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一号館一○一教室

中国の学習塾ではどのような教育が行われていた?

2022.02.20 11:14

 【質問】 

 日本でも中国の「塾禁止令」がニュースになっています。そもそも、そうした学習塾ではどのような教育が行われていたのですか? 

 【回答】 

この十数年間、塾業界は中国経済とともに、ハイスピードで発展してきました。中国では、幼稚園から高校までの生徒の75%以上が課外教育を受けていると言われます。 

 ところで、昨年7月以降、中国では1,200億ドル規模の民間教育の見直しが行われ、広告の規制や休日の授業の禁止などが試行されています。この新政策は、家庭の出費を軽減することで、生徒の負担を減らし、出生率を高めることを目的としているようです。 

 中国政府は7月24日、「小中学生の宿題を軽減し、学外教育の負担を軽減する」という「双減」方針を発表しました。小中学校が児童・生徒に課す宿題を細かく制限すると同時に、小中学生向け学習塾の新設は認めず、既存の学習塾は非営利団体として登記させるとしました。学校の宿題はともかく、学習塾は存在そのものが否定される形となりました。 冬休みと夏休み、オンラインとオフラインの補習を禁止することは、北京、上海をはじめとするいくつかの主要都市で試験的に行われています。「塾禁止令」は塾業界には衝撃的ものです。新しい規制により、課外補習を扱う機構の年間収益は70〜80%も減少するとみられます。 

30数年前、当方が大学入試に臨んでいた際、「高考補習班」がすでに存在していました。「高考」は大学統一試験のことです。当時、当方も「高考補習班」で一年間を勉強していました。夕方から夜までの勉強になり、確かに受験に役に立ちました。その年代の「高考補習班」は単純なカタチだと思います。現在の学習塾昔より学習形態や料金が多くなっています。 

 中国の塾には主に二つの教育内容を儲けられています。一つは進学指導の内容、日本では、普遍的に存在する進学塾は、中国では、「課外補習班」と言います。もう一つは、趣味についての勉強、歌、ダンス、スポーツなどなどあります。 

 「課外補習班」は、さまざまな科目を指導しており、学校教育の補完に相当します。具体的には、小学校、中学校、高等学校の国語、数学、英語、物理、化学、生物、歴史、地理、政治、美術、体育、音楽などのほか、一部の語学の授業や、コミュニティでのトレーニングや個別指導が必要な科目などがあります。 

 「課外補習班」が普及し、ほとんどの人が子供を通わせるようになりました。 中学受験と大学受験の競争がますます激しい現実の中で、親は子供が無残にも淘汰されないように、学習塾に通わせて他の子供と同じスタートラインに立つために、子供を学習塾に通わせなければならないのです。学習塾の高額な授業料を支払うために、各家庭は非常に大きな経済的負担を強いられています。 

 一方、生徒には、学校の授業や先生の課題、学習塾の授業や宿題への対応に加えて、疲労度は想像に難くありません。このような負担が重い学習は、学生の学習に対する興味や積極的に探求する好奇心を失わせ、学生は機械的に疲弊して「学習マシン」となり、考える時間、探求する時間、革新する時間が不足し、学習に対する興味や楽しみが失われてしまいます。 

 したがって、「塾禁止令」はある程度親たちと子供の負担を減らしたと言えます。中国の家計収入の大部分が住宅ローンや子どもの教育に充てられている現在、中国政府は子どものチュートリアルへのアクセスを制限することで家計の負担を減らし、出生率を高めることができると考えているのかもしれません。 

 しかし、教育分野は雇用の大きな割合を占めているため、失業者の数は不安定な要因となります。大手学習塾の新東方教育は1年前、すでに芸術関連のコースを追加し、科目別トレーニングの中心を移していました。これは、受験教育から教養教育への転換を意味しており、実際にそのような転換がかなりの効果を上げていると、みられます。