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マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ34)

2022.02.26 15:00

「よしよし、乃愛…もう大丈夫だからね」




「るーたん、ぐしゅ…」




「オバケの夢でも見た?たっくんがお話したんでしょ?怖かったね」




「ふぇ~ん💦…違うの」




「ん?オバケの夢じゃないの?」




隆二の腕の中で、乃愛は両目をゴシゴシしている。




隆二は乃愛が手で目を擦り過ぎないように、自分が着ているTシャツの袖で涙を拭いた。




「違うの。結婚式の夢だったの」




「そーなんだ!誰と誰の?もしかして俺と乃愛?」




「ううん…」




「乃愛とね、陽翔くんのウエディングなの」




「え!?そうなんだ!なんだか嬉しいようで複雑だな」




「でね…るーたんと臣たんがね”なこうど”してるの」




「仲人?乃愛、難しい言葉知ってるね」




「夢の中でるーたんがそう言ったの。俺たちが乃愛と陽翔くんの仲人だよって」




「おめでたい夢見たね。正夢だったりして」




「グスン…」




「なのに泣いてるんだね」




「だってぇ…」




「陽翔くんはとっても優しくていい人だけど…」




「乃愛はまだるーたんのお嫁さんになる夢、諦めてないんだからね」




「うん、わかってるよ」




「ホントにぃ?わかってるの?るーたん…」




「ああ、乃愛がそう言ってくれてるうちが花だから」




「花?」




「そう。今が俺の花盛りだ」




隆二は乃愛をお姫様抱っこして立ち上がった。




「乃愛、俺はとてもワガママなんだよ」




「るーたんがワガママ?」




「そう」




「俺は、俺の愛する人達とずっと一緒にいたいんだ」




「それってるーたんの家族でしょ?」




「うん、それもそうなんだけど、俺は欲張りでもあってね」




「乃愛も廉くんも、俺を好きでいてくれる人たちとずっと一緒に生きていたい」




「ずっと一緒にいるよ」




「お家も一緒の方がいいの?乃愛、ここに引っ越してこようか?」




「アハハ…それはムリだ。そんな事言ったら岩ちゃんや理愛ちゃんがびっくりしちゃうよ」




「るーたんも寂しいの?」




「ふふ…そうだね。でも、こんなに家族が増えて、寂しいなんて事、有り得ないんだけどね」




「うさぎさんのおめめになってるよ、るーたん」




「え?赤いの?充血してんのかな」




「乃愛も臣たんもずっと近くにいるから、大丈夫よ」




「うん、ありがと」




「乃愛がお嫁さんに行く日か…」





「夢だからね💦もう忘れてね」




「夢だもんね」




「もっとずっと先の未来だったらいいのになぁ…」




「るーたん…」




「あ!でも陽翔くんはいい旦那さんになるよ。俺が保証する」




「もう、そのお話はやめてぇ💦」




つづく