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さいたま自死遺族の集い*星のしずく

はははのはなし

2022.02.03 15:24

この表題から、あの絵本だなと、すぐに分かった方々も多くいらっしゃると思います。


絵柄がダイナミックで、伝えたいことそのまんま、わかりやすい、あの絵本です。




 こんなふうに虫歯は悪化するんだぞ~


 痛いんだぞ~


 だから気をつけろ~



というような教訓を、子どもたちに刷り込むのが上手い、絵本界のロングセラー、かこさとしさんの『はははのはなし』。



うちの子たちも大好きな?というより、ギョッとして釘付けになっていた絵本でした。


数え切れないほど読み聞かせもしました。



個人的には、

『あまりかわいいとは思えない絵柄なのに(汗)、なぜこんなに子どもたちは惹きつけられるのだろう』

などと思いながらも、読んでいる自分も毎回声色を変えて読みきかせたりして楽しんでいる、やはり飽きの来ない一冊。


この絵本のお陰もあり、うちの子たちは歯医者さんに真面目に通い、定期健診もしっかりと続けていたのですが。

亡き娘、有ちゃんの前歯二本は、もともと出っ歯でしたので、小学校高学年から矯正をスタート。


数年間かけて、我が家では一番歯並びが綺麗になり、あと半年間のリバウンド防止矯正(夜寝ている間だけ装着するマウスピース)で、全矯正プログラムが終了するところまで漕ぎつけていたのです。



そんなさなか、自ら還ってしまった有ちゃん。


あとに遺されたシリコンマウスピースは、ピンクの専用ケースに入れられ、5年間仏壇の下に保管されたままです。

(カビがはえているかもしれません…!?)


そして、ついでにカミングアウトしますと、あの日の翌日、歯医者さんに電話をして、有ちゃんの矯正プログラムを完了できなくなったこと…予約を取り消し、今後も受診できなくなると、口早に告げ電話を切ってから、一度も私は歯科に行っておりません。


家のすぐ近所で、徒歩でも通える医院には、学校のお友達も多く通っていましたし、なにしろあの待合室で一緒に並んで座り、絵本を読んだり、他愛ないことを語り合っていた思い出も詰まっている医院です。



行けなくなりました。


それどころか、歯科医院自体が大きな地雷なのです。

(歯科嫌いの言い訳も相まって)



有ちゃんと二人で通うのがほとんどだったので、本当に辛い。

治療する器具を見るだけでも、あの音を聴いただけでも思い出しそうです。



 怖がらないように、近くに座って一緒に、治療をしてもらったね。


 先生から治療の説明を、一緒に聞いたよね。


 「ありがとうございました」って、きちんと先生に言えるようになったね。


 だんだんとお姉さんになってきたんだな。



 もう、一人でも通えるよね。


  ・

  ・

  ・


成長していく過程、その様子もギッシリ詰まっているので、思い出してしまうとキリがなく、しんどいものです。


5年間、歯科医院には、たとえ他所でも足を運ぶことはなくなりました。



けれどもです。

ついに施術していた前歯が少し欠けて(←おい)、奥歯がジクジクと痛むようになってきてしまったのです。


( ;Ж;)←こんなふうに歯を喰いしばってる場合じゃなくなりました。



皆様ならどうしますか?


 バカ言ってないで、早く行きなさい~


 入れ歯になったら、10歳は軽く老けてみえるぞ~?


 虫歯を舐めるな、大病に繋がるぞ~


 

大人版、かこさとし『はははのはなし』、お待ちしています。

と言いたいところですが、ついに事後からまる5年経ち、6年目。


来る2月10日、有ちゃんと一緒に通った同じ医院へ、歯の治療予約を入れました。



自分を大切にしていないのでは、人様に『ご自愛ください』なんて言えませんものね……。

いや、(元からの歯医者嫌いを)有ちゃんの事を理由に拒み続けたのでは、いただけない話です。



そんなこんなで6年目にして動き出したことの一つ。

バックレないように、ブログにも書き記しておきたいと思いました(^_^;)。



私 「左肺摘除手術をしたくらいだもの、歯の治療なんてそれに比べたら大したことないよね」


主人 「どっちが直に痛みを感じるかはわからんけどね」


私 「………」

(娘に先立たれた痛みにも耐え続けているんだ、耐えられないわけはない)と、カッコはつけておきます。

星のしずく*管理人




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