静かな待合室
先日2月10日、娘が先立ってから5年ぶりに、生前一緒に通院していた歯科医院に行くことができました。
待合室の内装にそれほど変化はなかったものの、コロナ禍が影響して、ちびっ子スペースのカーペットがシックなデザインのものに貼り替えられていて、玩具も絵本も撤去。
壁のテレビから最小の音が流れているだけの、とても静かな空間になっていました。
やはりコロナ禍対策で、診察が重ならないよう厳守、フロアに『見える人物』は入れ代わりで二人か一人。
――変わらないようで変わってしまったなぁ。
とても静かな空間でしたので、私の隣の椅子に無理なく娘 有ちゃんを、並べることができました。
瞬時に、見える姿で一緒に通院していたあの日に。
そこから一気に広がる記憶は、此処以外に、かつて一緒に通っていた病院の思い出たち。
歯科医院のみならず、外科、内科、皮膚科、眼科、耳鼻科、あとなんだっけ……
生まれて一週間後にミルクを吐き出して、母子ともに入院したな、原因不明だったけど。
そうだあのときも大変だった。
風邪で高熱、夜間救急外来。
一回二回じゃないよね(汗)。
点滴してくれる小児科外来も探し回ったっけ。
付き添って何時間過ごしたことやら。
お姉ちゃんに絵本を読んでもらったじゃない?
予防接種は怖くないよう抱っこしながら。
頑張った☆
水イボ治療は長期戦。
液体窒素に藻掻いていたよね!
バスケで突き指。
人気の外科医院に行ったから、随分待たされたもんだ。
バド部の練習中痛めた足の靭帯。
松葉杖は初体験だったんだよね。
足は完治したのに、心の傷と痛みは人知れず深刻化していったのかもしれない。
そうだ。
心の奥底まで診てあげることができなかったんだな。
ごめん………
ごめんよ。
*
この日、欠けていた前歯施術完了。
右奥歯の痛みは、変に力んだ歯磨きで根本が削れたことによる知覚過敏症。
(次回麻酔して治療開始(=o=;))
全歯石取りは、その後じっくりと、とのこと。
5年ぶり、恐る恐る向かった歯科医院では、地雷で吹っ飛ぶことはなく、逆に『支えてきた記録』を思い返すことができ、思いも依らずチョロッと自己肯定感が顔を出しました。
自責は勿論無くなりません。
時折胸を締め付けてはきますけれど、もう以前ほど無闇に暴れなくはなってます。
私なりに、有ちゃんの命を出来る限り支え、守ってきた記憶を、たくさん思い返すキッカケとなった通院再開。
続行です。
🎥映画『サイダーハウスルール』のアルバム。
その昔、子守唄代わりに子供たちに聴かせていた一枚。
良い夢を見れますように。
目覚めの良い朝をむかえられますようにと。
◆自死遺族の集い