寒波襲来直前の遠州灘は風強し
町内の集会所の老朽化がかなり進行して深刻な状況だというのは、もうすでに何年も前から言われてて、全面改修するか建て替えるか云々、あーでもないこーでもないとはっきりせんかったのだが、ついに、建て替えることに決定したらしく、その噂は瞬く間に拡まって、鉄筋コンクリート3階建てになるだの総工費1億円かかるだの超大型液晶ビジョンが備えられるだの根も葉もない話になってきて、しかし、その中でも問題視されてきたのが、建設費用の負担についてで、町内会のプール金と市の補助金を足しても、総工費が足らんから、月払の町内会費に上乗せするというので、何だと、それはどういうことだ、一体いくら上乗せされるんだいつまで上乗せするんだ、と気になって夜も眠れない日々が続き、ついにその説明会が開催される運びとなったので、忙しいスケジュール、まさしく、全盛期のピンクレディーのような、全盛期の中森明菜のような、全盛期のAKB48のような忙しいスケジュールをあいまって、時間を作って行ってみたのだ。問題の深刻な老朽化が進行してる集会所に行ってみたのだ。そしたら開始時間5分前に行ってもうほぼ満席、町内の人々の関心の高さがうかがえるのはいいとしても、このご時世にこの狭い集会所にほぼ満席、換気のために窓全開で、寒いのにストーブもないとはどういうこっちゃクソ、仕方がないけど、主催者側が早めに終わるようにしますなどと言ってるが、どうなることやらと思いつつ、開始時間になった。進行役の人が挨拶した。「どうもお忙しい中お集まりいただいてありがとうございますこのご時世ですのでテキパキ進めて早めに終わらせたいと思いますあーだのこーだのではまず町内会組合長のスズキさんからご挨拶をいただきます」「どうも町内会組合長のスズキです皆さんお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます今日はこの集会所の建て直しの件について説明会を行うということで孫ひ孫の代まで誇れるものにしたいと思うのであーだのこーだの」「ありがとうございましたでは次に町内会顧問のスズキさんからご挨拶をいただきます」「どうも町内会組合顧問のスズキです今日はお忙しい中集会所の立て直しは悲願なので何としても立て直したいのでありますあーだのこーだの」「ありがとうございましたでは次にあーだのこーだの」と何人かの挨拶が続くこと開始から17分40秒、途中で鼻提灯になっちまったぞ。で、ようやく挨拶が有難いご挨拶が終わって、ようやく実行委員から説明が始まった。説明はプレゼンソフトを活用して大画面に映し出されるテキストと共に行われる「えーでは時間もないので手短に説明させていただきますまず今の集会所についてですが建築したのがアレでコレでそいでもってアレでコレで(今の集会所のこれまでの歴史を説明)というわけで大変歴史のある建物ですがアレでコレで(古くなってきたので全面改修するとお金がかかると説明)というわけで新しく立て直した場合はアレでコレで(新築すると新しくなりますという説明いわゆる小泉進次郎構文)」要するに古くなってきたら建て直すというみんな知ってる話を、ご丁寧なテキストのみのプレゼンで延々42分40秒かけてしてくれたのだった。この段階で寒いのとクソッタレな進行にちょっとしにそうだったんだが、もうちょっと我慢して聴いてたら、「では次に新集会所建築進行委員会のスズキさんから、今後の予定を説明します」「新集会所委員会のスズキですこの新築計画について説明させていただきます5年を目安に認可をいただいて7年を目安に設計思考しまして10年後には着工したいと思います(実際はもっと長いので要約)」10年とは気の長い話だな。「では説明を終了させていただきまして、続きまして質疑応答に移ります」「ハイ、メゾン会会長のタカハシです、別に配布しました資料に質疑はまとめさせていただきましたが、要点を話させていただきます、まずこの新築計画は本当に必要なのか、この町内にはすでに3つの出張所とふれあいセンターがありますのでこんなもんいらんのじゃねーの、っていうかさ、組合の人こんな立派な建物が1億で建つと思ってんの、っていうかさ、組合幹部の連中のオレが建てたんだ名誉が欲しいだけじゃねーの、っていうかそもそも、組合幹部いらねーんじゃね?」