物を手放すことに対する不安と恐怖
https://minimalist-fudeko.com/not-knowing-where-to-start/ 【物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。】より
物を捨てることに対して不安や恐怖を感じていると、不用品でも捨てることができません。
どんな不安や恐怖を感じているのか、具体的に認識できれば、恐れている気持ちとうまく折り合い、回避できるようになります。
いらない物も、さくっと手放せます。
これから、よくある不安や恐怖を具体的に紹介します。参考にして、ご自身の恐怖の正体を突き止めてください。
初回は、断捨離の悩みでよく聞く、「どこから手をつけたらいいんだろう?」という不安を考えてみましょう。
どこから手をつけたらいいのかわからない
「何から捨て始めたらいいんだろう」「どこから片付けたらいいんだろう」「何をどうしたらいいんだろう(もんもんもん)」
「やり方がわからない」、という不安が大きくて、スタートできないことがあります。
足の踏み場のないような汚部屋だと、こんな気持ちになるのも無理はないかもしれません。
何から捨てても結果に大差はない
このような人におすすめしたいのは、とりあえず、何でもいいから捨て始めて、捨てることに慣れることです。
というのも、べつに何から捨て始めたとしても、せっせと捨て続ければ、「スッキリした部屋」になるからです。
私の娘が汚部屋の住人だという話は、数年前に書いていますが、一人暮らししている今も、わりと部屋を散らかしています。
引っ越しする前の家では、まだましでしたが、この夏、引っ越してから、ひどくなりました。
間取りが変わり、デスクを置かなくなってから、今までデスクについていた棚や引き出しに入れていた物の置き場所がなくなったせいで、ダイニングテーブルやコーヒーテーブルの上が、いつ行っても物だらけです。
キッチンの床も、床置きしている物だらけ。
娘は仕事で忙しいため、夏に引っ越してから、まだ完全に、荷解きを終えていないのに、このありさまです。
私は、ふだん、物を捨てる話ばかりブログに書いているので、こういう惨状を見ても、わりとすぐに、「片付ける手順」が頭の中に浮かびますし、その手順に従って、どんどん片付けることができます。
しかし、長年、不用品に埋もれている人は、こういう思考や行動ができません。片付けたことがなく、経験値がほぼゼロだからです。
そのため、「何からやったらいいの?」と不安になってしまうのです。
この質問に対する答えは、「べつに何から捨てても結果に大差はない。なんでもいいから今すぐ捨てなさい」となります。
捨て続ければおのずと結果はついてきます。
少しずつ片付ければOK
物の量に圧倒されて、「何からやったらいいんだろう」と不安にかられることがあります。
あなたの部屋には、「うわ~っ!!」と叫びたくなるほど、たくさんの物や、うんざりするほど、ごちゃごちゃしたエリアがたくさんあるかもしれません。
しかし、相手は物に過ぎません。
いきなり飛びかかってきたりはしないので(ちょっとした振動で、崩れ落ちる危険はあります)、「あ、物がたくさんあるかもね」ぐらいに思っておけばいいのです。
「うわ~っ!」という叫び声をも引き起こすその恐怖は、あなたが、心の中で作っているだけです。
どんなに部屋がカオスになっていようとも、そこにあるのは1つひとつの物の集積です。
1つひとつ捨てれば、スッキリ空間に近づいていきます。
「15分で27個捨てましょブギ」を続けて気づいた「捨てる」最大のコツとは?~ミニマリストへの道(30)
完璧なやり方も正解もない
物の量に圧倒されていなくても、「どこからやったらいいのかしら?」と不安になる人がいます。
なぜでしょう?
この世界のどこかに、とても効率がよくて、どんな人でも短時間で、どんどん片付けられる完璧な片付け方があると、信じているからではないでしょうか?
私たち人間は、どんなことも、上手に(できれば完璧に)やりたいと思いがちです。断捨離に関しても、完璧なやり方をしたいと思っています。
どうしてこう思ってしまうのか?
