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The Weekend Traveler

雪見の作並電車の旅

2022.02.12 08:08

大騒ぎした割に全然積雪しなかった東京を離脱し、一路北を目指した週末。


今回はコロナ禍でネックとなっていた大混雑の東京駅を、なんなら新横浜からも新幹線で参上して乗り換えを最短にするという技で攻略し、はやぶさで仙台へ。

今回は仙台に住む心の友と作並の旅。

作並(さくなみ)は仙台市ながら山形近くに位置する仙台では雪深い地方。

本当は岩手とか青森を旅する予定だったけど、オミクロンが蔓延ってきたので行き先変更。

山形行きの鈍行に乗る。

下の「愛子」は「あやし」と読む作並の隣町。プリンセス愛子誕生の時には沸いた町だとか。

仙台から電車で40分程なのに全く風景が変わる。雪が仙台の5倍くらい残ってる。

こんなにワイルドな雪山を見るのは初めてかもしれない。

どっさり雪が積もった作並到着!

晴れてるから極寒ではないけども、キリッとした空気。

雪が溶けたとこも凍っているからボヤッとしてられない。携帯見ながら歩くなんてもちろん不可。

雪国ではダラダラできない。

木造が美しい作並駅。

無人駅のタッチ型改札なのに奥の待合室には係員さんが潜んでいる謎の駅。寒いからかしら。


そしてこけしがやたらと愛しく思える東北マジック。

無垢な雪が綺麗すぎて写真撮りまくりの南国育ち。

積雪の山はちょっとハゲ頭に似てるね、なんて宮城の針葉樹に失礼ぶっこきながら宿へ向かう。

コロナ禍の旅は美味しいご飯と温泉がある宿に篭りまくるというのが適当と結論。



今回もオールインクルーシブの宿でひたすら解けることに。

今回、初めて見たもの、巨大なつらら。

自然の造形美みたいなものに圧倒される一方で、このつらら刺さったら死ぬのかなとか金田一少年見過ぎだろみたいな薄っぺらい感想もよぎる。

宿が極楽過ぎて、全く写真を撮るのも忘れた旅ブロガー失格人間。写真に記録するより大事な時間があるんです。


というわけで宿の模様は割愛。

翌朝の作並。

屋根の雪がベーコンみたいな層になってて、ここでまた知らなかった雪を知る。

チェックアウトまでひたすら食べて飲んでを繰り返したので次の目的地までは徒歩で移動。

車社会で徒歩ってのはある意味密よけ。誰も歩いてない。

いちいち雪に反応するわたしの前をスタスタ行く仙台生まれ育ちの友。勝手に感動してるから放っておいてくれて正解よ、と出会って22年目の旅は気楽なもので。

遂にリアルに雪に埋もれた車発見。

30分ほど歩いて遂に目的地へ。

看板がちっさ過ぎてあやうく見落としかける。

自己主張控えめの東北マインドが出まくりの控え目な看板。

仙台市内を流れる広瀬川の源流。

写真撮りながら携帯落としても速攻諦めますね。

ってくらい冷たそうで寒そう。

さて、目的地のニッカ宮城峡蒸留所に到着。


とんでもなく広い敷地。

ペンギン歩きって言って宮城の人は何かわかるの?


うん。


と、だんだんわたしの雪に関する愚問の数々に回答が短くなってくる友。

やっとビジターセンター到着。

予約制の工場見学は満員だったので入れるとこだけ見ていくことに。

ビジターセンターで竹鶴さんのウィスキーへの情熱を見た後にはブラックニッカのおじさんも一回りかっこよく見える。

赤煉瓦と雪景色ってすばらしくモダンな景色。

駐車場もとても広くてコロナ禍じゃなければたくさんバスとかで観光客が来てるんだろうに。

こんな木々は外国でしか見たことない。

つうかもはや外国レベルの見慣れぬ銀世界。

ショップで有料試飲ができたのでビジターセンターで知ったカフェ式の蒸留方法で作られたウィスキーなどを嗜む。

学びに実体験は必須なのです。

送迎バスの時間に合わせて蒸留所を後にしてまた作並駅に戻る。

電車の時間までの15分で団子を買いに行く。

どこまでも欲に忠実な旅人二人。

そして来てしまった、戻りの電車。

雪景色に現る電車のかっこよいこと。

仙台に戻ってちょうど24時間の旅。


職場までの通勤時間と同じ1.5時間で仙台に来て、たった40分で銀世界の作並を旅できるだなんて誰のおかげって鉄道屋のみなさんのおかげです。

雪はとってもきれいだったけど、実際、雪国の暮らしを思うと気が遠くなりそうな過酷な世界。

でも雪の下でこそ醸成される豊かな文化と暮らしもあって、さらにそんな厳しい環境でもライフラインを維持する人たちのお仕事のおかげでペンギン歩きも知らないわたしみたいな旅人も快適に異文化体験できるわけで、マジのマジで雪国リスペクト。



ラストは胡桃とずんだの団子を食べながら仙山線に揺られるどこまでも幸福な旅。


見たい景色と会いたい人たちがいる限り旅は続く。


おしまい。