と今回疑問に思ってたことをバチバチに言い当ててくれたのでちょっとスッとしてんだけど、組合側は「しかし、孫の代まで誇れる建物が必要」と繰り返し説明するにとどまり、なんともモヤモヤする展開に、続いて次の人が質問に立った「えー、私はー、えー、そのー、こ、公社町内会の会長の、えー、サトウと、えー、もうし、えー、もうしますーえー私のーえーそのーし、質疑はーえーそのーべ、別紙にーえーまとめてーえーありましてーえーそのーこれ見えんなーメガネがないとーあーよめないかなー」この辺りで寒さが限界になったので生命の危機を感じたので集会所をそそっと出て、そのま温かいジョリパのランチを食いに行った。ジョリパの温かいランチでようやく生き返って、冷静に振り返ると、なかなか面白い事案だったなあと思えるのだった。こんなしょぼい町内会の集会所でこんなに大山鳴動するくらいなんだから、そりゃあ、某市の市役所新築やら某市の市民病院移転新築とか某市の警察署移転新築とか、そりゃあもう、どれらい魑魅魍魎がうごめく世界だったんだろうなあと、いやあ、町内会の幹部の皆さん、本当にお疲れ様です。しかし、幹部の皆さんの見事なくらい昭和脳が、ハコモノ行政って言うんですか、あれを建てたのはワシじゃよワシ、ガッハッハのアレがまだ健在だったと言うことが実感できて、大変に勉強になりました。つーかさ、孫ひ孫の次世代のためとか言ってるのに次世代が集会所に全然いないじゃん、悲しいくらいなこの矛盾、やはり日本社会の高齢化は深刻だ。やばい、前置きが長くなりすぎたけど、とにかく、この場合、やはりツーリングに行くべきだと思ったので、ツーリングに行くことにした。
兎にも角にも、このシーズンは極寒なので大変なんだけど、この週末はこれまでにない寒気が来るらしいので、それが来る前にバイクに乗りたいと思うので、それが来る前にバイクに乗ることにした。あ、コレって小泉進次郎構文だ。コレ便利だね。で、当日は、いわゆる平日なんで、通勤ラッシュを避けるべく、早朝に出かけるとにした。あ、なんで平日にツーリングに行けるんだ? というツッコミはなしでよろしこ。で、当日は早朝に起きて、色々やらなきゃいけないことやって、できないことはまっちゃんがやっておくから行っておいでと、なんて優しい菩薩のようなまっちゃんありがとうございます。で、まっちゃんの作ったフツーのご飯味噌汁を食って、いやフツーの味噌汁ってうまいんだよ、出汁が効いててさ、で、食ったら完全防寒装備で出撃する。実家新型ガレージに行くと、この日のために空気圧バッチリのバッテリー充填バッチリの旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出す。なんと、早朝だもんでまだ真っ暗なもんで、ちょっと早すぎるかなーと思ったけど、行き先が行き先なんで、途中に通勤ラッシュが想定されるところが3箇所あるから、勇気を出して行くことにした。エンジン一発始動で出発だ。
まずはガソリンを入れる。いつものコスモ石油に行くと、平日の早朝ということで、道中はガラガラの真っ暗で、コスモ石油もガラガラだった。給油機の前に止めてガソリンを入れる。コスモ石油のアプリが知らんうちにバージョアップしてて、QRコードを読ませるのが1回で良くなった。でも相変わらずの煩雑さは変わらんかった。レギュラー価格は154円(割引後)だった。政府のナンタラ補助金が有効に活用されているようで、安定の高騰価格だわな。前回170キロくらい走って10リットル入ったので、リッター20キロ切ってしまった。長距離走ってないから仕方がないか。それに冬だもんな。ガソリン満タンで、重くなった旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を発進させる。
