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土の匂い

2022.02.23 08:20

三宝出版@sampoh_official

雨が降った後、公園や、森や林の木立の中で、突然、濃密な土の匂いに驚かされるのは、普段、私たちが「大地」の上に生きる存在であることをいかに忘れているかということの証でもあるでしょう。

詳しく知りたい方は、『12の菩提心』p113~をお読みください。

https://www.gla.or.jp/12bodaishin/#daichi 【「大地の心」】より

「大地の心」を求めるあなたは、「親の心」というものを想ってください。大地の恵み、大地の営みの豊かさは、「親」が子にかける愛情のように尽きることのないものです。その想いの深さが、すべての子どもたちが抱く可能性を信じ、開かせる大きな力になるように、あなたには、出会う人・もの・ことのすべてを受けとめ、その可能性を開くことを願う心が息づいているのです。


https://weathernews.jp/s/topics/202006/260095/ 【“降り始め”と“雨上がり”で違う!? 「雨の匂い」の正体は?】より

梅雨どきに傘を差しながら歩く街の歩道や、雨宿りで立ち止まる店の軒先などで、「雨の匂い」を感じたことはありませんか。ウェザーニュースでは「雨の匂い」についてアンケート調査を実施したところ、97%もの人が雨の匂いが感じていることが分かりました。

詳しく見てみると、「雨の匂いは好きですか?」という質問に対して、「好き」と回答した人が36%、「嫌い」が17%、「どちらでもない」は44%という結果に。

「好き」と回答した人のコメントをみると、「独特のアスファルト臭がなんか懐かしさを感じる」「降りたての埃っぽい匂いが好き」「土の香りなのか独特の匂いが自然の営みを感じる」と匂いの感じ方も色々あるようです。

本来、ほぼ100%が無味無臭であるはずの雨に、なぜ匂いを感じるのでしょうか。

匂いに詳しく、芳香剤をはじめとする化成品の研究開発・製造・販売に携わる京都リフレ新薬(京都府城陽市)に、「雨の匂いの正体」について伺いました。

降り始めに感じられる「石のエッセンス」ペトリコール

ひと口に「雨の匂い」といっても、その匂いの要因はいくつかあるそうです。

「まず一つ目は、雨が降っている際に、アスファルトから漂ってくる匂いです。これは、カビや排ガスなどを含むほこりが水と混ざり、アスファルトの熱によって匂いの成分が気体となったものです。

この匂いは『ペトリコール(Petrichor)』(ギリシャ語で『石のエッセンス』の意味)と呼ばれています。まず、雨粒が地面や植物の葉などに衝突したとき、微小な粒子を含んだ気泡(エアロゾル)が放出されます。次に、植物由来の油が付着したエアロゾルが乾燥した粘土質の土壌や岩石に当たった際に、それらがもつ成分がエアロゾルの中に取り込まれます。これが空気中に巻き上げられることにより独特の匂い、ペトリコールとなって、私たちが感じる『雨の匂い』になるのです」(京都リフレ新薬)

ペトリコールという言葉は、オーストラリアの鉱物学者イサベル・ジョイ・ベアーとR・G・トーマスが1964年、科学誌『ネイチャー』に発表した論文が起こりのようです。2015年にはアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが、落下する雨粒をハイスピードカメラで観察し、ペトリコール発生のメカニズムを解明しています。

雨がまだ降っていない場所でも、不思議と雨を感じさせる匂いがすることがあります。

「これは、雨が降っているところで匂いを取り込んだエアロゾルが、風などによって運ばれてきたことが一因と考えられます」(京都リフレ新薬)

雨上がりに強まる「大地の匂い」ゲオスミン

雨の降り始めの匂いとは別に、雨上がりの匂いもあります。

「『ペトリコール』がいわゆる“雨の降り始めの匂い”であるのに対して、“雨上がりの匂い”といえるのが、『ゲオスミン(Geosmin)』と呼ばれる匂いです。こちらは土中のバクテリアなどによってつくり出される有機化合物のカビ臭いような匂いで、雨水によって拡散します。

ゲオスミンは雨水が蒸発し始める際に匂いが強まるので、雨上がりに特徴的な匂いとして感じられるのです。なお、ゲオスミンとはギリシャ語で『大地の匂い』を意味します」(京都リフレ新薬)

ペトリコールやゲオスミンのほかに、雨を感じさせる匂いの成分として、O3(オゾン)もあるそうです。

雨の匂いを感じながら、その語源となった『石のエッセンス』や『大地の匂い』の言葉を思い浮かべてはどうでしょうか。ジメジメした梅雨どきの雨も、違って感じられるかもしれませんね。

» ウェザーニュース記事一覧


https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52289740/ 【嫌いじゃない。雨が降った後に地面から漂う独特のニオイの正体は?(オーストラリア研究)】より

 雨が降った後、独特の匂い(ニオイ)を感じたことはないだろうか?特に緑の多い自然の中、土に降った雨の匂いは、どこか心が癒されるものがあり、結構好きという人もいると思う。

 雨の匂いに癒されるのは、決して気のせいなどではないようだ。それはある生物をおびき寄せる、甘い誘惑であり、細菌の生存策略なのだという。

【雨の匂いの元は土の中にいる細菌によるもの】

 『Nature Microbiology』(4月6日付)に掲載された研究では、「ストレプトマイセス属(ストレプトミケスとも言う)」の細菌が放つ匂いが動物に与える影響を観察している。

 600種以上が属す放線菌最大のグループであるストレプトマイセス属は、土の中や腐った植物などに潜んでいる。

 その特徴は、「ゲオスミン」という土のニオイがする化合物を放出していることだ。

 ゲオスミンは雨上がりに特に空気中に舞い上がりやすい。だから、普段はあまり気がつかないかもしれないが、雨が降った後は私たちにも土の匂いが感じられる。これが雨の匂いの正体だ。人間は特にこのゲオスミンに対する嗅覚が鋭いのだという。

【土の匂いに引き寄せられるトビムシ】

 人間が雨上がりの土の匂いが嫌いじゃないように、この匂いが大好きな昆虫もいる。

 モナシュ大学(オーストラリア)の研究グループの観察よると、「トビムシ」という昆虫の近縁は、この土のニオイが大好きなのだそうだ。

 彼らは、触覚でその匂いを嗅いでは、ストレプトマイセスに引き寄せられる。そして、トビムシがそれを食べると、体には細菌胞子が付着する。そうした胞子は、トビムシが方々へ歩き回り、いく先々でフンをすることで拡散される。どうやらストレプトマイセスは、匂いでおびき寄せられたトビムシを利用して、自分たちの勢力を拡大させているということらしい。

 ストレプトマイセスの代謝物には結核の治療に用いられた最初の抗生物質「ストレプトマイシン」が含まれている。これはハエや線虫など、他の虫にとっては毒であるが、トビムシはこの物質を腸で解毒することができる。なので食べることができるのだ。

 このところ、家に閉じこもってばかりでいい加減イライラするという人も多いだろう。次に雨が降ったら、土のある場所に行き、その匂いを胸いっぱいに吸い込んでみてはどうだろうか。少しは気分が安らぐかもしれない。