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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

ウィーン体制9-ギリシャ独立戦争勃発

2022.02.06 11:14

1821年3月26日、イプシランディスに率いられた一隊がヤッシーで蜂起し、ギリシャ独立戦争が開始された。ギリシャやヴァルカンでも、フランス革命の影響を受けて、自由と独立を勝ち取ろうをいう気運が起こり、各国と同じで秘密結社ができていた。イプシランディスはそのリーダーである。

また欧州諸国でも、ポンペイなどの発掘で親ギリシャブームが起き、芸術でも古典派が生まれていた。ギリシャ旅行も流行り、イギリスの詩人バイロンは、その東方旅行を基に「チャイルドハロルドの遍歴」という詩集で大ブームを起こした。単なる旅行記ではなく、自分の心を描いたロマン派の作品である。

ギリシャやヴァルカンは、オスマントルコの支配下にあったが、ロシアの南下によって、中央集権体制が弱まり各地で僭主が実権を握り、スルタンマフムト2世の西洋式改革は、イェニチェリに邪魔されて思うようにいかない。そしてロシアの影響力が強まっていた。

4月にはロシアからの義勇軍で反乱は膨らんだ。ところがライバッハの5カ国会議では、メッテルニヒが正統主義の立場から不干渉を宣言。ロシア皇帝も、独立蜂起を非難し、イプシランディスはオスマン軍に敗北する。しかし、それで鎮圧されるどころか、反乱はペロポネソス半島に広がった。