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マヤ

『W旦那+(プラス)』第66話 三代目妄想劇場

2017.11.15 07:02

臣は隆二の右側に座り、両手で毛布を持ち、隆二を包み込むようにしている。



オードブルの皿は隆二の左前方にある。



隆二は左肩を毛布の外に出していて、臣の左手は毛布ごと隆二の左腰に添えてあって、寒くないように、ずっと上下に擦っている。



二人で毛布にくるまっている姿は、まるで恋人同士のようだ。



隆二が箸でローストビーフを口に入れる。



それを見て、隣で臣があーっと大きな口を開ける。



隆二(ずっと毛布持ってなくても、自分で取って食えばいいのに…)



仕方なく箸で摘まんだビーフを、臣の口に持っていく。



臣がまた口を尖らせ、オードブルの中の物を見て、隆二に取ってくれと合図を送る。



隆二(また…)



これ?…と、スモークサーモンを指差す



首を横に振る臣。



これ?…とクラッカーの上にチーズが乗っているのを指す。



臣がうんうん…と首を縦に振る。



隆二(手、使えばいいのに…)



チーズの乗ったクラッカーを左手で取り、臣の口元に持っていくと、隆二の指ごと唇でパクッと包んだ。



隆二(指まで食うなよ…)



何とも言えない幸せそうな顔をして、臣がモグモグやっている。



隆二がビーフを食べていると、また臣が顎をくいくいっとさせて、ペットボトルに目をやる。



隆二(もう…手がかかるったら…)



横目で臣を見ると、口をタコのようにすぼめている。



ペットボトルを口まで持っていくと、ストローに吸い付き、旨そうにドリンクを飲んだ。



隆二(俺のこと、いつも子供扱いするけど…自分だって…)



またビーフを口に入れる隆二。



耳元で臣が囁く。



「お前…肉ばっか…」



隆二「……」



隆二は臣を見ながら何も言わず、またビーフを口に放り込む。



臣が「シェア…」と、耳元で囁く。



肉をモゴモゴしながら、臣の方を一度も見ないで、グラスに入ったポッキーを3本手に取り、臣に食べさせる。



臣は3本一気にポリポリと食べ、また隆二の指まで舐める。



隆二「……」



見ると、臣の口周りにチョコが付いている。



隆二は何も言わず、おしぼりを手に取り、臣の口を拭く。



完璧…とでもいうかのようにウインクする臣。



隆二(こいつのして欲しい事が解る自分が怖いわ…)



臣が何も言ってないのに、ペットボトルを取り、ドリンクを飲ませてやる。



臣は、しばらくゴクゴクと飲み、ストローを離し、あー…満足…とでも言ってるような顔をして目を閉じた。



End