一月のカメに要注意
真冬の野外観察といえば、鳥類だろう。
日本の本州には、多種多様な冬鳥がやってくる。
カラフルなカモは川や池を彩り、鮮やかな冬鳥は雪の上をせわしなく歩き回る。
そうした鳥類を観察する「鳥屋」が、身近にも何人かいる。
鳥屋は、鳥類たちの美しい一瞬をとらえるために、極寒の中一眼レフを構え続ける。
寒い中、辛抱強く鳥たちを待つ。
そんな鳥屋さんたちに、見習うべき、というより教えていただきたいことがある。
一月末。川でカメを見ていて、風邪をひいた。
「カメ屋」の私は、真冬の野外観察に関してド素人。
普段カメを観察する時は、暖かい季節(むしろ猛暑)であることが多いので、寒さ対策に疎かったのかもしれない…。
一月の真冬でも、比較的暖かい日にはカメたちが日光浴している姿がみられることを、以前紹介した。
この事実は野外観察を続けていて知ったもので、数年前までは全く知らなかった。
本の知識だけを信じて
「すべてのカメは、冬に冬眠する」
と思っていたのだ。
ところが。
みれば見るほど、真冬のカメたちは真冬のカメ独特の生活を営んでいることに気が付く。
めっちゃ寒い日は一匹もいないのに、風が強くても日差しが強いと日光浴をしていたり…。
泥の中に潜る姿も、水底をゆっくりと泳ぐ姿も、夏は見ることができない。
カメたちの行動速度や警戒心が、夏は強すぎるためだ。
カメの行動をまじまじと観察できることが、面白くて楽しくて…。
ついつい、防風が吹く河川敷に長居してしまった。
案の定。
風邪をひいた。
風邪をひくと、カメを見に行くことができない…。
見に行きたくて、うずうずしているのに、見に行けない…。
しまったなぁ、、、。
もっと体調管理を徹底していれば…と、悔しい気持ちで布団に潜る。
そこでふと、世の中の鳥屋さんたちの「すごいところ」に気が付く。
寒い冬が、観察のメインシーズン。
自身の体調管理を怠れば、私のように大切な野外観察時間を失ってしまう。
鳥屋さんたちは皆、素晴らしい体調管理能力を持っている、ということか…!
または、完璧な寒さ対策…?
良い対策方法があるなら、ぜひ教えてください。
寒い中での野外観察。
時期や季節によっては、必要な「観察スキル」が少し違うようだ。
そのことを、肌で学んだ一月だった。