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ピアノ弾きの覚書

看護婦さんは

2022.02.25 17:58


私のことをAmoreと。

またはGioiaとも。



この2つの言葉、イタリアでは大事な人を呼ぶときに使われるのが一般的です。



夫婦同士

恋人同士

親が子に対して



Amoreって愛という意味。そのまんま。

愛する人、という使い方で呼び合う。

Gioiaは喜びという意味。喜ばしき人という意味合いで使われる。椿姫のオペラでもGioia Gioiaと歌う有名なアリアありますね。あのGioiaです。





イタリア、凄いと思いません?

昨日の今日よ?入院したの。

今日の担当看護婦さんはおそらく私より少し歳上か?というほどの年齢だと思う(見た目は私が子供に見えるのだろうが)。




Gioiaはね、まだ使われる事は多い。親しい間柄で歳下の人に対して使われる。



Amoreはね。

さすがにいくら長年イタリアにいるといっても、幼少期をイタリアで育ったわけではないので、なんともそう呼ばれるとフニャっとくる。

もちろんだけどAmoreと私を呼ぶのは主人だけ。





だから看護婦さんにそう呼ばれると、妙に家族的な子供の気持ちになる。





しかも、彼女の呼び方には本当にこれっぽっちたる不自然さが無い。まるで母に呼ばれるような優しい温もりが言葉にある。




別に私だけ特別にそう呼ばれているわけではない。だからこそすごいな、って思うわけです。




言葉の力。