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ドリームD型 1950

2017.11.09 12:50

■ドリームと名付けられたオートバイ

宗一郎の目はその頃、さらに先を見据えていた。自転車用の補助エンジンの先行きに見切りをつけたホンダは、C型のエンジンを鋼板のチャンネルフレームに搭載した、本格的オートバイの開発を急いでいたのである。昭和24年8月に完成したこのオートバイは、未来への限り無い夢をたくして「ドリームD型」と呼ばれることになった。この本格的オートバイの市販によって、ホンダはエンジン・メーカーからオートバイ・メーカーへと第一歩を踏み出したのである。

このドリーム号が発売されて間もない同年10月、後に宗一郎の片腕としてホンダ躍進の立役者となった藤沢武夫が経営陣に迎えられた。そして、営業面での核を得たホンダは、東京営業所、東京工場( 十条工場) を次々に開設、いよいよホンダの活動の拠点は東京に移されることになったのである。


ドリームD型 1950

 従来までの補助エンジン付きスタイルから一新。量産性を考慮した鋼板プレスのチャンネルフレームに、フロントのテレスコピックサスペンションなど、本格的なスタイルで登場した意欲作。2次減速側には、それまでのベルトドライブから新たにチェーンが使われ、ミッションも2段変速が採用されている。