いくつか理由が考えられます。
・もともと完璧主義的傾向がある
対処法⇒完璧主義を克服する7つの具体的な方法。
・何でもうまくやらないと気がすまない、初めてやることでもいきなりうまくやりたい
・下手な断捨離をして、時間や体力を無駄にしたくない
・失敗すると体裁が悪い、他人によく思われないのがすごくいや(人の目を気にする人は、べつに誰も見ていないのに、誰かに見られているという幻想の世界に入り込みます)
こんな気持ちから「上手にやらなきゃ」と思ってしまうのでしょう。
「上手にやらなきゃ」とか、「すばらしい成果をあげなければ」という気持ちが強い人は、失敗を避けようとするので、いつまでたっても開始できません。
スタートしなければ、絶対失敗しませんから。
もしあなたがこのタイプなら、「完璧なやり方など、どこにもない」ことを受け入れてください。
実際そうですよね?
世の中、片付け本や、収納・整理のアドバイス本がいろいろと出ていますが、それらの本に書かれている内容で、万人に効くユニバーサルな法則といえば、「不用品は捨てましょう」ぐらいです。
不用品を家の外に出すことさえできれば、やり方はどうでもいいのです。
部屋の片付けは時間をかける価値がある
「時間や体力を無駄にするのがいやだ」という気持ちのせいで、「完璧なやり方」にこだわっているなら、「部屋の片付けは時間をかける価値がある」と考えてください。
物がたくさんあり、部屋がくしゃくしゃだと、ものすごく管理にリソースを使うことになります。
(「え、そうなの?」という人は、過去記事を2021年の分だけでもいいので、全部読んでください)。
リソースとは?⇒私たちが持っているいろいろなリソース~たっぷりあるから、そんなに買わなくても大丈夫。
今、少しがまんして、1日15分だけ、不用品の片付けにあなたのリソースを投下してみてください。
1年後にはとても暮らしやすくなっていると思います。
15分できないなら、1分でも3分でもいいです。
私は、3年前から、「参考書チャレンジ」というフランス語の参考書や問題集の積ん読をクリアするプロジェクトをやっています。
詳しくはこちら⇒物を減らすと悩む時間も減って、気楽に生きられるようになります。
食事のあとの30分を、参考書を読む・問題を解く時間にあてていますが、この30分を確保できないことがままあります(フランス語の勉強は趣味なのに、塗り絵やYouTubeの視聴など、楽なほうに流れます)。
3日以上さぼってしまったときは、5分でも8分でも時間があるときに、参考書を開くようにしています。
すると、亀の歩みのように、スローではあるものの、少しずつ、積ん読の山が低くなっています。
汚部屋の片付けもこれと同じです。
15分時間が取れないときは、30秒でもいいから捨てる作業にあててください。
不用品を捨てるのは、勉強と違って、頭を使わないから、そんなにおっくうではないでしょう。
☆この続きはこちら⇒だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)
☆関連記事もどうぞ⇒汚部屋すぎて、どこから始めていいかわからない人に伝える片付けの始め方。
こちらもどうぞ⇒不安や恐怖のせいで物が捨てられない。恐れる心とうまくつきあう方法
お知らせ:着ない服を増やさないコツ(エッセオンライン)
エッセオンラインに新しい記事がアップされました。
今回は買い物に関する記事です。服の増殖が止まらない人・止めたい人におすすめです。
⇒60代ミニマリストが実践。「着ない服」を増やさない4つのコツ | ESSEonline(エッセ オンライン)
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部屋が物だらけだから、少しでもスッキリさせたくて『筆子ジャーナル』を読んでいる。