暗闇の中、走り出す。実は思ったほど寒くないのは日の出前だからだな。しかし、シールドとメガネは曇るので、そこそこシールドを開けて走る。さて、今日の目的地だが、どうしてもセブンイレブンの関東型あんまんが食いたいので、それが食えるところまで行く。それが食えるのは遠州灘が見えるセブンイレブンである。通勤ラッシュに合わないように、ぶっ飛ばして行くぜ。誰にもオレを止められないぜーと思ったけど、走り始めてすぐに指先がカリカリに凍り始めて、第一段階の指先が冷たい、第二段階指先の感覚がない、そして第三段階の指先が痛いまできてしまった。途中、水野に向かう道路が工事中で、その下り坂道は道路の左右に工事の安全のために青く光るトラ柵の電灯が、滑走路みたいに流れて光の道になり、そのまま異世界まで行ってしまいそうな、異世界でスライムに転生してしまいそうな状況に至ると、いや、誰にもオレを止められないぜーと思ったけど、やばいので瀬戸のファミマにピットインした。そこでファミマルのほっとゆずを買って、その温かさで指先を温めて感覚を取り戻させた。そして再び走り出した。
国道155号線を豊田方面に走っていく。瀬戸から豊田の途中で、通勤ラッシュの渋滞を想定していたが、コレはなんとか回避できたようで、多少、詰まることもあったが、なんとかなった。コレは早く出てきた甲斐があったぜ、と思いつつ、走っていったが、その先でついにどん詰まりの状態になった。ああ、ダメか、やはり渋滞に捕まったか、タラタラ進んで行って、しばらくしたら、渋滞の原因がわかった。事故だった。白い営業バンに青い今時のコンパクトカーが突っ込んでた。事故が起きたばかりなようで、警察もいなくて、当事者同士がスマホで連絡取ったりなんかしてたけど、後の突っ込んだ青いコンパクトカーのおっさんは若干パニクっていてかなり焦ってた。誰でもそうなるわなあ。反面教師として自分も気をつけよう。
こうしてなんとか、すっかり明るくなった豊田市に入った。日の出から急速に気温が下がり、指先が限界に来たのでゼブンイレブンに避難する。やはりエンジンで暖を取るのは限界があるな。セブンイレブンで指先を温めるのに、どうしようかと思ったら、幸いなことに粒コーンスープ缶があったので、それを買ってそれで指先を温めてから飲んだ。寒い時に飲むのはホットスープやお汁粉がいいらしいからな。それを飲んだらパワー注入。寒さも吹っ飛び再び走り出したのだった。あ、寒いのは電熱ベストのおかげであまり感じないんで、その点では問題なかった。コレはいよいよ電熱手袋を導入しなきゃいかんな。などと思いながら岡崎に向かう。岡崎手前で通勤ラッシュの渋滞を想定してたのだが、ここではやはり渋滞に捕まった。時間帯が渋滞時間だもんね。タラタラ走っていくと、しかし、渋滞の原因は、通勤ラッシュではなく、またしても交通事故だった。軽自動車が反対向いて停まってた。もう一台はレッカーで移動してた。パトカーが3台来てた。パトライトがくるくる回ってた。道路脇で警察官と事故の当事者が会話してたけど、事故の当事者らしき女の人は、件の道路交通法に弛緩してた都議みたいに不満そうな顔をしてた。通勤途中の事故となれば、頭に来るわなあ。
こうして、紆余曲折の果てに岡崎市に入ることができた。いつもより時間食ってたんで、国道1号線で取り戻そう。国道1号線に入って、一気に加速してバリバリ全開に飛ばすぜ! 行くぜ誰にもオレを止められないぜーと思ったけど、平日の国道1号線おそるべし、トラックの軍団ばかりであった。日本の基盤を支える物流の雄、それがトラック軍団である。前も後ろも横の全部トラックだよ。普通の車も走ってるけど、土日の国道1号線に比べると屁のカッパじゃん。その迫力には怒涛の勢いには、いくら最強といえども世界のHONDAといえども、ちょっと相手が悪いのであった。大人しくついて行くのであった。東海車両株式会社さん、ドリーム配送株式会社さん、ホイテクノ物流株式会社さん、オリエントサービスさん、東友運輸さん、アイリク運送さん、北島物流さん、ファインエキスプレスさん、門別交通さん、あと忘れた、みなさん、朝早くから夜遅くまでお疲れ様です、くれぐれも事故に気をつけて走ってください。
豊橋市に入った。某映画のロケ地になったという豊橋市公会堂パチリとして、今回も市電の写真を撮れぬまま国道1号線を湖西市の方に走っていく。この後は快調に走って、全開バリバリとは言わないけど、トラック軍団も一段落したようで、普通の車とトラックといい塩梅の交通量で走っていくと、潮見坂に到達した。そしていい感じでそのカーブをクリアすると、ようやく目的地のセブンイレブンに到着した。
