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「宇田川源流」 「平和の祭典」を嗤う習近平のオリンピック外交

2022.02.09 22:00

「宇田川源流」 「平和の祭典」を嗤う習近平のオリンピック外交


 「外交的ボイコット」という言葉が、北京オリンピック前には日本でかなり使われた。アメリカやイギリス、オーストラリアなどは外交的ボイコットとして、北京オリンピックの開会式などに、政府高官を派遣することやめ、いわゆるオリンピック外交ということをさせない、または応じないということを意味している。

 今回外交的ボイコットを表明したアメリカやイギリスをはじめとした国々は、予告通りに北京オリンピックに閣僚や政治関係者を派遣することなく、選手とコーチなど選手の関係者のみを派遣している。マスコミなどはそのことを承知の上で中国に取材に行っているが、実際にマスコミもバブル方式の厳格なルールの下に置かれてしまっているので、外国人のマスコミは北京の街の中を取材するようなレポートはない。せいぜい、プレスセンターのみであり、オリンピック競技の中継だけが放映されているということになる。

 このように「完全に北京という市街から切り離された」オリンピックであり、なかなか面白い。開会式も見たが、ある意味でコンパクト、ある意味で斬新である。特に、トーチをそのまま聖火にするというようなことは、まあエコでもあるしどうでもよいことであるし、また、開会式で国家元首である習近平が挨拶しても、別段問題はない。それよりも話題になて地他のはロシアのプーチン大統領の居眠りというところが興味深い。アメリカやイギリスなどから出席していないので、その辺の関係も何もない。一方わざわざ行ったのに報道もされない韓国はどのような立場なのであろうか。

 さて、そのような開会式のことはさておき、実際に「外交的ボイコット」が存在するということは、逆に「習近平国家主席はオリンピックをもとに外交を行う」ということになる。当然に、街に出ることのないマスコミが、その習近平政権の悪口や他の国の元首の話をすることもなく、ある意味でオリンピックとマスコミと、政治は別世界であるかのような感じで報道されるということになる。

 しかし、同じ中国のそれもオリンピックで行われエイルことである。「オリンピックの政治利用」ということに関して、しっかりと考えてゆかなければならないし、それを許しているIOCに関して、我々は何を思うのか。

中露首脳NATO拡大に反対表明

 【北京、モスクワ時事】中国の習近平国家主席は4日、北京冬季五輪の開会式に先立ち、訪中したロシアのプーチン大統領と北京の釣魚台迎賓館で会談した。中ロ両政府は会談に合わせて発表した共同声明で、北大西洋条約機構(NATO)拡大に反対の立場を表明。ロシアがNATO加盟を目指す隣国ウクライナに軍事圧力をかけて情勢が緊迫する中、対米共闘姿勢を誇示した。

 共同声明は、米主導の対中包囲網に反発する中国の立場も反映。「アジア太平洋での閉鎖的なブロックや敵対的陣営の形成に反対する」と強調し、「米国のインド太平洋戦略が地域の平和と安定に与える負の影響を強く警戒する」とした。

 さらに声明は、米英とオーストラリアの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に深刻な懸念を示し、アジア太平洋と欧州での中距離ミサイル配備計画を放棄するよう米側に求めた。ロシアは台湾独立に反対する立場も明言した。

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大で外遊を控える習氏とプーチン氏の対面形式の会談は2019年11月、ブラジルで行われて以来。 【時事通信社】

2022年02月04日 22時38分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-1455800/

習氏、五輪開会式参加の9か国首脳と相次ぎ会談…台湾・ウイグル巡り「支持」取り付け

 【北京=大木聖馬】中国の習近平(シージンピン)国家主席は5日、北京の人民大会堂で、北京冬季五輪に合わせて訪中した各国首脳らと個別に連続して会談する「マラソン会談」を行った。巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた協力強化などを確認したほか、中国が絶対に譲れない台湾や新疆ウイグル自治区などの「核心的利益」を巡り、多数の首脳から支持を取り付けた。

 中国外務省によると、習氏は5日夜までに計9か国の首脳と会談した。大規模反政府デモが起きたカザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領との会談では、「カザフの安定維持、経済発展のために支援していく」と述べた。エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領との会談では一帯一路構想の推進などを呼びかけた。各首脳は中国の核心的利益を巡る立場への「支持」を表明したという。

 習氏は5日昼には、各国首脳や国連のアントニオ・グテレス事務総長らを昼食会でもてなした。

 中国外務省は5日、五輪開会式に出席した23か国の首脳らの名前を公表した。計約70の国・地域、国際機関の代表が参加したとしている。

 

2/5(土) 読売新聞オンライン

https://news.yahoo.co.jp/articles/d260fc6e1599ecc5440b8aeef4350867530527c6

 今回の開会式を見て、実に「政治的な利用」が多かったことは明らかである。日本ではなぜかそのことを報道しない。一部日本テレビなどが報道している程度で、基本的にはオリンピックの競技の報道になってしまっているところが残念だ。オリンピック遠いのは平和の祭典であり政治利用が禁じられているにも関わらず、露骨に政治利用をしている内容を見せられているということに日本人の多くは感じているのであろうか。まあ、今回のオリンピックがあまり時差がないにもかかわらず、今一つ盛り上がりが書けているというのは、そのような背景から「しらけムード」があるのではないか。もちろん、選手を非難しているわけではない。

 まあ、そもそも単純に言って「ドーピング問題」があって、国家としては参加できないはずのロシアの大統領が、なぜ開会式に参加しているのか、そのことはIOCとして問題がないのかということは非常に大きな疑問である。その上、そのプーチン大統領と習近平国家主席との間に、上記のような内容が会談されている。

 中ロ両政府は会談に合わせて発表した共同声明で、北大西洋条約機構(NATO)拡大に反対の立場を表明。ロシアがNATO加盟を目指す隣国ウクライナに軍事圧力をかけて情勢が緊迫する中、対米共闘姿勢を誇示した。<上記より抜粋>

 平和の祭典で集まった首脳との間で「軍事的な威圧を肯定する立場を表明する」ということは一体何なのであろうか。この事もまた日本のマスコミはほとんど報道しない。本当に日本のマスコミは「事実をしっかりと伝える」ということもできなくなってしまったようである。

 そして話題になっているのは、成果をともすというか、まあ成果のトーチをそのまま刺しただけであるが、その選手の中にウイグル人を使ったということが非難の的になっている。単純にウイグル・チベット・内モンゴルの人権問題のところで、そのウイグル人に聖火ランナーを勤めさせるという政治的なアピールはさすがに問題視されている。

 今回、開会式に閣僚クラスや元首クラスが参加した国は24ヵ国、いずれも「親中派」国家である。その国々は、上記のような会談をしているのだ。

 巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた協力強化などを確認したほか、中国が絶対に譲れない台湾や新疆ウイグル自治区などの「核心的利益」を巡り、多数の首脳から支持を取り付けた。<上記より抜粋>

 では「中国の核心的利益」とは何か。実は日本の尖閣諸島も入っている。要するに「尖閣諸島は中国のものだ」という国、または「台湾は中国共産党の支配に服すべきである」という国が24ヵ国もあるということになる。平和の祭典という中で、多くの国が競技に注目し、そして反対をしにくい中でそのようなことをしているのが習近平国家主席なのである。

 アメリカや日本では、開会式の裏で北京オリンピックボイコットデモが行われたが、それ報道したマスコミも少ない。東京オリンピックの時はあれだけ大騒ぎして包装紙、コメンテーターが口々に言っていたのも関わらずだ。これが本当に正しい「平和の祭典のあり方」なのか、もう一度考えるべきではないのか。