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入り口

2017.02.19 23:33












家に入る。大きな家には門があって、しばらく庭を歩き、玄関にたどり着く。




門と玄関は全然違う。






門は、壁とともに家を囲い、固く閉ざすことで家を守っている。




玄関の扉は、人を招き入れる。






ウチとソト。




門はそれを明確に分け、玄関はより曖昧な場所だった。




昔の家の玄関は今の家のものよりずっと広い。






新しい扉を開けて、全く違う世界に踏み入れることは、人を緊張させる。




だから、少し曖昧な温かい場所としての玄関がある。






たぶん、田舎の家のほうが、ずっと入り口は開いている。




庭に面した縁側が空いていることもあれば、玄関がおしゃべりの場になっていることもある。















たくさんの人が自分の家を持つようになって、家自体が小さくなった。






当然玄関も小さくなり、門のある家も少なくなった。




門の役割も玄関が果たすようになり、いま外に開いているような感覚の家は少ない。






マンションのエントランスは、いま門の役割を担っている。




オートロックでセキュアな環境を整え、それでいて、上質なもてなしの空間を演出している。




門に続くように、中庭が眺められるようになっていることもある。




それは外から隔てられた安心・安全な内側の世界だ。










扉を開けるときは、ドキドキする。




他人の領域に入るときでもあり、知らない世界に飛び込むときでもある。






もっと、それらが曖昧だったら、いいなと思う。






そうして、安心でいたい。いつも開いている扉は、不安や危険も呼び込んでしまうだろうか。