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マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ33)

2022.02.22 23:25

子供部屋に向かう途中、隆二は廊下の壁に手を這わせた。




無意識にそこを手繰り当てる。




あの魔物の襲来によって、壊れたドアの衝撃でできた壁の傷。




クロスで見事に修復してあるが、隆二にはそこがわかる。




「あ、ここだ」




「…臣、来て」




心の奥底から不意をついて出た願望に、驚いたのは隆二自身だ。




ハッとして壁から手を離した。




「誰を呼んだの?今…」




欲望をかき消すように、ブンブンと首を

横に振った。




子供部屋の方へ体を向けると、ドアの前に半べそをかいた乃愛が立っている。




「乃愛!?どうしたの?怖い夢でも見た?」




「ふぇ~ん💦」




「るーたん、抱っこぉ💦」




顔をくしゃくしゃにして泣きながら隆二に駆け寄る。




隆二は片膝をつき、まるで王子の様に小さなお姫さまを抱きしめた。






つづく