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k y o k o "waffles"

15周年ワンマン覚書①「ベランダ・モノローグ」

2017.11.25 23:00
「星を愛するのに、その数を知る必要があるだろうか。
男性を好きになるのに、彼の全てを知っている必要があるだろうか。
嘘も夢もさらけ出して、彼は、 ありのままの姿で君の前にいるというのに」



―アンドレ=コント=スポンヴィル

今年、私は大いにフランスにかぶれている。 

初めは、言葉の、音の響きが好きで。

知れば知るほど、強くて美しい女性たちが、素敵に見えて。

自由と芸術をどこまでも愛する、その感性が好きで。


そして、哲学や詩にたどり着いてしまった。

意思のあるロマンティシズムで語られる、複雑な思考回路。

「偏屈で結構!」と言わんばかりの。

…大好物。

(ちょっとやばい人に、なりつつあるのは自覚済み。笑)


***


先日、アンドレ=コント=スポンヴィルという人の本に、

こんなことが書いてあった。


「愛は孤独の対局じゃない。愛は常に孤独、なんだけれども、
それは、どんな孤独も愛を含んでいるから、ではなく、
それどころか、あらゆる愛が孤独、だからだ。



(中略)



自分の周りに、あるいは愛する対象の周りにある、

この「砂漠」こそが、愛そのものなんだ。」

私はいつも、この「砂漠」に、

焦点を当ててきたように思う。

明るい楽しい曲にも、

ちょっとだけ「砂漠」を混ぜ込んでしまう。


だけど、どうやら、世の中的には、

「砂漠を見つめたくない人、は

少なくないらしい」と知った。


「そんなものを見つめるのは、

無意味で愚かなことだ」とか。

「虚無を見つめられるのは、

あなたが特殊で強いからだ」とかとか。


でも、私は気づいたのだ。

(フランス的偏屈さから言えば)

私はもしかしたら、

その反対側を見たいがために、

「砂漠」を、大事にしているのではないかと。


砂漠を歩いているからこそ、

そこで見つける「星」は、一層、

輝いて見えてしまうのかも

しれないのです。


二階の窓 広がる宇宙
あなたと偶然会えた
星を掴んでしまった私
あしたにも消えちゃいそう

強く強くなりたいの
ベッドの舟から落っこちないように

―「ベランダ」2008年発表