そんな読者も多いと思います。
記事を読んでいるけれど、今年も断捨離に着手できなかった、ほとんど何も捨てることができなかったという人も、いるでしょう。
きょうの記事は、そんなあなたのために書きました。
口では「断捨離するよ」と言いながら、本心では、物を捨てる気はさらさらない。
こんな人はスタートできなくて当然です。
しかし、もっとシンプルに暮らしたいと、心の底から思っているのに、なかなか片付けられないとしたら、物を捨てることに対して、不安や恐怖があるからだと思います。
自分が感じている不安や恐れについて、じっくり考えてみてください。
https://minimalist-fudeko.com/fears-of-reflecting-on-yourself/ 【だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)】より
不用品の片付けや断捨離を無意識に避けてしまう心理の背後にある不安や恐怖を取り上げて、一つひとつクリアしていくシリーズ。
今回、取り上げるのは、
片付けをすると、嫌な自分、だめな私、過去の失敗に直面してしんどいことになりそうだ、という不安です。
どこまでも悪いセルフイメージ
汚部屋に住んでいる人の多くはあまりセルフイメージがよくありません。
どちらかというと、自分を否定し、悪くとらえています。
たとえば、
・こんな物だらけでぐしゃぐしゃの部屋、とても人に見せられないわ。突然誰かが来たら絶対ドアを開けられない
・他の人は、ちゃんと家をきれいにしているのに、なんで私はできないんだろう
・片付けるべきだけど、今日もできなかった。こんな簡単なことができないなんて、私はなんて愚かなんだろう
・こんなにいろいろ買ったのに、ただためこんでいるだけ。こんなもったいないことしている自分は、どこかおかしいんじゃないのかな?
こんなふうに、自分に対して、かなりネガティブな見方をしています。
だからこそ、少しでも片付ければ、自信がついてセルフイメージがよくなりますが、ネガティブ感情が強すぎると、「片付け」と聞いただけで、底なし沼の中に落ちていきそうな気がして、片付けに着手できません。
耳が痛すぎて私のブログの記事を読めないとか、お母さんに怒られている気がする、というメールをもらうことがありますが、そういうふうに感じてしまうのも、自分のことをあまり評価していないからです。
ガラクタはよくない自分の象徴か?
汚部屋や片付けに対してマイナス感情をもっていたら、片付ける気になれないのは当然です。
ガラクタを見るたびに、「だめな自分」を思い知らされるのですから。
誰だって、いやな自分、愚かな自分、まずかった決断(失敗)に向き合いたくありません。
ほめられるとうれしいのでもっと言ってほしいけど、けなされるのは嫌ですよね?
私たちは、北風には吹かれたくない、できれば心地よい春風に当たりたいと思っています。
自ら北風の中に飛び込むような断捨離なんてやりたくないのです。
中には、「修行として」取り組む人もいますけど。
もちろん、ガラクタは何も言いません。何も言いませんが、自己肯定感の低い人は、ためこんだ物を見ながら、いちいち自分を責めます。
それはしんどいことなので、捨てる作業を後回しにしてしまうのです。
こんなときは、どうしたらいいのでしょうか?
考え方を変えれば、ぐっと断捨離のハードルが下がります。
べつに自分は悪くない、と思えばいい
物をたくさんためこんでしまったことに、強いネガティブ感情を感じているときは、「別に自分は悪くない」と、いい意味で開き直ってください。
なぜ、こんなに不用品をためこんでしまったのか?
