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Baby教室シオ

提案『日本の魅力を知りEQを育てる』

2022.05.23 00:00

日本人のEQが世界で一番高いといわれることをご存知でしょうか。EQとは自分の感情を認識し自制する能力や他者を共感的に理解する能力のことを指します。『以心伝心』の言葉通り心のうちで思っていることや感じていることを文字や言葉を使わずにお互いの心と心が通じ合い、理解しあえていることをさします。日本人は昔から相手の思いや気持ちを汲み取り、相手を困らせないように配慮し行動することによって心遣いや労りなどの繊細な部分を大切にしてきた民族だと考えています。

ですが昨今は言葉にしなければ分からない、通じないということをあらゆる場面で耳にします。そのことも一理あると思いますが、子育てに於いてはどうしてもこのEQの高さを追求する子育てが必要であることは承知の事実です。今回は世界一と言われる日本人のEQがどのように育まれてきたのかを考えてみましょう。

日本人の心の内には物事を汲み取る気質が備わっているのではないかと思うくらいに配慮する文化があり、それは『あいまい』という形で存在しています。このあいまいは日本の国土や自然、独特な文化から生まれているのは確かであり、そのあいまいさが世界から賞賛される日本特有の美意識につながっているのです。

ここで考えてみましょう。乳幼児を育てるにあたり白黒はっきりと分けた子育ては大変苦しいものになります。大人の判断基準で是か非かと割り切ることで子育ては一気に悪循環を辿ります。大人の判断機銃は曖昧模糊にして明瞭化するのは子供の気持ちです。保育者がこうしなければならないと子育てに不要な基準をどこまであいまいにでき捨てることができるのかこれが鍵になります。日本人はこのあいまいさを持ち高いEQで子育てができるはずだと考えています。

日本には四季が明確でその時期ごとに美しい花が咲き乱れその花が散る様子を種類毎に表現する言語表現があります。例えば英語で散るはfallで表しますが、日本では『さくらは舞う』『牡丹は崩れる』『椿は落ちる』『朝顔はしぼむ』『梅はこぼれる』『紫陽花はしおれる』『薔薇は枯れる』花の様子を一つの単語で括るのではなく、花それぞれの様子を読み取り言葉を当てはめていくことや擬態語や擬声語の表現も日本独特で決まりがあってないようなあいまいさです。子育てに於ける表現も子供が感じ取ることができる自然界に目を向けると豊かな表現や発想に繋がります。

また日本独特の美意識には何もいらない、何もない、何もないからこそ美しいという引き算の感性が美意識に結びついた余白の文化を空間や絵画の中で多く見受けられます。余計なものを切り捨てた簡素で想像の余地を残すことは、日本の豊かな自然の中から日本人が長い年月をかけて読み取ってきた美意識に直結しています。真っ白な白銀の川べり描いた作品からはピンと張り詰めた冷たい空気感を感じるかもしれないし、今にも雪が激しく振りそうなどんよりとした様子だと思うかもしれない、少しずつ川の氷が解けぬくめいた様子なだ季節の移ろいを想像するかもしれません。鑑賞者により幾ようにも読み解く能力を次世代を担う子にも伝えるべきことだと思います。その美意識が何かを生む力になるのではないでしょうか。

日本人が『無』という美意識の他に不規則で不完全なもの、欠けたものや自然界に存在するありのままを受け入れて良しとする美意識も持ち合わせています。割れた茶碗に金継ぎをする美の意識と物を大切にする気持ち、古い着物をリメイクするなどはある種文化の継承でもあります。

日本人の素晴らしさは自然界に存在する厳しさ、清らかさ、美しさ、繊細さ、豪快さ全てを受け入れて風情として生活に取入れ愉しんでいることです。筍の季節だから筍ご飯を炊いてみたり、竹を割りそうめん流しをする夏、竹筒に秋の花を一輪挿したり、竹篭やざるに季節の室礼をし情緒的美意識を培い風情を味わうこともできます。

また自然から受けた印象を手仕事に反映させたり、伝統工芸美へと昇華させ洗練させ味わい深い優雅さを風流として愉しむことが脈々と続いています。また静寂で簡素な侘び、古さや枯れたもの愛す寂びをこよなく愛するしみじみとした情緒美を読み取ろう感じ取ろうとする心の動きを美徳としている内見の美意識に通じます。

日本国土の四季から発生する自然を美しいとする外見の美と心情から発する内見の美がEQが高い国民として外国から評価されているのだと考えます。日本の『あいまい』文化が批判や批評の的になることもありますが、私はそのあいまいこそが日本人の美徳に繋がると考えています。人との繋がりや優しさは乳幼児期に確りと育まなければ育たないものです。だからこそ日本の多くの自然に触れて日本の良い所、そうでない所を見てどうすべきなのかを考えることができる感性や人としての器の大きさを育ててほしいと考えます。

このようなことを育んだ後に知識学習として日本は四季に富んだ東西南北に長い弓なりの形をする国土で、国土の73%が山地で6800余りの島からなり海に囲まれ、雨や雪災害も多い・・・などを学んでいけばいいと考えます。日本の国土の特徴を子供に伝えたいと旅行を毎回立てておられる親御さんもこの2年のコロナ禍で中断されていますが、絵本や映像で種蒔きはできますので是非そのような機会を設けてほしいと考えます。

子供のEQは先ず自然の中に身を置いて感じることからはじめましょう。