星巡りの旅〜花巻編〜
普段から役者として活動している私ですが、演じるだけでは飽き足らず近頃は自身で演出も手掛けたいなあと目論んでいます。
近い将来、劇団を立ち上げるぞ…!という思いで超不定期ですが稽古場を開催したりもしています。
俳優が演出の操り人形にならず自立することを目的としていて、戯曲について話し合ったり、役のバックボーンを想像してみたり、『もしかしたら〇〇かもしれない!』を実践したり…実験のようで楽しい時間です。
さて、先月のお話です💭
今回のブログのタイトルとなっている
『星巡りの旅〜花巻編〜』ですが…
劇団を立ち上げる事になったら、旗揚げ公演として宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』を上演したいと思っていて!!!実は、まだまだ稽古用レベルだけど台本も制作中なのです。
深く物語を読み解きたい、台本制作のヒントを得たい、現地の方から少しでも話が聞きたい…と思い、1月19日〜21日までの3日間。役者仲間の信岡実侑(のぶおかみゆう)ちゃんと共に、岩手県の花巻市へと旅立ったのでした。
↓ちゃんと旅のしおりも作ったの✌️
初めての花巻、感激して思わず駅で大きい声出しちゃったよ。
あ。宿泊したのは花巻じゃないんです。
紫波中央駅から徒歩2分位の所にある『オガール』という施設に宿泊しました。スポーツ合宿などによく使われている施設なんですって。でも産地直送マルシェがあったり、レストランやコンビニが入っていたり…今回は利用しなかったけれど図書館やジムも併設されていて、1週間くらいここでのんびり過ごしたい!!!と切実に感じました。
あと宿泊費が安い。大事なことだからもう一回言うね。宿泊費が安い。
2日目は暖炉付きの、テラスが広〜いお部屋に泊まったよ。優雅すぎませんか🥐
そしてどうです!!!テラスで撮影したこの満天の星空🌌🌟(この為にiPhone13 Proに機種変更した)(画面を明るくしてご覧ください)
私が星座の本を持って行ったので、2人で寒い寒いと言いながら「あれが〇〇座かな?」などと話しながら星を数えました。カムパネルラとジョバンニも、こんな風に話しをしていたのかもね。また、賢治さんも星座の本を広げながら星を数えていたのかも…
定番ですが、宮澤賢治童話村・宮澤賢治記念館での資料館巡りも非常に楽しく、勉強になりました。
記念館では手直しされる前の原稿がいくつも展示されていて、本には載っていない風景描写や台詞がそのまま残っていて。クスッと笑えたり、集中して読んでついついグッときてしまったり。妹のトシさんへの想いを綴ったポエムなんか、涙なしでは読めなかったなあ。
いつも応援してくれている子が
「童話村の駐車場にあるお店が素敵だから行ってみて!」
と教えてくれたので行ってみると『白鳥の停車場』というお店が🦢白鳥の停車場は銀河鉄道の夜の物語の中に出てくる停車場の名前。エモすぎる…。
『白鳥の停車場』のお店のお姉様はこんなご時世だというのに東京から来た私たちを温かく迎えてくれて、賢治さんにまつわる貴重なお話を聞かせてくださったり、綺麗な"水晶の砂"も見せてくださいました。
資料館巡り以外にも、花巻駅周辺の地図と銀河鉄道の夜の物語の中の街の地図を見比べながら聖地巡礼したりしました。
この地へ訪れて特に感じたこと。
人々が優しい!
これに尽きます。
東京では信じられない光景ですが、道ゆく子どもたちが、こんにちは!と挨拶してくれるんです。見ず知らずの私たちに。(東京だと怖い事に巻き込まれることも少なくないから知らない人にまで挨拶できないよね…)
バスの運転手さんが親切にしてくれたし、車が道を譲ってくれたし、居酒屋のお兄さんも話し上手で気さくだしイケメンだし(え?)
たまたま入ったジェラート屋さんのお姉様に、どこから来たの?と聞かれたので
「こんなご時世ですが、東京から来たんです…」と言ったら、
「いいのよそんなこと気にしなくて!雪の中来てくれてありがとうね。寒かったでしょう。」とお茶を出してくださいました。
どこへ行っても、来てくれてありがとう!と歓迎して頂けて。私たちの運が良くてたまたま優しい方々に出会えただけだったのかもしれないけど…岩手で沢山の優しさに触れて、宮澤賢治の童話の住人になれた気分だった。
雪で寒い筈なのに心がぽかぽかして温かかった。優しくされるたび嬉しくて泣いちゃいそうになっちゃったな。
優しくしてくれた岩手の皆様の為にできることがあればしてあげたいと強く思ったし、本当の幸を求めたいと願ったジョバンニ・カムパネルラの心に少しだけ触れられたような気がしました。
辛いことや苦しい事もあったのだろうけど、この素敵な街を舞台にのびのびと暮らしてきた少年たちの話を、純粋に、故に醜く、美しく描きたい。
私たちの旅はまだまだ始まったばかり。💫
拙い文章ですが、最後まで読んでいただきましてありがとうございます🌟