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釣り人語源考

スズキ

2022.06.13 10:25

由来としては諸説多々有るがどれも決定的ではなく難解とされる。

一般的に貝原益軒による「すすいだ様に身が白いから」説が有名である。

だが、白身の魚はそれこそ何千とある。

スズキの特徴とまでは言えないのである。


ここはあえてスズキに似たような名前の語源を調べてみよう。氏名の「鈴木」と鳥の「スズメ」である。

鈴木氏の興りは紀伊國熊野神社の穂積氏からの分家とされる。「穂を積む」とは稲を収穫して水分を取るために家形に高く稲穂を積み上げて乾燥させる事である。

湿気の多い紀伊半島地方では地面に置かず木を組んで稲穂をはせる。その木組みの事をスズキ(鈴木)と言う。それが鈴木氏の由来である。稲穂を鈴に見立てているのが分かる。


スズメの語源は「スス(小さい)メ(鳥)」とされる。しかし小さな鳥はまた何百種もある。

スズを稲穂の事だとすると、「稲穂を乾かすとやって来て食べちゃう鳥」という意味になる。まず間違い無いだろう。

古代日本において稲穂を振って「シャラシャラ」と音を立てる事はとても神聖な行為だったのではないか。日本人の命とも言える大事な米、実った稲穂を振って神に感謝する。それが神社の本坪鈴を鳴らす習わしとなり、大幣を振ってお祓いする事となった。

シャラシャラと涼しげな音を出す川を鈴川や五十鈴川と命名したり、神楽で巫女が持つ鈴だったり、"稲穂=鈴"という図式が成り立つ。

「すず-く」という言葉は「細かく振る、シャラシャラと音を出す」という意味となるのではないだろうか。


さて釣り人目線でスズキを見てみよう。

スズキは言わずと知れた"出世魚"である。

セイゴ・フッコ・ハネ・スズキと、成長によって名前が変わってゆく。

釣りとなると出世した奴はもはや別物となるのは説明不要だろう。

もしかしたら「どんな風に釣れたか」で名前が決まるのではないだろうか。

「勢いよく走る・勢子(セイゴ)」

「振るように走る・振子(フッコ)」

「釣れると跳ねる・跳ね(ハネ)」

間違いなく語源はこうだ。

ではスズキは釣れるとどうなるか。

もちろん「頭を振りつつ大ジャンプの"エラ洗い"」が最大の特徴だ。

「釣るとエラ洗いする魚」これがスズキの由来だろう。

スズく魚…頭を振って音を出す魚…

もうこれ以外にない命名だ。