自分がなまけものだから、だらしないから、掃除が下手、経済観念がない、こらえ症がないから(欲しい物をがまんできない)、そもそも私が欠陥品だから、と思うかもしれませんが、そうではありません。
物をためこむ一番の理由は、あなたが人間だからです。
ほかの動物は、今を生きています。
しかし人間は過去や未来のことを後悔・心配しながら生きる脳力があります。
人間は高度な脳を持ち、時間の観念があり、起きるかどうかわからないことに対して、みょうにリアルに心配し、もう使い終わったものに対して、「そのうち使うときが来るかもしれない」と期待し、ほかの人の仲間に入れてもらうために、物で自分を演出したりします。
すぐにドーパミンが出る行動にとても弱く、買い物も大好きです⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
スマホをいじったり、ジャンクフードを食べるのも大半の人が大好きで、嫌いな人は、むしろ少数派です。
その証拠に、物をたくさんためこんでいる人はたくさんいます。
自宅がガラクタだらけなのは、あなたが人間として生まれてしまっからなのです。
この部屋にいっぱい物があるのは、特に私に問題があるのではなく、私が人間だからなのだ、と考えてください。
ジャッジしない
次に、物を捨てるときに、いちいち自分の行動や自分自身をジャッジしないでください。
私たちは必要以上に自分を責める傾向があります。
その理由⇒自分自身の親友になる技術(TED)
不用品を捨てるときは、いちいち自分を責めず、批判的にならず、淡々と捨ててください。
ジャッジしたり、恥じたりしても、何の助けにもなりません。
「なんてだめなやつなんだ、私は」と思ったからといって、目の前からガラクタは消えないし、過去の行動が変わることもないし、部屋がどんどん片付くわけでもありません。
いやな気分になり、自己肯定感がさがるだけです。
もちろん、過去の行動から学ぶことは必要です。
「あのとき、こんな物を買わなければよかったな。そうすれば、今ごろも片付けなんかにしんどい思いをすることはなかった」。こんな気づきがあれば、あくまでも、一つの気づきとして、心の中のメモ帳や、リアルのメモ帳に書いておくといいでしょう。
自分を責めることと、気付きをメモしておくのは全く違う行為です。
まあ私も、「なんでこんな物を買ってしまったのだろう。馬鹿だなあ」と思ったことは何度もあります。
今朝も、「こんな塗りにくい塗り絵本に、こんな使いにくいマーカーで毎日色を塗る行為は、まるで過去の行為の罪滅ぼしのようだ」と感じながら、フッと苦笑いしました。
しかし、だからといって、私は自分のことはそんなに責めません。
「ま、いいか、このこと、ブログに書こう」と思って、今、実際に書いています。
私はどちらかというと、転んでもただでは起きないタイプなのです。
考え方を変えれば誰でもそうなれます。
新しい生き方を学ぶと考える
自分を責めることが多く、断捨離に対して、負の感情を抱いているときは、ガラクタを「よくない自分の象徴」と考えるのをやめましょう。
そうではなく、「私に新しい生き方を教えてくれるありがたい物たち」、と考えてください。
あなたは人間ゆえに、これまで必要じゃない物をたくさん買いすぎて、使わず押入れにしまい込み、使い終わった物も捨てずに、やはり押入れにしまい込み、無料でもらった紙袋やタオル、タッパー、コスメのサンプルにも、ものすごく執着し、ろくに貯金しない人生を生きてきました。
そうするのが自分のためになると思っていたのです。
しかし、いつのまにかアパートは物だらけで、息苦しい部屋となり、貯金は全然増えず、宅配便のベルにおびえる日々(最近は置き配が多いと思いますが)。
物をたくさん買ってためこむのは、かえって自分のためにならないかもしれない、と思い、「筆子ジャーナル」を読んでいるうちにそれは確信に変わりました。
それならば、もっと自分のためになる生き方に方向転換すればいいのです。
あまり物を持たない生活は、これまで生きたことのない人生だから、いきなりうまくはできないと思います。
ちょっと失敗してしまうこともあるでしょう。
しかし、新しい生き方を学ぼうとしているからこそ、失敗するのです。
失敗するたびに、何かを学んでいます。
自分はだめな人間だと思うのはやめ、今、私はライフスタイルを正すために新しい生き方を学んでいる、と考えれば、「いやな自分に向き合うのが怖い」という恐怖や不安を感じなくてすみます。
それどころか、もっといい未来に対する予感があふれてきて、うれしい気分になるでしょう。
https://minimalist-fudeko.com/fear-of-failure/ 【失敗するんじゃないか、という心配:物を手放すことに対する不安と恐怖(その3)】より
なかなか断捨離をスタートできない人が感じている不安や恐怖をひもといています。
今回は、
私にはうまく片付けることができないんじゃないだろうか、
この不安を見ていきましょう。
「昔から、私は捨てるのが苦手だし、やってもどうせ失敗するんじゃないかな」と無意識に思っていると、なかなか片付けに着手できません。
スタートしなければ、失敗しっこないですからね。
この不安のせいで、スタートできないときは、以下の4つを試してください。
1.失敗を具体的に定義する
不用品を捨てるのに、失敗するも成功するもありません。
ただ、いらない物を捨てるだけですから。
ゴミを捨てるのは幼稚園児だってできると思います。
しかし、「うまくできないんじゃないかな?」と心配している人は、なんらかの「失敗」や、「うまくできない状態」が訪れるのを恐れています。
その失敗は、具体的にどんな状況なのか、言葉にしてください。
30日間チャレンジで、毎日1個ずつ捨てることにしたのに、途中でやらなくなって、「ああ、やっぱり、私って三日坊主だ」と思うことでしょうか?
