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yoyo

阿波野巧也『百日百首』

2022.02.06 15:07

文フリ京都で買った阿波野巧也さんの『百日百首』を読む。以下、いいなあと思った箇所の引用。


既存のシステムに対して180度反対を向いた逆張りというのは実は難しくて、既存のシステムと折衷しながらより高い次元へ歩みを進めることが重要だと僕は考えている。(略)古き良き価値には一定の価値がある一方で、その中には旧態依然としていたり価値そのものが権威化していたりする部分がある。同様に、新しいとされる価値の中には、その価値観そのものが大量消費社会にあまりに順接であったり、「既存に対するカウンターとしての価値」を作ること自体が目的化してしまっていることもあるのだろう。P33
いい短歌をつくるには、短歌とは何かとか、自分の短歌は何がしたいかとかをずっと考え続ける必要がある。僕は自分の短歌はかなり快楽性を求めて作られてしまっていると思うけれど、手ぐせより奥の、そういう心の癖にいかに近づいたり離れたりするか、ということをやっているうちに意識した。P54


仕事をし、コンテンツを摂取し、詠む。揺れながらも大きな流れの中に身を置く日常を読みながら、大きな文脈に自分を接続しないと先には進めないとあらためて気づかされる。どこにどう接続すべきかということを、昨年あたりからずっと考えている。こういうものは決めようと思って決めるものではないから、ずっと頭の片隅に置いておこうと思う。