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カレントゲームベース

フロロのジレンマ

2022.02.15 01:59

通常のライトゲームでは、フロロはまあまあ理想のラインの性質を持ってます。

比重が1.7ほどあってキャストして着水するとリグと共にすぐに沈んで真っ直ぐになります。"潮馴染み"がとても良いという事です。これは風にも強いという訳です。


伸びは結構あります。

しかし結構面白い伸びの性質で、"初期伸長性"というものです。

引っ張ると最初にススッと伸びるのですが、途中からグッと伸びないのです。組み紐みたいですね。このお陰で結束強度があります。

魚を掛けると初期伸長性によってショックを吸収します。ある程度の所で伸びが止まるのでルアーの操作性や操作感も有ります。


単純な強度はエステルラインより強いけどもナイロンより弱い感じですね。

ロッドの長さや曲がり、ドラグや結束など様々な要因があるので一概に言えないですが、平均的なジグ単で大概の大物サイズが獲れる号数はナイロンが0.8号に対し1.2号くらいです。


そして"硬さ"というのがフロロの特徴でしょう。

メリットとして根ズレに強いですし、感度においては比重の高さとこの硬さによって金属のような反響伝達性が有ります。

しかしデメリットとして"巻グセ"が酷い事になりますね。

ソルトは大体スピニングですから、巻きグセのまま飛んでいきます。


カレントゲームでフロロラインを使用するともの凄くジレンマを感じます。

シーバスやマダイ、チヌを考えると0.6号は心許ないので0.8や1.0号にすると、ジグヘッドを0.6〜0.8gだと巻グセがコイルのようになってキャストは飛ばないし操作感もないアタリはでないピョン吉トラブル続出です。

だからといってジグヘッドを1.5gやら2.0gにすると比重もあってボトムへ沈み、境界面で漂わすカレントゲームが出来なくなります。

ラインの伸びも気になってくるしライン自体の抵抗感が掻き消されるのでジグヘッドは1.2gまでが限界です。

(単にボトムを探るなら良い方法です)


では0.6号や0.5号ならばどうでしょうか。普通にメバリングやアジングで使われる太さですよね。

非常に伸びが気になりますがマイクロワインドではなくドリフト中心のカレントゲームなので0.8〜1.0gならばなんとかなりそうです。

しかし伸びによる操作感度の無さと、ラインの細さによる反響感度の無さは厳しいです。

ラインがググッと持っていかれた…という向こう合わせの釣り。これではカレントゲームの楽しさが半減です。微かなアタリを掛けていく釣法ですから。大物の取り込みも厳しそうですし。


ポイントによっては足元から水深があって潮流も相当速く、フロロ1.0〜1.2号でジグヘッド1.5gで丁度払い出しの潮に乗るかもしれません。

そんな場所ならば非常に優秀なラインです。

「適材適所」と言ってしまえばその通りです。