マット・カッツに学ぶ30日間で人生を変える方法~30日間チャレンジのススメ(TED)
服を買わない宣言をしたのに、やっぱりたくさん買ってしまって、家族に、「あ、また、買ったんだね」と言われることでしょうか?
毎日せっせと捨てても、ずっと汚部屋のままでいることでしょうか?
まだ捨て始めていないので、汚部屋のまま、というのは、本人が勝手に想像していることにすぎません・
うっかり大事なものまで捨ててしまうことが心配なのでしょうか? この場合は、あわてずに、ゆっくり少しずつ捨てれば失敗しません。
何かを捨てて後悔するのを心配しているのなら、後悔に対する考え方を変えることで対処できます。
物を捨てて後悔したというけれど、それが何だっていうの?
自分の考えている「失敗」を具体的な言葉にしてみると、
・たとえ失敗しても、誰かに迷惑がかかるわけではない
・人に宣言しちゃうとちょっと体裁が悪いだけだ
・少しずつ丁寧に作業すればいいのだ
・新しい価値観(物や生活に対する考え方)を採用すればいいのだ
こんなことに気づくので、安心して、先に進むことができます。
2.失敗するはずがないものから片付ける
写真などの思い出品や、愛着のある子どものもの、趣味のもの、高価なものは後回しにして、誰がやっても失敗するはずのない片付けから始めてください。
たとえば、財布やバッグの中身の片付け。
やましたひでこさんもすすめている財布の断捨離⇒ミニマリストの財布の中身をすべて公開~50代節約系主婦の場合(写真あり)
バッグの中身の見直し⇒重いバッグは肩こりとストレスのもと~バッグの中身の断捨離は欠かせない
財布やバッグの中には、実用品だけが入っているでしょうから、ゴミやもういらない物を発見して捨てるのは簡単です。
どんなに片付けが苦手でも、間違ってお金を捨てる人はいないでしょう。お金とふつうの紙切れは明らかに見た目もさわった感じも違います。
もともと自分で好きで買ったわけではない、無料のサンプルやおまけを捨てる作業も、失敗しようがありません。欲しくて手に入れたのではないのですから。
ものすごく数がたくさんあって、8割ぐらい減っても、全く態勢に影響のない物を捨てるのもおすすめです。
このように毎日、一つずつ、「失敗がありえない片付け」を探して、不用品を捨ててください。
だんだん、自分が思っている、「断捨離の失敗」が明らかになるし、その失敗はべつに失敗でもなければ、恐れるに値することでもないんだ、とわかるでしょう。
貴重な気づきを忘れないために、日記や手帳に、片付けをして感じたことや、気づいたことを書き留める習慣をつけるといいですよ。
3.最悪のシナリオを考える
大事なものも、そうでないものも、ごっちゃに床や机の上にのっている私の汚部屋。
この部屋の片付けを開始すると、自分にとっても大切なものをうっかり捨ててしまうかもしれない。そんな失敗はしたくない。
これが、あなたの恐れていることなら、仮に、大切なものを捨ててしまったとき起こる最悪のシナリオを考えてみましょう。
実は、私が、不用品を捨てたら、いいことばかり起きたので、最悪のシナリオは思いつきません。
そもそも、その「大切なもの」って何でしょうか?
