『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ34)
「よしよし、乃愛…もう大丈夫だからね」
「るーたん、ぐしゅ…」
「オバケの夢でも見た?たっくんがお話したんでしょ?怖かったね」
「ふぇ~ん💦…違うの」
「ん?オバケの夢じゃないの?」
隆二の腕の中で、乃愛は両目をゴシゴシしている。
隆二は乃愛が手で目を擦り過ぎないように、自分が着ているTシャツの袖で涙を拭いた。
「違うの。結婚式の夢だったの」
「そーなんだ!誰と誰の?もしかして俺と乃愛?」
「ううん…」
「乃愛とね、陽翔くんのウエディングなの」
「え!?そうなんだ!なんだか嬉しいようで複雑だな」
「でね…るーたんと臣たんがね”なこうど”してるの」
「仲人?乃愛、難しい言葉知ってるね」
「夢の中でるーたんがそう言ったの。俺たちが乃愛と陽翔くんの仲人だよって」
「おめでたい夢見たね。正夢だったりして」
「グスン…」
「なのに泣いてるんだね」
「だってぇ…」
「陽翔くんはとっても優しくていい人だけど…」
「乃愛はまだるーたんのお嫁さんになる夢、諦めてないんだからね」
「うん、わかってるよ」
「ホントにぃ?わかってるの?るーたん…」
「ああ、乃愛がそう言ってくれてるうちが花だから」
「花?」
「そう。今が俺の花盛りだ」
隆二は乃愛をお姫様抱っこして立ち上がった。
「乃愛、俺はとてもワガママなんだよ」
「るーたんがワガママ?」
「そう」
「俺は、俺の愛する人達とずっと一緒にいたいんだ」
「それってるーたんの家族でしょ?」
「うん、それもそうなんだけど、俺は欲張りでもあってね」
「乃愛も廉くんも、俺を好きでいてくれる人たちとずっと一緒に生きていたい」
「ずっと一緒にいるよ」
「お家も一緒の方がいいの?乃愛、ここに引っ越してこようか?」
「アハハ…それはムリだ。そんな事言ったら岩ちゃんや理愛ちゃんがびっくりしちゃうよ」
「るーたんも寂しいの?」
「ふふ…そうだね。でも、こんなに家族が増えて、寂しいなんて事、有り得ないんだけどね」
「うさぎさんのおめめになってるよ、るーたん」
「え?赤いの?充血してんのかな」
「乃愛も臣たんもずっと近くにいるから、大丈夫よ」
「うん、ありがと」
「乃愛がお嫁さんに行く日か…」
「夢だからね💦もう忘れてね」
「夢だもんね」
「もっとずっと先の未来だったらいいのになぁ…」
「るーたん…」
「あ!でも陽翔くんはいい旦那さんになるよ。俺が保証する」
「もう、そのお話はやめてぇ💦」
つづく