風が強い。天気予報では風力5だったが、体感はそれ以上だった。駐車場にバイクを止めて、店に入って、速攻でコーヒーとあんまんを注文した。そして、ついに味わえるぜ、この味覚に万歳三唱しそうな感じで、イートインに行ったら、ゴミ箱の占領されてた。がーん。なんということだ、ここは消費税改正後もイートインが生きてたのに、やっぱりこのご時世だから廃止になっちゃったのか、やばい、となると、店の外で食うしかないじゃん。あの強風の中食うのか。コレは何の罰ゲームなんだ。己の不幸を嘆きつつ、バイクのところに戻って、せめてもの抵抗に、高架の下の柱の影で食った。でも風が強くて落ち着いて食えんかった。味もよく覚えとらん。なんということだ。クソ。どうしてくれよう。こうなったらぶっ飛ばすしかないじゃん。行くぜー誰にもオレを止められないぜー。
浜名大橋に続く高架下を走って、そしてランプウェイからバイパスに入った。バイパスを全開バリバリにぶっ飛ばしていこうかと思ったら、みんなすごく安全速度で走ってるので、ケーサツでもいるのかと思って大人しく走った。でも、途中でちょっとアクセル全開したったけど、それで気が済んだので、次のランプウェイで降りた。県道を走っていくと、弁天島まで戻ってきたので、その辺りでバイクを止めて撮影した。久しぶりにこのポジションから浜名大橋を見るなあ。ここはいつも風が強いなあ。鳥居は相変わらず赤いなあ。しかし、海を見るとテンション上がるのはなんでだろうな。住んでるのが海なし県でもないのだが。りんちゃんは海なし県の性で、海を見たら写真を撮ってしまう、なんて可愛く言ってたけど、海なしでもなくても海はいいよ。海はテンション上がるよ。やっぱりかえしてはよせるかえしてはよせる波が肝心なんだよ。
そろそろいいだろうと思って、豊橋に戻る。国道1号線をかっ飛ばして、豊橋の、年末にきて絶賛だった洋食屋さんにやってきた。迷うことなく一発で店まで来た。準備中だが、明かりはついてるので営業するようだ。このご時世、お持ち帰りのみですとか突然言い出すからな。よし、開店まで待とう。開店は、えーっと、見てびっくらこいた。なんと、まだ1時間近くあるじゃないか。コレはダメだ。コレはダメだ。却下。くっそー、食いてーんだけど、仕方がない、断腸の思いで立ち去るのであった。仕方がないので、作戦Bだ。作戦Bは、テキトーにその辺探す作戦である。コレが素晴らしい作戦で、コレまで成功した例がほとんどないんだわはははは。寒いもんで頭が回ってないんだなこれが。移動する前に、スマホで検索すりゃいいのに、テンパっちゃって走り出すもんで、もうなんともならん。国道1号線は幹線道路、途中で止まれん。
結局、岡崎まで戻ってきちゃった。そして、デニーズに入った。デニーズなら間違い無いからな。本当はジョイフルとかサイゼリアとかお値打ちなところに行きたかったけど無いもん。デニーズならアプリクーポンがあるからな。そこそこ混んでる駐車場にバイクを止めてお店に入った。待つことなく案内された。席について、冬の味覚メニューであったかシチューを注文した。待ってる間、店内はやっぱりぬくぬくだなーとぬくぬくしてたら、隣の美人バリキャウーマン2人組の会話が高度な会社社会の男女平等についての案件だったので、やっぱり女の人は大変なんだなーと思いました。平日ランチの3皿食って、大きな皿に乗ったデザート食って、ガンガン食ってた。やっぱりバリキャウーマン、よう食うなあ。食ってガンガン働いて、男社会を戦い抜いてるんだろうなあ。などと頭が下がる思いでいたら、シチューがきた。食ったら熱々で美味かった。
でも伝票を見たらびっくりだった。結構高いのねこれ。美味かったからまあいいか。レジでは「クーポンございませんか」と確認してくれるので安心さ。しっかり割引で高いシチュー食って、お店を出たらバイクに戻った。風は一向に弱まらず、明日からの強烈な大寒波の襲来を予感させる寒さだった。いつもなら午後からは電熱ベストは切っても大丈夫なのだが、全然ダメなようなので、予備の電池に切り替えて電熱最強で走り出す。
あとは国道1号線から国道248号国道155号を経由して帰ってきた。
本日の出費
ファミマル 130円
缶スープ 123円
セブンカフェあんまん 230円
デニーズ 1270円
本日のCB1300SFの走行距離 220キロくらい
累計のCB1300SFの走行距離 34770キロくらい