それが、本当に大切なら、どうして、何年も雑多な物の集積の中にまぎれたままなのでしょうか?
どうでもいい物と一緒に、その「大切なもの」を捨ててしまったら、いったいどんな大変なことが起こるのか?
これまで、その「大切なもの」は、部屋のどこかに埋もれていましたが、あなたはふつうに生活することができていました。
その「大切なもの」をうっかり捨ててしまって起きる最悪のシナリオは、何でしょう?
2度と使うことができないこと?
2度と見ることができないこと?
生活が著しく不便になること?
何かを損すること?
実際それが起きたとして、あなたの人生がどうなるのでしょう?
べつに、何も変わらないんじゃないですか?
むしろガラクタが減って、生活しやすくなっていると思いますよ。
こんなふうに、私は思うわけですが、失敗を恐れている人は、何か最悪なことが起きる予感がしていると思います。
それを言葉にしてください。
そして自問しましょう。
「これが本当に起きたとして、それはこの世の終わりなのか?」と。
相手は物にすぎないので、そこまで最悪なことは起きないと思います。ですが、もし、「本当に、本当にすごく最悪なんだ」と思うシナリオがあるなら、ぜひ、私にメールで教えてください。
4.失敗したポイントで止まらなければいい
失敗をそんなに忌み嫌わないでください。
失敗すると、いい気分はしませんが、失敗は、人にたくさんのことを教えてくれます。
人は、うまくいっている状態からは、なかなか学ぶことができません。
成功は、むしろ、慢心を引き起こします。
ですから、失敗は、ありがたいことなのです。
しかも、失敗した状態で止まると、それは失敗のままですが、その失敗から学んで、別のやり方でまた取り組んでみると、失敗は、「成功するためのプロセスの1つ」となります。
「失敗してもいい、そこから学んでまたやり直せばいいんだから」という考え方を採用してください。
人間は、もともと失敗から学んで成長するようにできていると思います。
赤ちゃんや幼児は、寝返りや立つこと、歩くことを失敗しても何度もやり直して、そのうちできるようになります。
絶対途中であきらめませんよね?
小さい子供は、「失敗すると人から笑われる」という観念がまったくないので、えんえんと楽しみながらチャレンジします。
私たちもこの態度を見習うべきではないでしょうか?
☆この続きはこちら⇒嫌な思いをしたくない:物を手放すことに対する不安と恐怖(その4)
これまでに書いた記事はこちら。
物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。
だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)
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失敗を恐れて始められないときの対処法をお伝えしました。
その1でも、書きましたが、完璧主義の人は、失敗を恐れがちなので、完璧主義を手放すのもおすすめです。
完璧主義を克服する7つの具体的な方法。
断捨離に限らず、人生は、失敗しながら進むものです。
仕事や家事、趣味、その他で失敗や間違いをしない人はいないし、失敗するのはあたりまえのことです。
それなのに、こと断捨離に関してだけ、「失敗したくない」「捨てて後悔したくない」「一度に完璧に捨て切らなければ」と肩に力が入ってしまうのはなぜなのでしょうか?
