2月5日は聖アガタの日〜聖アガタの乳房
2月5日は聖アガタの日。
別名「シチリアのアガタ」とも呼ばれるほどシチリア人、特に東海岸のカターニアでは強く進行される聖アガタはどんな一生をおくったのでしょうか?
聖アガタの生涯
聖アガタは250年頃に殉職したと言われる3世紀の女性。
シチリア島、カターニアの裕福な貴族の家に生まれた美しきアガタは、当時シチリアを支配していたローマ人の権力者から見染められ。
しかし、既に敬虔なキリスト教徒であった聖アガタは、その意に従うことなくキリストと共に生きる道を選びました。
そのことに激怒したローマ人権力者は、キリスト教信者であることを理由に聖アガタを捕らえ、両方の乳房を切り落としたのですが、祈り続けることにより何度もその乳房は復活し。
更に立腹したローマ人権力者はアガタを火あぶりの刑にされることとなりました。
しかし、その刑が執行されようとしたその時、大地震がカターニアの街を襲い、処刑からは免れたものの、その後、獄中で亡くなりました。
聖アガタの殉教の伝説は諸説ありますが、いずれにせよ悲しいお話ばかりです。
聖アガタはパン屋の守護聖人
切り落とされた乳房の形から、聖アガタはパン屋や鐘職人の守護聖人となりました。
乳癌の守護聖人とも言われています。
また、聖アガタのヴェールがエトナ山の大噴火からカターニアの街を守った、という言い伝えから天災から護ってくれる守護聖人でもあります。
聖アガタのお祭り
聖アガタを守護聖人とするシチリア島、カターニアの街では毎年2月3日〜5日にかけて、盛大なお祭りが開催されます。
大きなロウソクを立てた聖台に乗せられた聖アガタの像が、カターニアの街を練り歩きます。
それを一目見るために道は人で埋め尽くされます。
残念ながら2021年、2022年はコロナ禍により中止となってしまいましたが、2023年は開催されることに期待します。
カターニア銘菓 聖アガタの乳房
「聖アガタ」と名の付くいくつかの菓子の中でも、一番象徴的なのが「聖アガタの乳房」。
イタリア語では「Minni di Sant'Agata=ミンニ ディ サンタガタ(サンタ アガタ)」と言われるこの菓子は、ずばり乳房の形をしています。
2つ並べてみると本当に似ていてちょっとクスっと笑ってしまいます。
丸い型の中にタルト生地を敷き、その中に羊乳から作ったリコッタをたっぷりと詰め、タルト生地でふたをして焼き上げます。
冷めたらグラッサ(グラス)をたっぷりとかけて、赤いドレンチェリーをちょこんと乗せます。
聖アガタの乳房は、菓子屋のみならず、バールでも必ずショーケースに並ぶカターニアではマストな菓子なのです。
カターニアの街を歩くと、聖アガタゆかりの教会、修道院、菓子がたくさん!
訪れた際には「聖アガタ探し」をするのも楽しいかもしれませんね!