PRライターが知っておきたいコンテンツマーケティング。オウンドメディアもプレスリリースも、将来の資産になる〜PRライター入門〜
こんにちは。株式会社Cannpass代表の山崎春奈です。PR・キャリア・人材育成を軸にした会社経営をしながら、外資系メーカーに会社員として勤める複業(副業)キャリアを2016年から歩んでいます。
当社は、PR講座やPR人材プロダクション運営をつうじたPRライター育成をおこなっており、PRやPRライティングの基本を学べるコンテンツを発信しています。
今回は、PRライターが知っておきたいウェブマーケティングの1つ「コンテンツマーケティング」についてお伝えします!
ファンづくりの入口となる、コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ウェブの記事や動画などのコンテンツを制作し、発信をとおして、自社やサービスについて知ってもらい、ファンになってもらい、最終的なお問い合わせなどにつなげていくというマーケティング手法です。
まだ会社やサービスについて知らない人に対しても、面白いと思ってもらえるコンテンツを発信することで、そこから会社やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらいます。全面的に商品やサービスを紹介するのではなく、お役立ち情報として発信するのです。
近年はオウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングが主流です。
たとえば、化粧品メーカーが「時短で可愛いメイクテクニック」「冬の乾燥肌のお手入れ方法」など、ターゲットとなる女性の暮らしに役立つ記事を発信しているのを見たことはありませんか?
あるいは、もっと範囲を広げて「ヘルシーな朝ごはん」「手軽にできるストレッチ」など、美容と健康をテーマにした役立つ情報を発信していたりもするかもしれません。
いわゆるキュレーションサイトとも呼ばれるものです。
これらは、その化粧品メーカーのファンではなくとも、記事や動画を通して「へぇ、そうなんだ!」「面白い!」といった反応をしたくなる内容になっています。
情報発信によって、オウンドメディアのファンになってもらい、そのあとようやく自社や商品・サービスについて知ってもらいます。その後、利用してくれる顧客となる可能性もでてくるというわけです。
そうした場合に、たくさん出てくる検索結果の中から自社の情報を見つけてもらうためには、SEO(検索エンジン最適化)でできる限り上位にページを表示させることが重要。
さらに、ウェブ上での施策としてSNSを見逃すことはできません。Twitter、Instagram、Facebookを中心に、日常的なコミュニケーションツールとして普及するSNSは、今やGoogle検索と並んで力を入れるべき情報提供の場になっています。SNSには、広告的ではないリアルなユーザーの口コミが並んでいるため、最近では検索をSNSで済ませてしまうという人も増えていますよね。
現在では、コンテンツマーケティングのプラットフォームとして、YouTubeチャンネルも定番ですよね。YouTubeであれば、YouTube内で見つけてもらいやすいように最適化する必要があります。
また、オウンドメディアで公開した記事をSNSでも発信する。YouTubeで公開した動画をオウンドメディアの記事内でも紹介する。SNSのアカウントをYouTubeの概要欄に記載しておくなど、それぞれを組み合わせることも大切なんです。
各プラットフォームのUXにも配慮を
PR視点でウェブマーケティングを行う際には、UX(ユーザーエクスペリエンス)と呼ばれるユーザー体験にも意識を向けることもポイント。UXとは、ユーザーがサービスを通じて得られる体験のことをいいます。
たとえば、ECサイトで買い物をする場合のUXには以下のようなものがあります。
・サイトのデザインが見やすくて快適に閲覧できる
・商品の利用シーンが想像できるサンプル写真が多い
・色やサイズ、機能の違いが丁寧に説明されていてイメージしやすい
・価格表記がわかりやすい
・スマートフォンやタブレットなどの端末にも対応していて利用しやすい など
さらには、実際に商品が手元に届くまでの対応や、実際に届いた商品の梱包やクオオリティなど、ウェブ上での体験以外の部分も考えたいところ。
PRもマーケティングも、ビジネスを成長させるためのもの。ビジネスの先には、必ず利用者がいます。ウェブ上においても、対面においても、利用者の満足度を高め、中長期的な信頼関係を構築していくというビジネスの基本を忘れなければ、よいコンテンツを作ることができ、コンテンツマーケティングの成功につながっていくのです。
プレスリリースもコンテンツマーケティングに活用しよう
プレスリリースとは、かつてはテレビや雑誌などのマスメディアに向けて新しい商品やサービスや企業情報を伝えるための「マスメディアへのお手紙」のようなものでした。
現在のようにインターネットが普及する前は、FAXで送るA4サイズ1枚分が基本。
マスメディアに自社の商品やサービスを取り上げてもらうことを主な目的とし、情報を探していそうなテレビ局、新聞、雑誌社、ラジオ局などへ配信していました。徐々にメールでの送信も浸透しました。
しかし、企業が直接ウェブ上で情報発信できるようになり、自社でウェブサイトを持ち、PR活動に活かす企業も増加。つまり、マスメディアだけに頼らなくとも、企業が自分たちでPRできるようになったということですね。
もちろん、引きつづきマスメディアへのアプローチをしていくことも大切ですが、今では、マスメディアの記者さんたちも、ウェブから情報収集することが増えました。ウェブ上でのPRをきちんとできている企業こそ、マスメディアに取り上げられやすくなってきたのです。
そんな中、プレスリリースの役割は大きく変わっていきます。
2001年、日本初となるプレスリリース配信サービス「News2u.net」が株式会社ニューズ・ツー・ユーから登場。プレスリリース配信サービスとは、これまでマスメディア各社に自力で配信していたプレスリリースをサービス各社が一括で代行配信してくれるものです。さらに、それらのプレスリリースはウェブ上でも公開されます。
「News2u.net」では、マスメディア向けに送信するFAXやメールのプレスリリースと差別化するために、ウェブ上で公開するものを“ニュースリリース”と呼んでいます。しかし、近年ではウェブ上で公開するものも、プレスリリースと呼ぶ人びとや企業が多いので、大きな違いはないと考えてよいと思います。
2000年代には、次々にプレスリリース配信サービスが誕生しました。「PR TIMES」や「共同通信PRワイヤー」などがそうです。
ウェブ上に掲載するプレスリリースも、立派なウェブコンテンツです。マスメディアの人びとが読みにくるだけでなく、クライアントやエンドユーザーも見ることができ、さらにはウェブ検索結果内にずっと残っていきます。プレスリリースというコンテンツを「長く残るもの」だという前提でつくりこむことで、中長期的な資産にすることができるのです。
大手のプレスリリース配信サービスでは、毎日、何百本ものプレスリリースが配信されています。そのため、配信サービスが公開しているサイト自体のSEO は強く、検索結果の上位に表示されやすいという特徴もあります。
プレスリリースは、書いて配信したら終わりと思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、検索結果内の残ることを意識してキーワードを選定したり、マスメディア以外のターゲット設定をしたりという工夫がとても重要。ぜひ、これを念頭にコンテンツ制作をしてみてくださいね。
<関連情報>
・Cannpassイベント情報(Peatixページ)