そう思っていれば、断捨離に着手しなくてもすむ(つまり不用品とお別れしなくてもすむ)からかもしれませんね。
私の経験では、捨てるのに失敗しても、致命的なことは起きません。安心して、捨てる活動を始めてください。
https://minimalist-fudeko.com/fear-of-being-discomfort/ 【嫌な思いをしたくない:物を手放すことに対する不安と恐怖(その4)】より
断捨離をはばむ得体のしれない不安や恐怖を1つずつチェックしています。
不安や恐れがあると、「部屋をきれいにしたい」と口で言いつつも、実際は、断捨離を始めず、不用品を捨てることを先延ばしします。
今回は、「嫌な思いをすることに対する恐れ」です。
嫌な気持ちになりたくない
断捨離にまつわる嫌な気持ちはいろいろありますが、たとえば、
断捨離すると面倒なことになりそう、すごく大変そう、心が痛みそう、多大なる努力を強いられそう、夫に何か言われて不愉快な気分になりそう、あやまって捨ててはいけない物を捨ててしまいそう
こんな気持ちです。
一言で言うと不快感、または居心地の悪さ。
不快な気分になりたくないので、人は片付けを先延ばしします。
実は、不用品を処分せず、そのまま汚部屋にいても十分不快です。しかし、その不快さには意識が向きません。
これから感じそうな不快感を避けたいのです。
まだ感じていないから、その不快感に対する恐怖は、どこまでもふくらみます。
断捨離に限らず、「嫌な気分になりたくない」から、嫌な気分になりそうなことをするのを避けることはよくあります。
もらい物をはっきり断れないのもそうです。
きのう、備蓄の話を書きましたが
私が備蓄している物。こんな工夫をしています。
物をストックしすぎる人は、「必要になるかもしれないから」という気持ちより、「必要になったとき、ストックがないせいで嫌な感情(困惑や心配など)を感じたくないから」という気持ちのほうが大きいと思います。
しかし、嫌な気分になるのを避けていたら、新しいことは何1つできません。
不快な気分を避けることにエネルギーを注ぎすぎて、肝心の断捨離を始められない人は、以下の4つを試してください。
1.嫌だと思っていることを紙に書いて検証
断捨離をすると、どんな嫌なことが起きるのか、そのとき、どんな気持ちになるのか、そういう気持ちになったとして、その結果、自分の人生に何が起きるのか、紙に書いてください。
おすすめはブレインダンプです⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
モーニングページでもいいですよ⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
モーニングページ、いつもブログを読んでいる人には耳たこだと思いますが、知らない人もいるので、今回も書きます。
というのも、きのう、モーニングページを知らない人から、ご相談のメールをいただいたのです。
この方、初めてブログにアクセスして、すぐに私にメールをくださったそうです。
まあ、そういうこともありますよね。
検索からアクセスした人は、私が、「人生相談は、モーニングページを半年書いてから送ってください」とブログに書いていることなんて、知るよしもありません。
というわけで、モーニングページを知っている人も知らない人も、避けたいと思っている感情や、その感情を引き起こしそうな出来事をどんどん書いてください。
書いてみると、「う~ん、別に恐れるほどのことはないよね」と思うんじゃないでしょうか?
恐れたとしても、その恐れにどう対処するべきかは、過去記事にたくさん書いています。
2.大げさに考えすぎない
高かったあの服を捨てると、私の人生終わるんじゃないか、読まずに、ずっと取ってある古い日記帳を捨てると、大事な青春の思い出がすべて消えてしまうんじゃないか、押入れの中にある新品のタオルを捨てちゃうと、あとで必要になったとき、買うお金がなくてみじめな思いをするんじゃないか?
