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和の国の身体文化

2022.02.24 13:33

Facebook竹元 久了さん投稿記事  🔵丹田呼吸が、長寿の秘訣?

丹田を意識するには、「呼吸」と「姿勢」がポイントになるようです。さらに長寿にもなれるかも?!

■丹田呼吸で、姿勢も整う?

丹田呼吸により分泌されるセロトニンには、筋肉を活性化させる作用があることも知られている。

たとえば、腹式呼吸(丹田呼吸)を行うのに最もポピュラーな姿勢に、座禅(=あぐら)がある。

座禅を組み、丹田を感覚した状態で呼吸を続けていると、セロトニンが分泌される。

すると、座禅を組みながらでも、からだの余計なこわばりがほぐれ、人体の適切なバランスが自然と算出されるんだ。

そこからさらに座禅の姿勢を続けてゆくと、ドンドンと人体のバランスが整い、姿勢が改善されてゆく。

そして「姿勢が整う」ことで、「呼吸も整う」のである。

姿勢と呼吸はワンセットで整う!

実は、丹田を感覚する腹式呼吸は、呼吸だけを意識しても実現されない。

呼吸を整えるには、同時に姿勢を整えることに取り組まなくちゃいけないんだ。

人体において、姿勢と呼吸はワンセットなのである。

曲がった背骨や、猫背の姿勢、伸びきらないかたい股関節でいくら座禅を組んでも、丹田を感覚することはできないだろう・・・。

姿勢が整う→呼吸が整う→丹田が活性化される→自律神経が整う→さらに姿勢が整う→さらに呼吸が整う・・・

この好循環のプロセスをたどることで、人体ははじめて丹田というアプリケーションを正しく起動することができるのだ!

そして日本人は、この「姿勢を整える」ということの効能を深く理解していた民族だったみたいだ。

■封印された、和の身体文化とは?「姿勢」にその人の生き様が現れる!

明治の頃まで、日本人はそんな風にカラダを捉えて生きていた。

「仕事への姿勢がいい」「学ぶ姿勢ができている」なんて言葉からも、日本人の「姿勢」への感度がうかがえるよね。

それは、筋トレやフィットネスで体をつくる(ボディメイクする)現代的な感覚とは、全く異なる身体文化だ。

そしてそれは、世界でも稀に見る優れた歴史遺産だったのではないかと、当サイトでは推測している。

それまでのチョンマゲを捨て、明治にはじまった急激な近代化・・・

それをなしとげた志士や撫子たちを支えていたのは、ぼくら現代人が失ってしまった和の国の身体文化だったのではないだろうか?

戦後、西洋化したライフスタイルの中で、徐々に姿を消していった日本独自の文化・・・

畳や和服、鼻緒のついた雪駄や下駄。

そして正座やあぐらなどの座法や、おじぎなどの所作。

そうした身体作法にはどれも、丹田を活性化させる効果があることが分かっている。

かつて日本に根付いていた、丹田感覚を自然と養う身体文化=肚(はら)の文化。

それらを失った現代人は、便利な道具に囲まれながらも、その心身はもはや封印されてしまったのではないだろうか?

ここでは詳しくふれないが、コンクリートの上で洋靴をはいて育った日本人の骨格、特に足のカタチは、この数十年で劣化の一途をたどっている。

この現代社会でこんなにもうつ、不眠、過労、自殺など、さまざまな精神疾患を患う人が増えてしまっていることと、人体の劣化は無関係ではないだろう。

姿勢が崩れれば、それだけ呼吸も整わず、自律神経も乱れがちになるのだから、心身が不安定になるのも当然だ。

本当に未来に残すべき、価値ある文化とはなんだろうか?

それは、この人体を美しく整えてくれる、そんな文化ではないだろうか?

カラダが整うことで、損をする人なんていないのだから。

その「身」を「美」しくすること。

それを日本人は『躾(しつけ)』と呼んでいた。

自然とカラダの姿勢が整い、丹田感覚を養ってくれるインフラが当たり前に生活に溶け込んでいたかつての和の国のライフスタイルにこそ、ぼくら現代人の抱えるさまざまな問題を解決するカラダの叡智が眠っているのではないだろうか?

■丹田呼吸が、長寿の秘訣?

そういえば、座禅を組んで修行する禅僧たちって、めっちゃ長寿だったらしいよ。

こんなデータがあるんだけど

隋・唐~宋時代(581年~1279年)の中国人禅僧74名の平均寿命73.9才

平安~江戸時代(794年~1867年)の日本人禅僧67名の平均寿命75.7才

明治から現代(1867年~)の日本人禅僧27名の平均寿命85.8才

日本人の過去の平均寿命・弥生時代 30才・古墳時代 31才・室町時代 33才

・江戸時代 45才

比べてみれば、一目瞭然。禅僧たち、めっちゃ長生きやん・・・!

ちなみに日本人の平均寿命が50才を超えたのは1947年のことだと言われている。

禅寺の食事は、お粥とみそ汁と漬物が基本の精進料理。決して豊富な栄養状態ではなかったはず。

にもかかわらず禅僧たちが長寿だったのは、座禅に健康作用や老化防止作用があるからだろう。

日常的に「姿勢」と「呼吸」を整える『禅=ZEN』というライフスタイルが、世界的なブームになるのもうなずける。

しかし、この座禅には意外な落とし穴があることをご存じだろうか?

(中略)

■丹田と重心のフシギな関係

剣道や相撲、または神社の巫女や神主のとる姿勢として日本に古来より伝わる姿勢、蹲踞(そんきょ)。その起源は古く、縄文時代にまでさかのぼるという・・・。

この蹲踞と座禅の最大の違いは、足を使うことにある!

蹲踞の姿勢をとると、上半身ではなく下半身に血流が集中するため、臍下丹田を感覚しやすくなる。

その時の身体感覚は「重心が落ちる」なんて表現されることもあるんだ。

そして実は、臍下丹田を感覚するために最も意識すべきなのは、姿勢や呼吸よりも、この「重心」だったりする。

重心を、上半身ではなく下半身へ下げること。

それが、臍下丹田を感覚するための最も正確なアプローチである。