欧州委員会、「観光目標」を社会・環境・経済的影響重視へ
【USPジャパンの視点】
要約
① 欧州委員会は「Transition pathway for tourism」という報告書を策定した。
② 報告書では、「欧州では82%もの人がサステナブルツーリズムに関心を示していること」や「今後、オーバーツーリズムを防ぎ、より回復力のある観光モデルを構築していくためには地元住民の考えを反映させるべき」ということが強調されている。
解説
「旅行者数に頼る無責任な成長には戻らない」とする欧州の決意、日本はどうする…
新型コロナウイルス感染症は多くの負のインパクトをもたらした半面、時間を与え知恵を絞らせることで、人間に対して様々な領域で改善のチャンスをもたらした。
観光に関してもそうだ。
オーバーツーリズムに関しては2019年当時、各国とも決定的な改善策もないまま経済メリットを享受しつつ黙認してきたと言えるだろう。
具体性は感じられないが、欧州委員会の報告書はオーバーツーリズム問題に対して明確な意思を示したものだ。これだけでも大きな一歩だと言える。
人々が継続的に様々な国への観光を楽しむためには、多くの観光地に健全に存続してもらうことが必要で、そのために何ができるかということを日本も国策として示さなければならないのかもしれない。
【記事の概要】
欧州委員会は、これからの新しい観光業の指標として、従来の旅行者数や宿泊数などの統計から、観光業の社会的、環境的、経済的影響に関するデータに移行するように加盟国に求めた。これは、観光の実績を測定する際に、これまで以上に持続可能性に焦点を当てたもの。観光産業ニュース「スキフト(skift)」が報じている。
欧州委員会は、加盟国や主要な観光業者とともに、57ページにわたる「Transition pathway for tourism」を策定。観光における将来の道筋としてまとめられたもので、この中ではグリーンとデジタルへの移行を進め、観光分野での回復力と競争力をさらに高める必要があると指摘している。
また、報告書では、欧州では82%もの人がサステナブルツーリズムに関心を示していることから、サステナブルな旅行に対する消費者のニーズと需要を満たす必要があるとしている。
さらに、ヨーロッパ各地の観光局に対しては、今後、オーバーツーリズムを防ぎ、より回復力のある観光モデルを構築していくために、活動計画の策定やその取り組みの推進には地元住民の考えを反映させるべきだと強調している。
欧州委員会のこの報告書は、欧州旅行委員会の年次総会の最終日に発表。集まった各国の観光局は、この報告書で示されている勧告に従い、行動に落とし込んでいくことを確認した。
一方で、これまで欧州のほとんどの観光局が定量的なKPIを達成するためのツールやモデルで観光誘致を行なっているため、新しく示された指標をどのように機能させていくのか不透明だ。欧州全体での調整も必要となってくる。
欧州旅行委員会は、この指標の具体的な活用について積極的に関わっていく意向を示しているが、いつまでにできるのかは明らかにしていない。
欧州委員会も、この取り組みには調和の取れたデータ収集に向けて法律改正が必要であり、特定の指標を開発するための議論を進めてく方針を明らかにしている。
いずれにせよ、欧州の観光業にとってはターニングポイントになることは間違いない。この報告書は、パンデミック後に再び旅行者数に頼る無責任な成長には戻らないとする意思を明確にしたものだ。
【引用元】
https://www.travelvoice.jp/20220210-150638
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