こんなふうに、これから起こるかもしれないことに対して、今から過剰反応しないでください。
そもそも、まだ何も起きていませんし、起きたとしても、そんなふうに根底から魂を揺さぶられるような衝撃はたぶんありません。
私は、すごくたくさんの物を捨てましたが、その後、強く後悔したことも、自分の存在意義がぐらついたことも、目の前がくらくらするほど、恐怖を感じて、心臓がドキドキしたこともありません。
「あ~、捨ててスッキリした! もっと早く捨てればよかったね」と思ったぐらいです。
人間は、日々の生活がいつもと同じように進み、予測可能な状態にある時は安心しています。
少しでも、「いつもとちょっと違うこと」や、「どうなるかわからないこと」が起きたり、起きそうな予感がすると、とたんに不安になります。
それはもう簡単に動揺します。
しかし、大きく動揺しても、その状況に慣れてしまうと、平気になります。
今度はその状態がデフォルトとなるので、それと違うことが起きそうになると、動揺します。
このように、私たちは、「いつもと違うこと」に対して、すぐに動揺するようにできているので、不安になっても、「まあ、いつものことだわね」と思って、おおらかにかまえてください。
3.コンフォートゾーンから出る練習をする
予測可能な状態にいるのが好きな人間にとって、何が起きるのかわからない人生を生きるのは、決して楽ではありません。
ですが、人によって、いつも不安をかかえながら苦しみつつ生きている人もいれば、私のように、「なるようにしかならん」とのんびり生きている人もいます。
もし、あなたが、ちょっとしたことですぐに不安になり、嫌なことを避けようとする傾向が強いなら、コンフォートゾーンから出る練習をしてください。
コンフォートゾーンは、自分が安心していられる場所や状況です。ぬるま湯とも言えます。
こちらで説明しています⇒いつまで続けるの? 部屋がきたない人の3つの困った特徴。
ぬるま湯にいるのが好きで、汚部屋から抜けられない人は、あえて、自分を居心地の悪い状態に置くようにしましょう。
それは他ならぬ自分のためです。
意識して、自分に負荷をかけていると、予測不能のできごとが起きても、大きく動揺せず、その状況を「自分を成長させてくれるチャレンジだ」と肯定的に捉えられるようになります。
そもそも、不快な気分や、居心地の悪い状況に身を置かない限り、現状は変わらないし、自分の成長もありません。
楽な道ばかり選んでいても、求めているものは得られないのです。
いつもと違うことをすれば、それがコンフォートゾーンを出る練習になります。
食べたことがないものを食べる、やったことがないことをやる、いつもやっていることでも、ふだんと違う方法でやったり、違うツールをつかってやってみるなど。
始める前に、少しばかり、抵抗を感じることをするといいでしょう。
日本人におすすめのコンフォートゾーンを出る練習は、人と違うことをしたり、わざと目立ってみたりすることです。
たいていの日本人にとっては、人と同じでいる状態が最強のンフォートゾーンですから。ふだん、ほとんど自己主張をせず、相手に合わせてばかりの人は、自己主張することが、コンフォートゾーンを出る練習になりますよ。
欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
このプレゼンでは⇒自分の能力を自分で見限ることの恐ろしさ、できると信じることの素晴らしさ(TED)
子どもたちが新しいことや、難しいことをするたびに(つまり、コンフォートゾーンを出るたびに)、脳に新しい神経回路ができて、次第に強化されていく、と言っています。そうやって人は成長します。
4.小さく始める
断捨離をすると、私を不快な気持ちにさせることが起きる気がする、それが何かはわからないけれど…… こんな漠然とした恐怖を感じているときは、とりあえず、小さく始めてください。
いきなり、大々的に捨てなくてもいいです。
きょうは、化粧ポーチの中を少しだけ片付ける、古い書類が綴じてあるバインダーを1つだけ整理する、洗面所の引き出しの1つの片隅(20センチ平方メートルぐらい)だけを片付ける、というように。
小規模な断捨離プロジェクトはこのシリーズでたくさん紹介しています⇒これで捨てまくる。「プチ断捨離シリーズ」記事の目次。
そうやって、少しずつ捨ててみると、不用品を捨てても、わりと大丈夫なことがわかります。
まあ、大丈夫に決まっています。
だって、もういらない物を家の外に出すだけなんですから。
何も恐れることはありませんよね?
☆このシリーズの過去の記事:
物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。
だめな自分に向き合うのが怖い:物を手放すことに対する不安と恐怖(その2)
失敗するんじゃないか、という心配:物を手放すことに対する不安と恐怖(その3)
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嫌な気持ちになることに対する恐れを克服する方法をお伝えしました。
これまで物をあまり捨てたことがない人が、断捨離という未知の作業を恐れるのは当然のことです。
恐れはあってもいいのです。
その気持ちは、そのまま受け入れてください。
その後、その恐れのために、不用品を捨てずにいるとどうなるか考えてください。
少しばかり抵抗があっても、いらない物は捨てたほうがいいと思います。