季節の行事の演出も立派なキャリア~節分~
キャリアという言葉の一人歩き
皆さんは、キャリアというとどんなことを思い浮かべますか?
キャリア=仕事、私も以前はそう思っていました。
キャリア官僚とかキャリアウーマンという言葉があるから(あったから)でしょうね。
だから、お母さんたちに「キャリア」という話をすると「私は専業主婦だからキャリアはないので」とか「バリキャリじゃないから」という答えが返ってくる事が多いです。
さらに「キャリア教育」というと「職業教育」「就職のための教育」というイメージが強いような気がします。
私も、以前はそのように思っていたので、世間一般的には、それが普通なのだと思います。
そんな私が、キャリアコンサルタント養成講座で「キャリアの勉強」をして、最初に目からウロコだったのが「キャリア=人生そのもの」を指すこと、でした。
英語のキャリアはもともと馬車の「轍(わだち)」の意味ですよ、と学んだ時だったと思います。
だから「キャリア」とは「仕事だけ」のことではなく、仕事も余暇も含めた「人生そのもの」のことであり、キャリア教育とは「人生をどう生きるのか」を考えることなのです。
ですので、専業主婦だから「私には関係ない」とか「小学生には、まだ早い」ものではないのです。
逆に「小さい頃から、目標達成のためには、どういう過程を踏むべきか」などを「主体的に考えること」が、進学や就職だけなく「豊かな人生を送る」第一歩なのです。
私の母は何も出来ないんです!
これは、私が学生支援を始めてまだ間もない頃、今日はどんな学生さん来るかな?私に分からない質問されたらどうしようって、緊張感があった頃です。
と言うと、今は、手抜きで仕事しているようですが、決してそうではなく(笑)
その時、その女子学生が私に言いました。
「塚本さんみたいに元CAでも、こうやって違う仕事している人がいるんですね。実は私の母は塚本さんと同じでした」
「結婚してやめて、その後は、ずっと専業主婦でな~んにも出来ないんです」
まだ、学生支援を始めたばかりだった私には、衝撃の一言でした。
今なら、色々、お母さんに代わって”反論”も出来るのですが、当時の私には、受け止めるのが精いっぱいでした。
結局、彼女の言い分は「お母さんみたいになりたくない」ということでした。
専業主婦を極めることは、私にはできなかった
おそらく、この方のお母様は、家事をはじめ、子供のお世話(また、ご主人のお世話)など、一生懸命なさっていたと思います。
きっと、季節の行事には、綺麗に(可愛く)盛り付けられたお料理を作り、家族でお祝いされたことでしょう。
お母様からすると、自分の事は二の次にして家族のために尽くして来たのに、こんな風に言われるなんて、この上ない心外でしょうね。
私にも、数年間の専業主婦時代があります。
ですが、このお母様がなさっていたような家事や家族のお世話というものが、全くもって向かないといいましょうか、出来なかったのです(苦笑)
不器用でいい加減な私には、そういう細かい作業が、とてつもなく苦痛なのです。
家事は、終わりがないと言いますが本当にそうで、しかし、完璧を目指すほど上手にも出来ないわけです。
全くもって「やりがい」ではなく、いつしか「やるべきこと」になり、そのうち「苦行」になっていきました。
可愛いキャラ弁やお祝い料理を作れるお母さんへの憧れ
ですので、SNSにお誕生日や季節の行事のたびに「きれいなお祝い料理」がアップされているのを拝見すると劣等感が半端なく。
そして「私はダメな母親」と自分にレッテルを貼るのです。
しかし、ないものねだりをしてもキリがないですよね。
だから、今日は、あえて私のみすぼらしい「恵方巻」の写真をアップします。子供と一緒に作りました(笑)
これを読んで下さっている方々の勇気になりそうだな、と思いながら。
オンライン授業が続き、美味しい学校の給食の代わりに、私が適当に作る昼食を食べ続けることになってしまった子供は
「学校の給食もデリバリーしてくれたらいいのに」と、今日の昼食を食べながらボソっと。
さらに私の分もデリバリーしてくれるなら、それでもいいかも、と本気で妄想を膨らませる私です(笑)
家族の為にする仕事、家族が快適に暮らせるように
きっと、これは多くのお母さん(お父さん)が、やっている家庭内の仕事=家事の先に「あるもの」ですよね。
仕事って「誰かの役に立つ」「社会の一部を担う事」だと私は、考えます。
家庭を一番最小の社会と見立てれば、家事だって立派な仕事であって、キャリア(人生の一部)です。
そのことをきちんと伝えて、理解させることって重要だと思うのです。
家族は、社会の一番小さな形で、家庭内であっても「誰かの仕事に支えられて、他の誰かの生活は成立する」
「自分の生活は、誰か他の人の仕事によって支えられている」「自分の仕事も誰かの役に立っている」ということを、家事を通して、お子さんに伝える事が出来るのです。
そこを理解すると、きっと「私の母はなにも出来ないんです」という発言にはつながらないのではないでしょうか。
皆さんは、どう思われますか?
逆にこの感覚を持っていない学生さんは、「働く」という概念の醸造がなかなか難しいように感じています。
私が、推奨する 5 社会の仕組みを学ばせてあげる、社会との接点を持たせてあげる(ココをクリック) なのかな、と。
そして、最初に登場した女子学生のお母様も 4 親の生き様を見せる(ココをクリック)を意識なさっていたら、違ったかもしれませんね。
節分の日に「あ~、また綺麗な行事食とは、程遠い出来だけど、これが私らいしよね」と開き直っている私です。
ここでお伝えしたいこと
1 社会は「誰かの仕事で支えられている」「自分の仕事も誰かの役に立っている」
健全な職業観をもてるかどうかは、家庭によるところが大きい。この感覚を幼少期から、教えてあげることは、非常に重要だなぁと思います。