも準備された様々な行事や会が中止や延期になったかもしれません。

様々な喪失があったと思いますし、人と接することを避けなければなりません。看取りの現場では、大切な最後の時に面会禁止で家族が一緒に過ごせなったといった葛藤を感じたかもしれません。そして、何より医療の現場で、感染のリスクと共に戦っている皆さんに心から感謝いたします。

今年の年次大会は延期となりましたが、中橋・井上両大会長と世話人代表の髙宮より、ビデオで皆様へメッセージをお送りすることと致しました。

私は8年前より、セルフケア、マインドフルネスを学び、医療者の皆さん、学生達に伝えています。

ビデオでは、瞑想と自分への思いやりのワークを紹介し、懇親会でよく披露しておりますエールを収録しました。皆様の癒しと明日からの活力に繋がれば幸いです。

また、当日本死の臨床研究会の生みの親であり、現在は顧問として、私達をずっと教え導いてくださっている柏木哲夫先生にメッセージを頂きました。

テーマは、「コロナと距離、人と人との距離」です。

この時代に死の臨床に向き合う指標になると思います。

最後に、新型コロナの早期の収束を願うと共に、皆様が患者さん、ご家族、苦悩する人々に全人的ケアを提供し、皆様自身が人生の意味や役割を感じることができるように願っております。

動画メッセージ

https://jpos-society.org/about/ 【代表理事ご挨拶】より

一般社団法人日本サイコオンコロジー学会 代表理事 吉内一浩

代表理事 吉内一浩

この度、一般社団法人日本サイコオンコロジー学会代表理事に選出されましたので、謹んでご挨拶申し上げます。

がんは1981年にわが国の死亡原因のトップにとってかわり、現在もその第一位の座を保ち続けています。高齢化社会を迎えた我が国では、およそ2人に1人の方が、その生涯のうちにがんを経験する時代です。

このような、「がん」と「こころ」の関係を扱う学問領域を精神腫瘍学(サイコオンコロジー)といいます。サイコオンコロジー(Psycho-Oncology)という言葉は、サイコロジー(Psychology: 心理学)、サイカイアトリー(Psychiatry: 精神医学)およびオンコロジー(Oncology: 腫瘍学)などという用語から成り立つ造語です。日本語としては、「精神腫瘍学」と翻訳されています。サイコオンコロジーは、欧米でがんの診断病名を患者さんに伝えることが一般的になった1970年代に産声をあげた、まだまだ若い学問です。

現代の医療においては、「病だけを見て、病人を見ない」という批判が少なからず向けられますが、サイコオンコロジーは、従来ともすると軽視されがちでした「がんが患者さんとそのご家族のこころに与える影響」と「こころや行動ががんの罹患や生存など身体的な転帰に与える影響」という二つの大きな側面を明らかにすることを目的としています。

本学会の目的は、定款にも明示してありますように、学術団体としてがんを取り巻く医療と科学の発展に貢献することで、がん患者さん、ご家族及びがんと向き合うすべての人々の健康に寄与し、豊かな人間性を涵養することにあります。その目的のため、喫緊の課題としましては、がん患者さんやご家族のニーズに、より合致するよう、登録精神腫瘍医制度をさらに発展させること、がん患者さんやご家族のご意見を学会活動にさらに取り入れること、を考えております。

本学会は、サイコオンコロジーに関心をもつ医師、看護師、心理士、薬剤師、ソシャルワーカーなど多職種から構成されており、各会員のニーズに合う研修会なども開催しています。患者さんやご家族のこころのケア、よりよいコミュニケーションの在り方やリハビリテーションなどに関心をお持ちの医療者の方、ぜひ本学会にご入会いただき、私どもと一緒に切磋琢磨し、より適切な新しい医療を作っていきましょう!

一般社団法人日本サイコオンコロジー学会

代表理事 吉内一浩