石碑「ラシーヌの名言」
熱誠は、必ず報いられる。
ラシーヌ
17世紀フランスの劇作家。
1 碑文の解説
此の石碑は、西側の庭に置かれています。
熱誠とは、熱い真心。
相手のことを思う、純粋な真心を云う。
平安時代、仏教大師 最澄(さいちょう)の教えに
「一隅(いちぐう)を照らす」
と云う言葉がある。
それは、自分が置かれた立場で、精一杯誠実に頑張る姿勢こそが必ず信頼を得、認められるものである との教えである。
色々な組織の中で、自分一人の力は知れたもの。しかし「一隅を照らすこと」が、組織の力となる。家族を裏切らず、組織を裏切らず、自分なりに(誠実に)精一杯頑張ることが大切であり、誇りである。
誇りとは‥‥
何事にも動じることなく、怯(ひる)むことなく、下向きな姿勢を持ち続けること。
素敵な大人(素直な紳士)は、
傲慢ではなく、相手を思う広い心を持ち、思いやり・労(ねぎら)い・感謝・礼儀を尽くして、人間関係を大切にする。
2 ヒューマニズム と エゴイズム
人道主義と 利己主義・自分主義
①「論語」里仁(りじん)より‥‥
子曰く、君子は義に喩(さと)り、
小人(しょうじん)は、利に喩る。
(訳)立派な人は、物事を判断する時に、正しい道に合っているかどうかを考えるが、凡人は、自分にとって得かどうかを考える。
② 虚堂録(きょどうろく)より‥‥
鹿を逐(お)う者は山を見ず。
(訳)鹿を捕ることに夢中になった猟師が、つい深い山の中で迷ってしまうように、欲に目がくらんでいる者は、周囲の情勢や道理が判らなくなる ということ。
利己主義・自分主義の「何でも有り」から引き起こる虚偽思考が、道徳意識を混迷化させている‥‥不確実な時代。
イソップ物語の
・アリとキリギリス(働き者と怠け者)
・ネズミとライオン(恩返し)
等、心温まる話しにも、
「アリさんも、キリギリスさんを助けないなんて、悪いと思います。」
と得意げに主張する子が多いと云う。
エゴイズムの虚偽思考(「何でも有り」)によって、素直な心が混迷化している。
自由主義の平和には、調和が大切である。
唯、したいことをするのではなく、やるべき事をする。
権利の背景に義務の遂行が求められる。
3 おわりに
礼儀正しい振る舞いは美学「品格ある人間性の表われ」である。
「感謝」の気持ちや、相手への思いやりが「礼儀」となる。
「感謝の心」は、言葉や礼儀に現われる。
※碑文「熱誠は、必ず報いられる」に込められた思いは、
「感謝の心」で向けられた思いやり(熱い真心)は、必ず相手の心に伝播し、人脈が出来て助けてくれる仲間が増えてくる
との「素敵な大人」への助言である。
懐古庵主