農家さんにお話を伺って(外山侑穂)
私がお話を伺ったのは、大根のツマ工場を経営していらっしゃる永田さん。永田さんの会社で行われる業務は、大根の栽培・仕入れからツマに加工するまでの一連の作業だけでなく、地域の特産品であるサツマイモや栗を使った菓子の開発、製造まで多岐に渡っています。工場で主に作られている大根のツマはまさに絶品です。スーパーで買った刺身などについてくる大根のツマを今までは残してしまうことさえありましたが、今回大根のツマへのイメージがガラッと変わりました。ともすれば、大根のツマはメインにもなりうる力を十分に備えている、そう思いました。
ここからは、永田さんに伺ったご自身のお話、ひいては農家の実情のお話について書いて行きたいと思います。
永田さんは大学卒業後、大手食品メーカーで働いたあと、転職して就農しました。このように異職種から農業へ参入する人はそこまで珍しくなく、就農する以前の経験、例えばマーケティングの技術であったり、商品開発の技術であったりを生かすことも大いに可能だそうです。現在の農家さんは個人経営ばかりでなく、企業形態での経営も主流となってきているという話をよく聞きます。永田さんにお話を伺ってみると実際そうであり、経営次第で非常に儲かる職業でもあるという話でした。世間の一般的なイメージとは若干異なる点かもしれません。
また私の出身地は鹿児島なのですが、話の途中で鹿児島の大根も使っているということを聞いたので、その話を詳しく聞いてみました。どうして、茨城から遠い鹿児島から大根を取り寄せているのだろうという疑問をなげかけてみました。永田さんによると、地域の気候の違いによってやはり、大根の収穫可能時期が結構ずれてくるということでした。一年を通してできるだけコンスタントに大根のツマを製造・出荷するためには、日本の南から北まで、様々な地域から時期別に大根を仕入れることが必要になってくるそうです。多少高い輸送費を払うより、大根のツマをコンスタントに出荷できた方が利益も大きいのだそうです。
今回、いろいろお話を伺いましたが、実際に農業に従事している方でなければわからないような情報もたくさんありました。将来、農業に何らかの形で従事したいと私は思っているため、実際に農業の現場で働いている人の話を直接聞くのは欠かせないことだと思いました。