洗うと保湿
前回は、スキンケアも健康の道というお話でした。
では、どんなケアが良いのかもう少し見てみましょう。
高価な成分を塗ればいいでしょうか?
実は肌にはバリア機能があるので、高価な成分を塗ってもよほど条件が整わないと経皮吸収は難しいです。
肌には汗と皮脂を分泌して、天然の保護膜を作る力があります。
一方肌ができないのは、汚れを落とすこと。
ですから、汚れをやさしく落とすことがまず大切です。
そして、洗ったあと保護膜が復活するまでの数分間は無防備な状態になるので、保湿をすることが基本のスキンケアです。
水仕事の手をイメージすると解るように、水をかければ潤う訳ではありません。
表面の水が乾燥するときに、肌の中の水分まで連れていってしまうので余計カサつきます。
また、油分で膜を作って蒸発を防いでも保湿にはなりません。
優れた保湿剤は空気中の水分を集めてきて、肌表面をしっとり保つことができます。
こまめな保湿でバリア機能を高く保ちたいですね。
バリア機能が弱ってしまうと、肌と外に通り道が出来てしまいます。
肌内部の水分は蒸発しやすくなりますし、外部刺激に敏感になって炎症を起こしやすくなったり、アレルギーを引き起こす成分が入りこんだりします。
ここ10数年でしょうか、「経皮的に食物アレルゲンに暴露されると感作が成立し、適切な量とタイミングで経口摂取された食物は、むしろ免疫寛容を誘導する」と言われます。
私はエビ・カニなどの甲殻アレルギーがあるので、強い匂いが充満していると、食べなくても何となくムカムカすることがあります。
口に入れるものだけではなく、触れるものや空気中を舞っているものにも注意が必要ですね。
2010年頃、経皮感作が問題になった事例がありました。
石鹸に使われた小麦由来成分で、これまで小麦アレルギーがなかった人にも症状が広まりました。
顔やまぶたが腫れたり、全身に蕁麻疹が出たり、酷い方はアナフィラキシーを起こしたり。
洗顔に使っていただけなのに、小麦が食べられなくなったり、全身症状に繋がる場合もありました。
天然由来の成分なら安心とは限りませんし、お友だちに良かった化粧品が私にも合うかどうかもわかりません。
知識も自分の感覚もどちらも大切だと感じた出来事でした。
困った刺激から私たちを守ってくれる肌。
清潔で潤いのある肌を心掛けたいですね.。
水遊びが大好きな我が家の猫。