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J News International (イギリス拠点)

オミクロン、英国上陸後と3回目のワクチン接種 - 1

2021.12.18 03:50

著:大澤史來

本日18日(土)、英国の新たな感染者数は9万418人となり、昨日の9万3千人に引き続き高い数値となった。これで1日に1万人以上の感染者が増えている計算になる。また、新変異株のオミクロンの感染だけを見てみると、昨日は1日の新しい感染がたったの3,201件に対し、今日は10,059件と一気に3倍以上となった。ロンドン市長、サディック・カーンはオミクロンの驚異的な感染拡大によりロンドン市の「重大インシデント宣言」を発令。この宣言は今年1月にも行われており、コロナウイルスが医療現場にも広がり医療崩壊の危機に伴い、発令されていた。「一つまたは、複数の緊急対応機関による特別対応の実行が必要となる、深刻な結果を引き起こしたできことがや状況」という定義になっている。


新変異株オミクロン

オミクロン株は11月24日、南アフリカで発見され、それ以降、アフリカ、英国、欧州を始め、様々な地域で猛烈な速さで広がりをみせている。英国でオミクロンが発見されたのが約3週間前であるが、専門家によると、新しい感染者は2日ほどで2倍に増える傾向にあり、一人のオミクロン感染者は平均3~5人の周りの人々が感染するという推定している。

英国保健安全保障局の資料では、この新変異株はイングランドで41%、スコットランド5分の1以上を占めている。その中で、ロンドンは特に完全の広がりが激しく、4分の3がオミクロン感染という状況だ。

オミクロン株はデルタ株よりも2、3倍の速さで感染することが分かっている。しかし専門家はまだこの新変異株がどうしてこれほどまでに感染力があるか理解できていない。可能性として考えられるのは、他の変異株よりも容易に細胞に潜入し、増殖する能力があることである。

(資料)

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1042100/20211217_OS_Daily_Omicron_Overview.pdf

https://twitter.com/UKHSA?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor 

資料:Sky News


なぜオミクロンという呼び名?

世界保健機構がコロナウイルスの新たな変異株に名前をつけ始めた際、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタといったギリシャ語のアルファベットを使用。2020年末に英国で最初に確認された変異株は「アルファ」と命名され、その後に南アフリカで「ベータ」が確認された。しかしアルファベットの「Nu」と「 Xi」は使用しないことを決定。「Nu」はNewと混同されやすく、「Xi」は中国の指導者の英語表記と混乱することを懸念したからだ。

世界保健機構は組織の方針は「いかなる文化、社会、国家、地域、専門、民族の人々に不快を与えない」ということが前提としてあるからだ。


ワクチン接種の効力、何度も感染するコロナウイルス

英国では2回のワクチンに70歳以上、30歳以下がファイザー、またはモデルナを接種し、70歳以下から30歳以上にはアストラゼネカを接種している。(当初はファイザーがいち早く使用可能になり、アストラゼネカも使用可能となったが、血栓を引き起こす割合が高いことから30歳以下の使用を制限したため。本人の持病などで接種するワクチンが異なる場合もある。)3回目のブースター接種では、主にファイザーとモデルナが使用されている。オミクロン株に関してはファイザーとモデルナの方が有効であると考えられている。

とはいえ、ワクチン接種は現在のところ、感染を防ぐというより、感染しても症状が軽減するという状況である。実際にパンデミックが始まってからワクチン接種を2回、3回しているのに罹ってしまう人は少なくない。ただ年配者であっても若年者であっても、ワクチン接種者は普通の風邪程度の症状で、数日で回復する場合が多い。