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G.ヴェルディ 弦楽四重奏曲ホ短調

2022.02.08 13:39

    前半の最後を飾るのは、ヴェルディの弦楽四重奏曲。

 19世紀後半のイタリア・オペラの大家、ヴェルディが唯一残した室内楽作品、それが当夜の弦楽四重奏曲 ホ短調です。

動画はこちらです。

  代表作でありますオペラ、1891年作の「アイーダ」と同時期作品です。

 このオペラでカイロやミラノで驚異的な成功を収め、さあ、次はナポリ公演だ!

 ところが、その最中、歌手が急病となり、公演は延期。

 思わぬその休暇に作曲したのが、この弦楽四重奏曲です。

 オペラ作家ながら、極めて正統的な弦楽四重曲に仕上げたのでした。

 まるで永年の懸案と言わんばかりに。

 そうであっても、やはりオペラ作家です。

 厳格な弦楽四重奏のフォーマットの中に、彼は隠し味のようにオペラ作家の腕を振るったのでした。

 初演は宿泊先で私的に行った程度で、ヴェルディは作品の出来栄えにあまり満足でなかった言葉を残しています。

 しかし、この曲は19世紀後半の弦楽四重奏曲の代表作の一つに数えられ、指揮者トスカニーニのお気に入りであり、彼は弦楽合奏で演奏したのです。

とにかく第1楽章の冒頭を聴かれて驚きます。

「ええ?シューマンですか??」と。

 先のオペラ作家としての隠し味の一つは最終楽章フーガでの緻密さ中に放たれるロマンの情です。

 聴く機会の少ない曲ですので、ぜひ!