落語とお酒『上燗屋』
こんにちは。
飲兵衛(淑女でありたい)あかりです。
きってもきれない、わたしとお酒
きってもきれない、落語とお酒
落語に出てくる飲兵衛さんのお話をしたいと思います。
一席お付き合いいただければと思います (笑)
落語『上燗屋』の中に出てくる、こんなやりとり
お客:上燗屋、ここに「上燗屋」と書いたぁるけど、こら何のこっちゃ?
店主:あつなし、ぬるなし、ころ加減で上燗と申します
お客:なるほど「あつなし、ぬるなし、ころ加減で上燗」
酒の燗、なかなか難しぃよってね、上燗で呑ましてもらお
この『上燗屋』を聴いて、初めて「上燗」という言葉を知りました。
お燗の種類は温度帯によって6種類に分けて表現されるんですね!
その6種類が、こちらです。
◎日向燗(ひなたかん)
30度。温度の高さを感じない程度で、ほんのり香りが引き立ちます。
◎人肌燗(ひとはだかん)
35度。さわると温かく感じます。味にふくらみが出て、お米や麹の良い香りがします。
◎ぬる燗
40度。熱くはない程度で、香りがよく出ます。
◎上燗(じょうかん)
45度。注いだ時に湯気が出る程度で、引き締まった香りを感じます。
◎熱燗(あつかん)
50度。徳利から湯気が出て、さわると熱く感じます。キレが良く、香りがシャープになります。
◎飛びきり燗(とびきりかん)
55度。徳利を持つと熱く感じます。シャープな香りで、より辛口に感じます。
なんだか見ているだけで、わくわくします。
日向燗、人肌燗なんて、ほっこり和みます。
今はお家で呑む機会が多いので、燗酒も温度を変えて自由に楽しみたいと思います。
お燗をすることで香りや味が引き立つ『燗上がり』や『燗映え』という言葉もあります。
お燗にすると、ひやでは分からなかった、ほのかな甘味やお米の旨味を味わうことができます。うーん、日本酒って素晴らしい。温度を変えるだけで、人を喜ばせてくれます。
そして、体にもやさしいのです。
体温に近いので、胃腸にやさしく、アルコールの吸収も早めです。すぐにほろ酔いになるので、冷たい酒類と比べて一気に飲み過ぎることもなく、味わいながらゆっくり楽しめます。
お燗のおともに、桂枝雀師匠の『上燗屋』、ぜひユーチューブで聴いてみてください。
「スビバせんね」が、じわりじわりと笑いを誘います。
マクラ(本題に入る前の小噺)は、こんな感じです。
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お酒のお噂でございまして、これからまたおいおいと寒さが増してまいりますといぅと、日本酒のシーズンでございますが、お酒といぅものはまことに結構なもんでございますね。
「酒は百薬の長」なんて申します、面白い言葉ですね「酒は百薬の長」でございます。なぜ、酒が百薬の長かと申しますと、百薬の、長、だからでございます。
もっともこれはまぁ、呑むほぉから言ぃました言葉で、呑まんほぉから言ぃますといぅと「命を削るカンナ」なんて申します。そらそぉやそぉですね、あんまり呑み過ぎてはいかんそぉですね、やはり害もないことはない、なんでも過ぎるっちゅうことはいかんことですけどね。
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それでは、また!
今日も平和に一合か二合を!